和歌山県立医科大学医学部の歴史・カリキュラム・研修制度などの紹介!開業医の方もいます

公開日:2021年3月14日
更新日:2024年3月18日

はじめに

和歌山県立医科大学医学部は高度専門教育と並行して地域医療や保健さらに福祉の幅広い教育を展開していくことで医療人としての人々の健康や疾病に関しての幅広いニーズに対応していく資質を持ってきました。疾病に向き合う真剣なまなざしと病を持つ人に対しての優しいまなざしを併せ持つ医療人を育成していきます。

さらに国際基準をふまえた医学教育プログラムの実践や国際交流を通して国際的な視野を有する医療人を育成していきます。医学部においての基礎配属実習の強化や研究者育成プログラムコースの推進を通して学部教育でのリサーチマインドの充実を図ります。

出典:和歌山県立医科大学医学部HP

所在地

和歌山県立医科大学医学部の所在地は和歌山県伊都郡かつらぎ町妙寺219にあります。大阪府南部や奈良県西部に比較的近いですがアクセス的にはけっこう厳しいものがありそうです。和歌山からでも電車などで楽に1時間以上・大阪からだと2時間近くかかりそうです。高野山などにも近く山の中という感じになります。

出典:和歌山県立医科大学医学部HP

入学金・学費

和歌山県立医科大学医学部の学費を紹介します。

1年次は県内の生徒の入学金は282000円、県外の生徒は752000円と47万円の差があります。授業料は535800円で合計が81万7800円と128万7800円。

2年次から6年次は授業料が535800円×5年間=267万9000円

合計が81万7800円+267万9000円=349万6800円と396万6800円程度。

県内生は国立大学生と同等の学費で6年間で350万円程度、県外生はお隣の奈良県立医科大学の学費でとほぼ同じで同400万円程度になります。授業料は他の国立大学医学部と変わりません。私立医学部と比較するとだいたい7・8分の1程度ですので安価なのには変わりありません。

出典:医学部受験マニュアルHP

偏差値

65.0

国公立大学医学部の中でも標準的かやや高い方といえます。滋賀医科大学医学部京都府立医科大学医学部広島大学医学部岡山大学医学部あたりと同等レベルといえます。

出典:河合塾医進塾HP

倍率

和歌山県立医科大学医学部の倍率を紹介します。

19年度:前期1.9倍、公募推薦1.2倍程度、18年は同4.8倍と1.3倍。

18年と19年で入試倍率が大きく異なっています。たまたま19年が低かったということも考えられるので低いという安心はできません。

出典:旺文社HP

医師国家試験合格率

2020年:全体98.1%(全国6位)新卒100.0%(全国1位タイ)既卒71.4%(全国43位タイ)
2019年:全体93.3%(全国20位)新卒93.9%(全国43位タイ)既卒83.3%(全国7位タイ)
2018年:全体94.8%(全国17位タイ)新卒95.4%(全国36位タイ)既卒85.7%(全国5位)
2017年:全体91.8%(全国29位タイ)新卒92.8%(全国42位)既卒50.0%(全国45位タイ)
2016年:全体99.1%(全国1位タイ)新卒100.0%(全国1位タイ)既卒75.0%(全国21位タイ)

鬼門であった17年も含めて高い成績で安定しています。16年は全国トップタイ、20年もトップ10に入っています。新卒もこの2年間は100%です。既卒も上位の年が多いです。

