失敗しない歯科医院開業の手順7STEP|物件、資金調達、採用まで総まとめ|医院開業支援実績が多い税理士が詳細解説
「歯科医院を開業したいけど失敗したくない」
勤務している病院を辞めて歯科医院を開業しようと考えているが、失敗しないか不安な先生は少なくありません。
実際、歯科医院は経営状態の良い歯科医院と悪い歯科医院で二極化が進んでおり、今後も続くと考えられます。
また、少子高齢化や口腔衛生の変化などを要因として、歯科医院のニーズは徐々に変わりつつあります。
無理のない開業資金で、時流に適切に対応した歯科医院を開業することは成功には欠かせません。
そこで、今回はリスクを抑えつつ、開業後に軌道の乗ることができる歯科医院開業のコツを開業の流れに沿って解説します。
【STEP1】今後の歯科医院のニーズを踏まえて経営理念やコンセプトを明確にする
物件選定前に、今後の歯科医院のニーズを踏まえて、経営理念やコンセプトを明確にすることが大切です。
歯科医院のコンセプト次第で、適切な立地や物件、内外装、必要な医療設備などが大きく変わってきます。
歯科業界の現状を知る
昔から歯科医院はコンビニより多いと言われてきましたが、2017年頃を機に歯科医院の数はわずかながら減少傾向にあります。
※e-Stat 政府統計の総合窓口「令和4年医療施設(動態)調査 全国編、第5表(報告書第5表) 歯科診療所数,年次・開設者別」 をもとに作成
これは、院長先生の高齢化などの理由で、廃業件数が開業件数を上回ってきたことが大きな要因です。
実際、歯科医院の多くは高齢化が進んでおり、現在の平均年齢は54.8歳です。
※厚生労働省「令和4(2022)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況 」より抜粋
また、歯科医の先生だけでなく、患者さんの高齢化も進んでいて、少子高齢化の影響でスタッフ採用も難しくなってきています。
今後も患者数の減少や人材の確保の難しさから、歯科医院は緩やかに減少すると考えていいでしょう。
歯科医院は減少するとはいえ、集患や採用にかかる難易度やコストは増しており、歯科業界では二極化が進んでいます。
実際、事業規模を拡大している歯科医院が増えている一方で、小規模でギリギリの経営をしている歯科医院も増えている印象です。
今後、歯科医院が生き残るためには、患者さんのニーズを捉えて、理想のスタッフを採用できる状況を整えていくことが必須になるでしょう。
歯科医院に求められるニーズは変化している
少子高齢化が進むにつれて、患者さんのニーズが変化を続けて、歯科開業医を取り巻く状況は大きく変わってきました。
かつては、「歯が痛い」「虫歯ができた」などの理由で歯科医院を訪れる患者さんが多かったです。
しかし、近年は口腔衛生の状況は大きく変わり、8020(80歳で20本以上の歯を残すこと)達成者が増加し、小児の虫歯も減少しています。
保険点数の改悪もあり、一時的な虫歯治療を目的とした保険適用の患者さんに対応していくことは厳しいでしょう。
一方、歯だけでなく、患者さんの全身の疾患状況も踏まえて、医科の先生と連携して包括的な医療サービスの提供体制のニーズが高まっています。
介護の重要性も高まっていますから、訪問歯科は必須となっていくでしょう。
また、アクティブな高齢者の増加や、少子化対策により、助成金など小児治療への保障が手厚くなったこともあり、予防治療のニーズも増えています。
「生涯健康な歯でおいしくご飯を食べたい」と、予防目的で定期的に通院する患者さんは今後も増えていくでしょう。
その方がリピート率の向上に繋がるので、集患コストを抑えながら来院患者数を増やすことが可能になります。
さらに、矯正治療やインプラント、ホワイトニングといった自費診療のニーズも年々増加しています。
歯科業界でも患者さんのニーズが細分化してきているので、歯科医院を開業する際は経営理念やコンセプトを明確にしていくことが重要になってきます。
歯科医院の経営理念やコンセプトを明確にする
以上のことを踏まえて、歯科医院開業時には、経営理念やコンセプトを明確にすることが重要になってきます。
経営理念とは、物事のあるべき状態についての基本的な考えです。
