滋賀医科大学医学部の歴史・特徴・研修制度などを紹介!開業医の方も多いです

公開日:2021年2月13日
更新日:2024年3月18日

はじめに

滋賀医科大学医学部は地域に支えられて貢献をしていく大学といえます。高い専門的な技能と確固たる倫理観を兼ね備えて科学探求心を有する医療人及び研究者を養成していきます。

豊かな教養と確かな倫理観そして高い専門的な知識を有する信頼される医療人を育成すること
研究倫理と独創性を有する研究者を養成して特色ある研究を世界に発信していくこと
信頼と満足を追究する優れた全人的な医療を地域の提供しないと社会に貢献すること

出典:滋賀医科大学HP

住所

滋賀医科大学医学部の所在地は滋賀県大津市瀬田月輪町にあります。琵琶湖線瀬田駅から車で10分ほどのところにあります。

出典:滋賀医科大学HP

入学金・学費

滋賀医科大学医学部の学費を紹介します。

1年次は入学金は282000円、授業料は535800円で合計が81万7800円

2年次から6年次は授業料が535800円×5年間=267万9000円

合計が81万7800円+267万9000円=349万6800円

基本的に他の国立大学医学部と変わりません。医学部に関しては他学部以上に国公立と私立で学費の差が顕著に出ます。

出典:滋賀医科大学HP

偏差値

65.0

国立医学部の中では標準的かやや高めくらいです。大阪市立大学医学部名古屋市立大学医学部和歌山県立医科大学医学部島根大学医学部あたりが併願候補になってきそうです。

出典:河合塾医進塾HP

倍率

滋賀医科大学の倍率を紹介します。

19年度:前期3.3倍、センター課す2.8倍、18年度は5.1倍、2.7倍。

それなりの倍率がありますので大変な入試になりそうです。

出典:旺文社HP

医師国家試験合格率

2020年:全体94.0%(全国44位)新卒95.5%(全国46位タイ)既卒71.4%(全国43位タイ)
2019年:全体94.4%(全国14位)新卒96.6%(全国13位タイ)既卒66.7%(全国27位タイ)
2018年:全体92.9%(全国32位タイ)新卒95.4%(全国36位タイ)既卒77.8%(全国19位)
2017年:全体85.2%(全国64位タイ)新卒85.7%(全国69位)既卒77.8%(全国10位タイ)
2016年:全体92.7%(全国35位タイ)新卒93.9%(全国53位)既卒77.8%(全国17位)

17年を除くとだいたい93%前後と安定しています。だいたい30位台から40位台くらいなので標準的・平均的なところといえます。

出典:医学部受験ラボHP

歴史

滋賀医科大学医学部医学科の歴史を紹介します。

昭和49年10月:滋賀医科大学の開学
昭和50年4月:医学科の入学式を挙行
昭和50年5月:大津赤十字病院を関連病院にする、また開学記念式典を行う
昭和51年8月:本校舎の一部が完成
昭和53年4月:医学部に付属病院を設置
昭和53年9月:医学部附属病院開院記念式典の挙行
昭和56年3月:第1回の卒業式を行う
昭和56年4月:大学院医学科の設置
昭和60年3月:大学院研究科の学位授与式を行う
平成元年6月:分子神経生物学研究センターを設置
平成9年4月:マルチメディアセンターの設置・総合診療部を設置
平成13年4月:医療情報部の設置
平成14年4月:医療安全管理部・卒後臨床研修センター・地域医療連携室を設置
平成16年4月:国立大学法人滋賀医科大学の設立
平成16年10月:開学30年式典を行う
平成19年4月:腫瘍センターを設置
平成19年6月:ペインクリニック科を設置
平成20年9月:リハビリテーション科の設置
平成21年10月:腫瘍内科の設置
平成25年4月:アジア疫学研究センターの設置
平成30年4月:情報総合センターの設置
平成30年8月:神経内科を脳神経内科へ名称変更
令和2年4月:国際交流センターの設置