出典:医学部受験ラボHP

歴史

和歌山県立医科大学医学部の歴史を紹介します。

昭和20年2月:和歌山県立医学専門学校の設置を認可
昭和22年6月:和歌山県立医科大学予科の設置を認可
昭和23年2月:和歌山県立医科大学の設置を認可
昭和26年3月:和歌山県立医学専門学校及び予科の閉校
昭和27年3月:学校制度改革による和歌山県立医科大学の設置を認可
昭和30年1月:和歌山県立医科大学進学課程の設置を認可
昭和30年4月:和歌山県立医科大学を開校
昭和33年7月:学位規定の制定を認可
昭和35年3月:和歌山県立医科大学大学院の設置を認可
昭和36年3月:旧制の和歌山県立医科大学の廃止
昭和38年4月:大学本部及び基礎医学部門の移転を認可
昭和39年1月:学生の定員を60名に変更
平成10年9月:和歌山県立医科大学の開講式を行う
平成11年5月:和歌山県立医科大学の統合移転の完成
平成17年4月:大学院医学研究科修士課程開設・博士課程再編
平成18年4月:公立大学法人の和歌山県立医科大学に名称を変更
平成19年10月:医学部定員85名届出を受理される
平成20年10月:医学部定員95名届出を受理される
平成21年10月:医学部定員100名届出を受理される

出典:和歌山県立医科大学医学部HP

特徴

和歌山県立医科大学医学部医学科の特徴は以下のようになります。

医師の育成と医学の研究はもとより県民の保健医療の中核施設としてさらには将来の医学の医学の進展に対応できる大学として整備を図ります。

大学の6年間の一貫教育を前提にして進学・基礎・臨床の教職員・学生の交流とふれあいが深められる施設計画として将来の医学に有益な人材育成のための施設充実を図っていきます。

施設は附属病院を含め研究棟・基礎教育棟・附属図書館など15棟の建物で構成されます。相互に関連性の強い棟については利便性を考えて隣接した位置に配置していきます。

研究棟の1階には大型研究機器を一括管理して有効に活用できるようにして共同利用施設を設置して2・3階には先端的教育及び医療情報の研究並びにがんの集学的な治療を支援していく先端医学研究所を設置しました。

出典:和歌山県立医科大学医学部HP

カリキュラム

和歌山県立医科大学の医学部の学生は卒業時に基礎医学・臨床医学・社会医学領域での研究の意義を理解して科学的な情報の評価などの批判的な思考・新しい情報を生み出すための倫理的な思考と研究計画立案を行うことができる能力を身に着けていかなければなりません。以下カリキュラムを紹介します。

1年次は生物学・倫理学・医療社会科学・教養セミナー・保健体育・物理学・第2外国語・医学入門・化学・英語Ⅰ・情報処理・基礎理科・心理学・数学・数理科学・哲学・社会学・統計学・医学統計学・心理学実習などを学びます。

2年次は人体の正常構造と機能・生体分子の構造と機能・講義予備・医療行動科学・生理学実習・地域実習・細胞の構造と機能・系統解剖学実習・生化学・細胞生物学実習・地域実習報告会・基礎配属事前説明会・基礎医療英語・系統解剖学実習・人体の正常構造と機能実習などを学びます。

3年次は生体と微生物・病因と病態・医学英語・法医学・生体と微生物・免疫と生体防御・生体と薬物・生体と微生物・病因と病態・遺伝子と遺伝子異常・生体と薬物・免疫と生体防御などを学びます。

4年次は画像医学・消化器・循環器・呼吸器・栄養・内分泌・麻酔・公衆衛生・眼・救急・精神・神経・腎泌尿器・生殖・皮膚・小児科・東洋・リウマチ・歯科・医療安全・医療情報・地域医療・臨床実習入門・看護体験実習・臨床実習などを学びます。

5・6年次は臨床実習を主に行います。

出典:和歌山県立医科大学医学部HP

研修制度

和歌山県立医科大学医学部医学科の研修制度は和歌山県立医科大学付属病院を管理型の病院として研修医の希望を取り入れて関連していく公的な病院にも協力病院に加わってもらっています。研修プログラムには一般プログラム・小児科プログラム・産婦人科プログラムの3つがあります。

一般プログラムは1年次に内科6か月、救急科3か月、外科1か月、小児科1か月、神経精神科1か月の合計12か月、2年次は地域医療1か月、その他の11か月は自由選択科目になります。自由選択科目は研修医の方が診療科や期間を自由に選択することができます。