経営理念やコンセプトがなかなか思いつかなければ、次のことをじっくりと考えるようにしましょう。
・他の歯科医院の経営理念を見てみる(特に目標としている歯科医院)
・自分の歯科医院で実現したい願望を書き出す
・自分の歯科医院で絶対にやりたくないことを書き出す
・地域や社会に貢献したいことを書き出す
・誰にどんな治療を提供したいのかを書き出す
・自分の歯科治療の強みを書き出す
耳障りのいい言葉ではなく、開業の目的や理想とする歯科治療を言語化していくことが重要です。
「誰にどんな治療を提供したいのか」ということで、開業準備の方針が大きく変わるので、納得いくまで考えましょう。
【STEP2】市場ニーズと自分のやりたい治療が合致している物件を探す
市場ニーズを理解して、経営理念やコンセプトを明確にしたら、物件についていろいろ検討します。
失敗しない物件の選び方で一番重要なことは、「地元だから」「何となくこのあたりが好きだから」で開業しないことです。
この選び方では、何のために市場ニーズや開業コンセプトを考えてきたのかがわかりません。
小児歯科であれば、ファミリー層が多い場所が適していますし、審美歯科なら女性が来院しやすい場所が適しています。
歯科医院のターゲットやコンセプトに合わせて、物件を探していくことが重要になります。
他の医科クリニックでも同じことが言えますが、次の手順で物件を慎重に探すことが大切です。
①歯科市場のニーズと歯科医院のコンセプトを明確にする
②患者さんの属性(ターゲット)を明確にする
③駐車場の有無を含めて物件のイメージを具体的にする
④診療圏調査を行う
⑤診療圏調査の結果を踏まえて物件情報を集める
⑥物件のイメージと物件情報が合っているか確認する
⑦テナントか戸建てか、承継開業かを検討する
歯科医院は減少傾向とはいえ、依然としてコンビニより多い状況なので、競合歯科医院の立地もよく調べることが大切です。
なお、物件探しについては、以下の記事も参考にしてください。
【STEP3】必要な開業資金を明確にして資金調達をする
物件の次に、歯科医の先生が気にするのは資金調達です。
ここ数年は、リスクを抑えて開業したいという先生が多いですが、たしかに無謀な計画は禁物です。
事業計画をしっかり考えて、必要な開業資金を明確にすることが大切です。
必要な開業資金を明確にして事業計画書を作成する
歯科医院の必要開業資金は、診療方針や物件によって大きく変わります。
だいたいの目安はテナント物件で4,000~5,000万円程度ですが、物価上昇の影響で土地、内装費用、医療機器が値上がりしている傾向にあります。
運転資金の考え方次第によっても変わりますが、必要な開業資金が7,000~8,000万円程度になってもおかしくありません。
いずれにしても、明確な事業計画書を作って必要な開業資金を明確にしましょう。
歯科医院の場合は、次の費用を考える必要があります。以下は、テナント開業の場合です。
物件関係の費用 | 前家賃(半年~10ヶ月分程度)、敷金・礼金、仲介手数料、火災保険、保証料 |
内装・外装費用 | 工事費用、家具関係、看板費用 |
医療機器や諸設備 | チェアユニット、自動洗浄機、レントゲン機器、バキューム、エアーコンプレッサー、3Dスキャナー、レーザー、マイクロスコープ、空気清浄機、エアコンなど(購入費用、リース料) |
システム関係 | 予約システム、電子カルテなど |
広告費 | チラシ・ホームページ制作費等 |
求人費用 | 求人広告作成費用、掲載料 |
内覧会費用 | ― |
その他備品 | ― |
運転資金 | 開業1~2年程度の人件費、家賃、設備維持費、水道光熱費等 |
その他顧問費用 | 税理士、社労士、コンサルタントなど |
院長先生の生活費 | ― |
開業資金を算出したら、次に医業収入の見積もりを行います。
必要な開業資金から、必要な医業収入の目安がわかってきます。
1日の来院患者数、平均単価(保険、自費)、診療日数などから計算して、資金繰り表を作成します。
この時点で、資金繰りがかなり厳しいようであれば、開業資金について見直しが必要となります。
事業計画書というと、金融機関の融資を通すために必要と考えがちですが、それ以前に開業後の医院経営を考えるうえで非常に重要です。