出典:滋賀医科大学HP

特徴

滋賀医科大学の特徴を紹介します。

1:学生が卒業までにつけておくべき知識・技能・態度に関する能力を卒業の認定に関する方針に基づいて策定。それを達成するための学修成果基盤型教育を行っていきます。

2:プロフェッショナリズムの教育をしていきます。1年次から早期体験実習や付属病院体験実習などの実習をしていきます。2年次でも地域体験医療実習などを行います。3年次から4年次では医に対するロールプレイングを行っていきます。また社会医学フィールド実習も行っていきます。4年次から6年次は臨床実習・学外臨床実習などの本格的な実習を行っていきます。疾病に対する知識と診療技術そして患者さんなどとのコミュニケーションをつけていきます。

3:臨床実習は見学という形ではなく、自らも診療チームの一員として患者さんの治療に携わります。診療参加型実習という形で行っていきます。ほとんどの大学の臨床実習はこの形式を採っています。

4:臨床医学の講義では臓器別で行います。そこに関連する基礎医学講座や臨床医学講座を入れていきます。また少人数のグループ形式で行う能動学習では課題発見能力・問題解決能力・能動的な学習態度・積極的なコミュニケーションを養成していきます。

5:医学や医療への科学的な探求心をつけていきます。研究室配属では学内研究施設・国内研究施設・海外の研究施設などで最低1か月程度の研究を行ってそれを研究発表という形で論文にしていきます。

出典:滋賀医科大学HP

カリキュラム

滋賀医科大学のカリキュラムは1年時から4年次の年内くらいまでは講義・実習・演習などが中心になります。1年次は哲学・自然科学などの主に教養科目を学びます。医学は基礎医学・社会医学・臨床医学を学びます。科ごとに学ぶこともありますがどちらかというと臓器別に学ぶことが多くなっています。

4年次の年明けくらい(5年次の少し手前)から本格的な医学の道に入るための臨床実習を行います。5年次までは地元の滋賀医科大学の付属病院、6年次以降は提携・連携医療機関での実習も入ってきます。

卒業後は自らの専門を中心に研修医として学んでいきます。そこは他大学と大きな差はなさそうです。

出典:滋賀医科大学履修要項PDF

研修制度

滋賀医科大学の研修プログラムは患者さんから信頼される全人的な医療のできる医師を育てていきます。このためには患者・医療スタッフ・指導医などを含めたコミュニケーション能力が重要になります。

研修プログラムのコースは標準型コース・周産期コース・協力病院研修コースとがあります。

標準型コースは1年次で内科21週・総合診療3週・外科4週・救急4週・救急麻酔科4週・小児科4週・産婦人科4週・精神科4週の合計48週、2年次は自由選択科32週・救急科4週・地域医療4週・外科4週・近郊病院4週の合計48週です。大半を滋賀医科大学付属病院(数か月程度を協力病院で行う)で行います。どの診療科にも対応ができるマルチなコースとなっています。

周産期コースは1年次で内科21週・総合診療3週・救急科4週・麻酔科4週・小児科+産婦人科12週(小8・産4と小4・産8の2コースあり)外科4週の合計48週、2年次は自由選択科36週・救急科4週・地域研修4週・精神科4週の合計48週です。大半を滋賀医科大学付属病院(数か月程度を協力病院で行う)で行います。産婦人科・小児科を目指す方のためのコースとなっています。

協力病院研修コースは1年目を協力病院・2年目は自由選択科10か月(1年目で不足している必修科や一般外来の研修を2年次でカバーします)地域研修1か月・救急科1か月で行います。1年目を協力病院・2年目は希望する病院で専門的な研修を行います。ただ各病院の研修のための定員が2名以下となっているところが多く希望する病院での研修ができるかは確実とはいえなそうです。