小児科プログラムは1年次に内科6か月、小児科3か月、救急科3か月の合計12か月、2年次に小児科6か月、産婦人科1か月、地域医療1か月、外科1か月、神経精神科1か月、選択科2か月の合計12か月になります。和歌山県立医科大学付属病院と協力型病院で研修を行っていきます。

産婦人科プログラムは内科6か月、産婦人科3か月、救急科3か月の合計12か月、2年次に小児科2か月、麻酔科3か月、外科1か月、神経精神科1か月、地域医療1か月、産婦人科3か月、選択科1か月の合計12か月になります。プライマリ・ケアから高度先端医療までのすべてを満たした研修を行うことが可能になります。

出典:和歌山県立医科大学付属病院HP

部活動

和歌山県立医科大学医学部の部活動を紹介します。体育会と文化会があります。忙しい時間の間を縫って部活動に勤しんでいる学生があります。

体育会は卓球部・漕艇部・軟式テニス部・バスケットボール部・バトミントン部・準硬式野球部・柔道部・ラグビー部・陸上競技部・ゴルフ部・硬式テニス部・男子バレーボール部・サッカー部・ヨット部・剣道部・空手部・スキー部・水泳部・合気道部・フットサル部などがあります。

文化会は軽音楽部・音楽研究会・茶道部・美術部・医学英語研究会・和歌山県立医科大学臨床技能サークル・米国医学研究会などがあります。

出典:和歌山県立医科大学付属病院HP

連携病院

和歌山県立医科大学医学部の主な連携病院を紹介します。

橋本市民病院(和歌山県橋本市小峰台)
国立病院機構南和歌山医療センター(和歌山県田辺市たきない町)
独立行政法人和歌山労災病院(和歌山県和歌山市木ノ本)
紀南病院(三重県南牟婁郡御浜町阿田和)
新宮医療センター(和歌山県新宮市蜂伏)
公立那賀病院(和歌山県紀の川市打田)
国保日高総合病院(和歌山県御坊市薗)
大阪南医療センター(大阪府河内長野市木戸東町)

出典:日本救急医学会 救急医を目指す君へ

著名な卒業生

和歌山県立医科大学医学部の主な開業医の方を紹介します。

垣本哲宏氏(総合内科医・垣本内科医院院長)
中嶋宏児氏(耳鼻科医・なかじま耳鼻咽喉科みのりクリニック院長)
庄野嘉治氏(消化器外科医・しょうのクリニック院長)
佐谷修氏(循環器内科医・佐谷医院院長)
櫻井照久氏(乳腺外科医・さくらい乳腺外科クリニック院長)

出典:病院検索ホスピタ

笠浪 真

1978年生まれ。京都府出身。藤沢市在住。大学卒業後、大手会計事務所・法律事務所等にて10年勤務。税務・法務・労務の知識とノウハウを習得して、平成23年に独立開業。
現在、総勢52人(令和3年10月1日現在)のスタッフを抱え、クライアント数は法人・個人を含め約300社。
息子が交通事故に遭遇した際に、医師のおかげで一命をとりとめたことをきっかけに、今度は自分が医療業界へ恩返ししたいという思いに至る。

医院開業・医院経営・スタッフ採用・医療法人化・税務調査・事業承継などこれまでの相談件数は2,000件を超える。その豊富な事例とノウハウを問題解決パターンごとに分類し、クライアントに提供するだけでなく、オウンドメディア『開業医の教科書®︎』にて一般にも公開する。

医院の売上を増やすだけでなく、節税、労務などあらゆる経営課題を解決する。全てをワンストップで一任できる安心感から、医師からの紹介が絶えない。病院で息子の命を助けてもらったからこそ「ひとつでも多くの医院を永続的に繁栄させること」を使命とし、開業医の院長の経営参謀として活動している。

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