先生のライフプランも同時に考えて、現実的に実現可能な事業計画書を作成しましょう。
事業計画書の作成については、以下の記事を参考にしてください。
必要に応じて開業資金を抑える
開業資金と医業収入の見積もりに乖離があり、資金繰りが苦しいようであれば開業資金を抑えることも検討が必要です。
ただ、開業資金を抑える場合は、各々のデメリットが発生することがあるのでよく検討しなければいけません。
コストダウンの方法 | デメリット |
居抜き物件、承継開業 | ・立地が患者さんの属性に合っていないと医業収入が見込めない ・承継開業の場合は前院長の悪評、問題スタッフ、悪評を引き継ぐ可能性がある |
物件を見直す | 患者さんの属性に合わないと医業収入の想定が減ってしまう可能性がある |
固定費を抑える | 患者満足度やスタッフの働きやすさに影響する可能性がある |
設備導入費を抑える | 理想の治療ができなくなる可能性がある。開業後軌道に乗ったら設備投資することも要検討 |
人件費を抑える | 人手不足や採用難に陥りやすい。医業収入の30%超なら要検討 |
その他、可能であれば開業スケジュールを短縮できないかどうかも検討した方がいいでしょう。
開業までの期間があまりに長いと、家賃負担が大きくなってしまいます。
無理のない範囲で合理的な開業スケジュールを策定してください。
資金調達をする
必要な開業資金や事業計画ができたら、資金調達手段を考えます。
歯科医の先生から「自己資金はいくら用意しておけばいいか?」という質問が多いですが、だいたい500~1,500万円くらいが目安です。
ただ、人によってバラツキはあるので、「この額が妥当」というのは、歯科医の先生の貯蓄額によって変わるでしょう。
自己資金がなくても融資は可能ですが、開業後の資金繰りを考慮したら、ある程度は用意した方がいいでしょう。
逆に、無理に自己資金を突っ込むこともおすすめはしません。
開業後の生活が十分成り立つレベルで、貯蓄はある程度残した方がいいです。
また、自己資金については、自分の貯蓄だけでなくIT導入補助金などの補助金・助成金の活用を検討したいところです。
単純に金融機関からお金を借りるよりも先に、返済不要の補助金・助成金を活用できないか検討した方がいいでしょう。
そのうえで、金融機関からの融資を検討しましょう。
補助金の申請が採択されれば、金融機関の融資も有利に動くことが多いです。
開業時の融資は、日本政策金融公庫や、自治体の制度融資など低金利で審査のハードルがやや低いところを中心に考えるといいでしょう。
詳細は、以下の記事を参考にしてください。
【STEP4】内外装の設計・工事、医療設備の搬入
資金調達を終えたくらいになると、本格的な内外装の工事や医療設備の搬入に向けて動き出すことになります。
内装は患者さんがリラックスできることと動きやすい動線作りを意識する
歯科医院の内装は、思いのほか集患や患者満足度に影響します。
「歯科医は腕が良ければ繁盛する」という時代はすでに終わり、治療以外の付加価値も求められている時代です。
そのため、患者さんにとってリラックスできるかどうか、プライバシーが守られているかどうかなどもよく検討しましょう。
例えば、狭いスペースしか確保できないような物件であっても、圧迫感なく広く見せる演出は可能です。
また、歯科医の先生やスタッフが動きやすい動線になっていることや、医療設備が導入しやすいスペースが確保されているかも重要です。
ストレスなく診療ができて、患者さんに応対しやすい動線となっているかどうかも考えて内装を考えましょう。
歯科医院の経験が豊富な施工会社を選ぶと、上記のような相談をしやすくなります。
患者さんの目に留まる看板を作る
看板については、患者さんの目に留まる看板を作ることが大切です。
歯科医院であることがわかり、患者さんの属性に合ったロゴにすることはもちろん、次のことは検討するようにしましょう。
・診療時間など必要な情報を外観のどこに掲載するか?
・自院にとって一番目に付きやすい看板は何か?
・遠くからでも歯科医院と認知できる大きな看板は必要か?
・通行人の目線や動線に合っているか?
・視認性は問題ないか?
