【6ヶ月で平均50%退職!? 】オープニングスタッフ採用3つの失敗事例

公開日:2020年7月10日
更新日:2025年3月31日

はじめに

医院開業で成功したい先生は、今からお伝えする事実を必ず知ってください。

医院開業のために金融機関などから資金調達したあとは、開業時に採用するオープニングスタッフを採用することになります。

しかし、オープニングスタッフは辞めやすい傾向があり、平均すると半年以内に50%のスタッフが退職しています。

なかには、「開業1~2年で全員辞めてしまった」というケースも珍しくありません。

そこでオープニングスタッフの採用に失敗する、よくある事例を紹介しましょう。

【事例①】「採用してから考えよう」で訴えられたA先生

「うーん、とりあえず採用してみよう。実際に戦力になるかどうかは働いてもらわないとわからない」

そう考えたA先生は医院開業時、少し多めにスタッフも採用しました。

しかし、思った以上に戦力になるスタッフは少なく、A先生は困り果ててしまいました。

特にJさんは先生の求める能力には全然達しておらず、しかも患者さんに愛想のない対応をする問題スタッフ。

患者さんからクレームが相次ぎ、しかも他のスタッフともトラブルを起こします。

ストレスの限界を感じたA先生は、耐えきれずに「もう辞めてくれ」とJさんに通告します。

するとJさんは大声で泣き出し、「訴えてやる」と言い放ち、本当に「不当解雇」で訴えてきました。

A先生は、まだ働いて1~2ヶ月程度のJさんに対して、1年分の給料の支払いを命じられてしまいます。

また、この件を機にA先生のクリニックは「あそこはブラックだ」という噂が流れてしまい、まったく人が集まらなくなりました。

A先生のように、問題スタッフでもいったん採用すれば簡単に辞めさせることができません。

辞めさせようものなら労使間トラブルに発展し、しかも院長先生には非常に不利になりやすいです。

問題スタッフの採用を見送り、優秀で辞めないスタッフを履歴書や面接で見分けないと、A先生の二の舞を演じることになるでしょう。

教訓①:履歴書や面接で「優秀で辞めないスタッフ」を見抜く

【事例②】縁故採用で問題スタッフを採用したB先生

B先生は「縁故なら安心だ」ということで、親しくしている医師からKさんを紹介してもらいました。

面接したとき、B先生は少し違和感を覚えるものの、紹介ということで断りづらいのでKさんを縁故採用しましたが、それが失敗でした。

Kさんは、A先生が採用したJさんと同様、能力的に求めるレベルに達していない問題スタッフだったのです。

もちろん、A先生のように簡単に辞めさせるとトラブルが発生しますし、紹介してくれた医師との関係も悪化します。

困り果てたB先生ですが、他の優秀なスタッフLさんが活躍しているおかげで、何とか医院経営が成り立っていました。

しかしB先生は、ある日Lさんに辞表を叩きつけられてしまいます。

「ストレスが溜まります。Kさんが辞めないなら私が辞めます」

Lさんは、あっさりと他の条件の良いクリニックに転職してしまいました。

縁故採用には、いくつか注意しないといけない重要ポイントがあります。重要ポイントを知らずに縁故採用をしても失敗する確率は高くなります。

教訓②:縁故ならではの離職やトラブルリスクがある

【事例③】給料を安く設定して全然人が集まらないC先生

「開業直後は、何とか経費を抑えたい」

C先生は、オープニングスタッフに対して低い給与を設定しました。他の医院に比べて2~3万円くらいの差でしょうか。

しかし、これが大失敗でした。

先生の求める優秀なスタッフが、全然応募してこないのです。

たまに履歴書が送られてきたかと思えば、何回も転職を繰り返していたり、何かトラブルを起こして前職を辞めた人ばかり。

C先生はわずかだけ給与を低くしたばかりに、給与の何倍もの利益に貢献してくれる優秀なスタッフをみすみす逃していたのです。

たしかに給与を高く設定しすぎると、人件費の大きな負担となるでしょう。

しかし、だからといって給与を低くすれば良いわけではなく、適正な給与を与えなければいけません。

A先生のように「とりあえず採用しよう」という考えで多く採用するのではなく、優秀なスタッフを少数精鋭で揃えるのです。

そして、優秀なスタッフに対して適正な給与を設定することが、人件費を抑えつつ生産性を高める鍵となるでしょう。

教訓③:給与設定には重要な基準やポイントがある

優秀で辞めないスタッフを見極めたい

上記のようにオープニングスタッフで失敗するケースは多く、多額の人件費が無駄になるケースが相次いでいます。

しかもスタッフ採用に失敗すれば、売上など医院経営に大きな悪影響を与え、人間関係のストレスに強く苛まれます。

逆に、「優秀で辞めない」スタッフを採用できれば離職率を減らし、売上も上がって人間関係のストレスからも解放されます。

採用に関する関連記事はこちらをご覧ください

【クリニックの中途採用】面接で前職の退職理由を質問する際の4つの注意点

クリニックの中途採用の書類選考や面接時の質問で確認したい項目の1つに「前職の退職理由」があります。 退職リスクを見極める上では重要な項目ですが、他人の過去に踏み…

医院・クリニック開業時の採用面接、書類選考、採用後のスタッフ教育で失敗しないコツとは?

「一生懸命スタッフを教育をしても全然育ってくれない!」「承継開業してスタッフも引き継いだけど、全然言うことを聞いてくれない」「勤務していた前の病院から付いてき…

【看護師や医療事務のトライアル雇用】試用期間との違いや助成金活用

多くの医院やクリニックでは、スタッフ採用や定着率、退職・解雇といった様々な労務問題に悩んでいます。 書類選考や面接を踏まえてスタッフを採用してみても、「やっぱり…

【歯科医院の人事労務】スタッフとのトラブル6つの対応策

一般企業に限らず、歯科医院についても、スタッフ雇用や教育、人間関係の悩みはよく聞きます。 実際に歯科医院の院長先生は、資金繰りなどのお金の問題だけでなく、スタッ…

医院におけるスタッフ採用については、以下書籍にもまとめておりますので、宜しければご覧ください。

笠浪 真

1978年生まれ。京都府出身。藤沢市在住。大学卒業後、大手会計事務所・法律事務所等にて10年勤務。税務・法務・労務の知識とノウハウを習得して、平成23年に独立開業。
現在、総勢52人(令和3年10月1日現在)のスタッフを抱え、クライアント数は法人・個人を含め約300社。
息子が交通事故に遭遇した際に、医師のおかげで一命をとりとめたことをきっかけに、今度は自分が医療業界へ恩返ししたいという思いに至る。

医院開業・医院経営・スタッフ採用・医療法人化・税務調査・事業承継などこれまでの相談件数は2,000件を超える。その豊富な事例とノウハウを問題解決パターンごとに分類し、クライアントに提供するだけでなく、オウンドメディア『開業医の教科書®︎』にて一般にも公開する。

医院の売上を増やすだけでなく、節税、労務などあらゆる経営課題を解決する。全てをワンストップで一任できる安心感から、医師からの紹介が絶えない。病院で息子の命を助けてもらったからこそ「ひとつでも多くの医院を永続的に繁栄させること」を使命とし、開業医の院長の経営参謀として活動している。

こちらの記事を読んだあなたへのオススメ