出典:滋賀医科大学医師臨床教育センターHP

部活動

滋賀医科大学の部活動を紹介します。文化系と体育系そして同好会とがあります。勉強の合間を縫って部活動に励む学生も少なくありません。

文化系は写真部・軽音楽部・コンピュータークラブ・医学英語研究会・美術部・管弦楽団・囲碁将棋部・混声合唱団・若鮎祭実行委員会・茶道部・遊書会・アカペラサークル・地域医療研究会・園芸部・医学研究サークル・救急医療研究サークルとがあります。

運動系はバドミントン部・硬式野球部・剣道部・サッカー部・バスケットボール部・ラグビー部・スキー部・バレーボール部・スキー部・バレーボール部・準硬式野球部・ヨット部・水泳部・漕艇部・ハンドボール部・ワンダーフォーゲル部・陸上競技部・ソフトボール部・柔道部・ゴルフ部・合気道部・空手部・卓球部などがあります。

同好会はボランティアサークル・スノーボード部・ダンスサークル・滋賀医科大学実行委員会・ぬいぐるみ病院・大道芸サークルなどがあります。

出典:滋賀医科大学HP

連携病院

滋賀医科大学の連携病院を紹介します。

大津赤十字志賀病院(滋賀県大津市和邇中)
市立野洲病院(滋賀県野洲市小篠原)
日野記念病院(滋賀県蒲生郡日野町上野田)
彦根市立病院(滋賀県彦根市八坂町)
国立病院機構紫香楽病院(滋賀県甲賀市信楽町牧)
滋賀八幡病院(滋賀県近江八幡市鷹飼町)
長浜市立湖北病院(滋賀県長浜市木之本町黒田)
ヴォーリズ記念病院(滋賀県近江八幡市北之庄町)
市立野洲病院(滋賀県野洲市小篠原)
彦根中央病院(滋賀県彦根市西今町)
長浜市立湖北病院(滋賀県長浜市木之本町黒田)
琵琶湖病院(滋賀県大津市坂本)
豊郷病院(滋賀県犬上郡豊郷町八目)
共和病院(京都府京都市伏見区醍醐川久保町)
西京都病院(京都府京都市西京区御陵溝浦町)
新川端病院(京都府長岡京市一文橋)
大阪回生病院(大阪府大阪市淀川区宮原)
野崎徳洲会病院(大阪府大東市谷川)
岡村記念病院(静岡県駿東郡清水町柿田)
伊賀市立上野総合市民病院(三重県伊賀市四十九町)

出典:滋賀医科大学HP

著名な卒業生

滋賀医科大学の主な開業医の方を紹介します。

浅田洋造氏(内科医・泌尿器科医・浅田クリニック院長)
松尾信郎氏(循環器内科医・医療法人清和会松尾医院院長)
身原香子氏(産婦人科医・身原病院を夫婦で開業)
林寛子氏(形成外科医・林ジョイアクリニック院長)
福永真未氏(美容皮膚科医・くみこクリニック院長)

出典:病院検索ホスピタ

笠浪 真

1978年生まれ。京都府出身。藤沢市在住。大学卒業後、大手会計事務所・法律事務所等にて10年勤務。税務・法務・労務の知識とノウハウを習得して、平成23年に独立開業。
現在、総勢52人(令和3年10月1日現在)のスタッフを抱え、クライアント数は法人・個人を含め約300社。
息子が交通事故に遭遇した際に、医師のおかげで一命をとりとめたことをきっかけに、今度は自分が医療業界へ恩返ししたいという思いに至る。

医院開業・医院経営・スタッフ採用・医療法人化・税務調査・事業承継などこれまでの相談件数は2,000件を超える。その豊富な事例とノウハウを問題解決パターンごとに分類し、クライアントに提供するだけでなく、オウンドメディア『開業医の教科書®︎』にて一般にも公開する。

医院の売上を増やすだけでなく、節税、労務などあらゆる経営課題を解決する。全てをワンストップで一任できる安心感から、医師からの紹介が絶えない。病院で息子の命を助けてもらったからこそ「ひとつでも多くの医院を永続的に繁栄させること」を使命とし、開業医の院長の経営参謀として活動している。

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