その他、駅看板や電柱広告などについては、以下の記事を参考にしてください。
予算の範囲内で必要最低限の医療設備を選ぶ
医療設備については、予算の範囲内で必要最低限のものを選び、無理のない開業資金にすることが大切です。
開業時に必須のものだけを選んで、軌道に乗ってから自分の治療方針に合った医療設備に投資するのも必要です。
最初からあれもこれも選んでしまうと、かなり資金繰りを圧迫することになります。
チェアユニットにしても、最初から何台も揃えるのではなく、徐々に増やしていくくらいがおすすめです。
事業計画書では、だいたい5年くらいの計画になるので、設備投資の時期なども考えておくといいでしょう。
また、一言にチェアユニットやレントゲン、3Dスキャナーといっても様々な種類があります。
・品質や性能をよく確認する
・アフターサービスや保証期間を確認する
・リースにするか、購入するか?
・販売会社が勧めてくる付属品やセット品は本当に必要か?
・まとめて購入することで費用を抑えることはできないか?
上記のことはよく考えて、自分の治療方針に合った設備を選ぶようにしましょう。
【STEP5】オープニングスタッフを採用する
物件の選定、資金調達、内外装や医療設備の他に、歯科医院開業時に必須の課題になるのがオープニングスタッフの採用です。
ここでも活きてくるのが、経営理念やコンセプト、治療方針になります。
経営理念がなければ、スタッフと同じ方向を向いて進むことはできませんし、何より理想のスタッフ像が明確になりません。
オープニングスタッフの採用の段階では、許容できる人件費の範囲内で採用する職種や人数は自ずと決まっています。
そのうえで理想のスタッフ像を明確にして、書類選考や面接に向けて動き出しましょう。
面接時は選ぶ側であり選ばれる側であるという意識を持つ
歯科業界の採用難は続くと考えられ、実際歯科衛生士に関しても給与や福利厚生の水準は上がっています。
院長先生、求職者ともに選ぶ側でもあり選ばれる側でもあるという意識を持つことが大切です。
面接時は、求職者をジャッジしようと構えるよりは、お互い自己紹介する感覚で話してみた方が採否を判断しやすいでしょう。
あまり求職者に緊張感を与えてしまうと、その時点で内定を辞退されてしまうことになります。
なお、書類選考や採用面接については、以下の記事も参考にしてください。
一緒に働きたいスタッフ像を明確にする
歯科医院開業時は、歯科医師が院長先生1人で、歯科衛生士を数人採用する程度が大半ですが、次のようにスタッフ像は明確にしましょう。
・性別
・年齢
・勤務時間
・主な仕事内容
・経験した実務
・実務経験年数
・職業ブランクの有無
・性格
・価値観
・話し方
・身なり
・雰囲気
・その他採用で重視したいこと
ただ単に優秀な人に来てほしい、末永く働ける人がほしいと考えるのではなく、具体的にどんな人かを考えるのです。
例えば、A歯科医院で職場に馴染めず、すぐに辞めたスタッフが、B歯科医院では優秀なスタッフとして長く働くといったことは少なくありません。
歯科医院によって、経営理念や診療方針、来院する患者さん、診療時間などが違うので当然のことです。
なお、採用面接時には「周りからどんな人と言われますか?」「そのことについてどう思いますか?」という質問をすると、理想のスタッフ像と近いかどうかイメージしやすいでしょう。
開業前の歯科医院に求人募集の貼り紙を貼っておく
今の求人方法は、求人サイトやクリニックのホームページ、SNSなどWebを用いた方法が主流です。
しかし、Webを用いた求人が主流であるからこそ、アナログな方法も検討の余地があります。
ある院長先生は、貼り紙に開業日だけでなく、スタッフ募集の旨を告知したところ、たまたま通りかかった求職者から応募があったということです。
アナログな方法もバカにすることなく、様々試してみる価値はあるでしょう。
開業後もSNSを活用して求人募集する
現状、スタッフが退職して人員が足りなくなったら求人募集を開始するケースがほとんどですが、急に募集してもスタッフが集まるとは限りません。
また、慌てて欠員を補充することで、仕事のできない問題スタッフを採用してしまう可能性もあります。
歯科医院を開業した後の話になりますが、現状人材が足りている場合でも、ある程度は求人募集することがおすすめです。
しかし、常時求人するデメリットもあります。
慢性的な募集では、常時人が足りないか、離職率の高い職場という負のイメージを持たれやすいうえに、広告費の負担も大きくなります。
また、特に開業直後の歯科医院では余剰人員になるリスクもあります。
そのため、コストのかからないSNSの活用なども要検討です。
SNSを活用して求人募集する医科歯科クリニックは増えており、求人媒体としてはおすすめです。
就職活動でSNSまでチェックするということは、理念や治療方針、職場の雰囲気をよく調べているということです。
それで応募しているわけですから、かなり働きたいという意欲が強いと考えていいでしょう。
実際、SNSを見て応募してきた求職者は、仕事に対する意識が高く、離職率が低い傾向にあります。
SNSはコストがかからないため、開業前の段階で積極的に活用してみるといいでしょう。
【STEP6】チラシやホームページなどで告知する
新規の患者さんを呼び込むためには、ホームページやチラシなどの紙媒体などの準備が必要です。
ホームページで歯科医院プロモーションを行う
歯科医院のホームページについては、他の診療科目同様に医療広告ガイドライン に注意して制作しないといけません。
しかし、次のことであれば医療広告規制に抵触することはありませんし、患者さんに親しみや安心感を与えながら来院を誘導できます。
・顔写真付きの院長、スタッフ紹介
・アクセス情報、連絡先
・予約方法
・診療時間や休診日の情報
詳細は、以下の記事をご覧ください。
チラシなど紙媒体の販促物による歯科医院プロモーション
ホームページの他、チラシやリーフレット、ポケットティッシュなども用意しましょう。
アナログな方法ですが、地域の人に挨拶しながら、チラシやポケットティッシュなどを手渡しするのもいいでしょう。
院長先生、スタッフともに労力がかかるので、他の歯科医院はほとんどやらないですが、その分効果は期待できます。
歯科医院開業前に内覧会を開催する効果
歯科医院に限ったことではないですが、開業前の内覧会は必須です。
認知度アップだけでなく、信頼感や親近感を与えることができるので、来院のハードルを下げることができます。
特に小児歯科など親子をターゲットとしている場合は、女性のクチコミによる拡散効果が期待できるでしょう。
【STEP7】歯科医院開業に伴う行政手続きをする
開業1~2ヶ月前になると、歯科医院開業に伴う各種行政手続きが必要となります。
・開設届の提出など保健所への届出・申請
・保険医療機関指定申請書など厚生局への届出・申請
・開業届など税務関連への届出(税務署・県税事務所)
・労務手続(社会保険など)
医科歯科クリニックの行政手続きに詳しく、税理士や社労士とも連携が取れる行政書士と相談するようにしましょう。
【まとめ】歯科業界のニーズに合った治療を提供できる歯科医院を開業する
歯科業界は、これまでの「虫歯を治す」といった治療目的の通院だけでなく、予防・メンテナンスの需要も高まっています。
また、訪問歯科や他診療科目との連携など、歯科業界のニーズは徐々に変化してきています。
そのうえで、経営理念や開業コンセプトを考えて、開業物件探しや資金調達に向けて動き出しましょう。
歯科医院の開業医・勤務医の年収や開業事例などについては、以下の記事も参考にしてください。
税理士法人テラスでは、経験豊富な税理士、社労士、行政書士、物件などの専門家が結集してワンストップで医院開業支援を行っています。
上記のステップすべてワンステップで開業準備を進めることができるので、ぜひご相談ください。
監修者
笠浪 真
税理士法人テラス 代表税理士
税理士・行政書士
MBA | 慶應義塾大学大学院 医療マネジメント専攻 修士号
1978年生まれ。京都府出身。藤沢市在住。大学卒業後、大手会計事務所・法律事務所等にて10年勤務。税務・法務・労務の知識とノウハウを習得して、平成23年に独立開業。
現在、総勢52人(令和3年10月1日現在)のスタッフを抱え、クライアント数は法人・個人を含め約300社。
息子が交通事故に遭遇した際に、医師のおかげで一命をとりとめたことをきっかけに、今度は自分が医療業界へ恩返ししたいという思いに至る。
医院開業・医院経営・スタッフ採用・医療法人化・税務調査・事業承継などこれまでの相談件数は2,000件を超える。その豊富な事例とノウハウを問題解決パターンごとに分類し、クライアントに提供するだけでなく、オウンドメディア『開業医の教科書®︎』にて一般にも公開する。
医院の売上を増やすだけでなく、節税、労務などあらゆる経営課題を解決する。全てをワンストップで一任できる安心感から、医師からの紹介が絶えない。病院で息子の命を助けてもらったからこそ「ひとつでも多くの医院を永続的に繁栄させること」を使命とし、開業医の院長の経営参謀として活動している。