札幌医科大学の研修制度・カリキュラム・特徴などを紹介!開業医の方も多くいます

公開日:2020年12月16日
更新日:2024年3月18日

はじめに

札幌医科大学医学部では人間性豊かな医師・医学研究者の育成・独創的な先端研究の推進・高度先進医療の開発と研究成果の社会への還元さらに国際交流の促進などが含まれます。

学習面でも教養科目・基礎医学・社会医学・臨床医学などの基本的な学修の流れ、そして同時に早期から医療の現場を学ぶための地域実習、付属病院や提携医院などでの臨床実習、基礎医学研究などの多様なカリキュラムが盛り込まれています。

そこから現代の社会で必要とされている多様な医師や医学研究者の要請に応えることのできるカリキュラムの内容となっています。また課題の独創性の解決のできる医師の育成を行っていきます。

出典:札幌医科大学医学部HP

住所

札幌医科大学医学部の所在地は札幌市中央区南1条西17丁目にあります。地下鉄西18丁目駅から徒歩2・3分程度と近いです。札幌の市街からも2キロ以内なので優に自転車圏内です。

出典:札幌医科大学医学部HP

入学金・学費

札幌医科大学医学部の学費を紹介します。

1年次は入学金は282000円、授業料は535800円で合計が81万7800円

2年次から6年次は授業料が535800円×5年間=267万9000円

合計が81万7800円+267万9000円=349万6800円

6年間で350万円程度。この学費が国公立大学医学部の大きな魅力といえます。4年間が6年間になるということで2年分の授業料107万円程度が追加されるだけで実にリーズナブルといえます。

出典:医学部受験マニュアル

偏差値

62.5

国立大学医学部の中では比較的入学のしやすいかなという感じがします。ただ国公立を中心に医学部は難関大学ばかりです。容易に入学できるところは1つたりともありません。旭川医科大学医学部秋田大学医学部山形大学医学部福島県立医科大学医学部あたりが併願候補の大学といえそうです。

出典:河合塾医進塾HP

倍率

札幌医科大学医学部医学科の入試倍率は19年度が前期日程が3.6倍、センター試験課特別枠が2.5倍ほどとなっています。18年度も同3.5倍と2.5倍程度なのでさほど変化はありません。医学科の女子学生は全体の30%ほどとなっていますので比較的多いかなという気がします。

出典:旺文社HP

医師国家試験合格率

2019年:全体95.4%(全国11位タイ)新卒98.0%(全国5位)既卒66.7%(全国27位タイ)
2018年:全体93.3%(全国26位タイ)新卒93.6%(全国50位タイ)既卒90.0%(全国3位)
2017年:全体91.7%(全国31位)新卒91.5%(全国51位)既卒100.0%(全国1位タイ)
2016年:全体96.2%(全国10位タイ)新卒97.2%(全国16位)既卒80.0%(全国14位タイ)

合格率93%から95%、全体ではコンスタントに10位台・20位台に入っています。既卒者の合格率は全国トップクラスといえます。入学時よりも卒業時に成績を上げている学生も多い感じがします。

出典:医学部受験ラボHP

歴史

札幌医科大学医学部の歴史を紹介します。

1950年2月:札幌医科大学設置認可

1950年4月:札幌医科大学開学

1950年6月:開学式を行う

1953年3月:入学定員を60名に増やす

1956年3月:大学院医学研究科の設置を認可。入学定員25名

1960年6月:開学10周年記念式を行う

1962年12月:入学定員を80名に増やす

1974年1月:入学定員を100名に増やす

1975年6月:開学25周年記念式を行う

2000年6月:開学50周年記念式を行う

2004年4月:医学部附属病院から大学付属病院に名称を変更

2007年4月:北海道公立大学法人札幌医科大学と名称を変更

2008年4月:入学定員を105名に増やす

2009年4月:入学定員を110名に増やす

2010年6月:開学60周年記念式を行う

2017年12月:教育研究施設を増設

自主自律の大学運営を行っています。同時に道民の健康を守っていく大学として今後もあり続けます。

出典:札幌医科大学医学部HP

特徴

札幌医科大学の特徴は卒後プログラム・地域包括型診療参加臨床実習・MD-PhDプログラム及び研究室配属などがあります。

研究に早く携わることができる・研究も部活も有意義・北海道に就職しようと思えばかなり有利・先生も親切で優しい方が多い・北大に比べると研究や設備が落ちる・近くにアパートを借りられる・授業内容が濃いなどの学生の意見があります。先生・研究・授業・アクセスなどを含めると総合的にまずまずです。ただこの大学に納得して入学することも大事かなという気がします。

卒後プログラム

卒後プログラムは医師として一人立ちするために10年間の初期・後期臨床研修を通して専門的な研修を行っていく必要があります。札幌医科大学の卒後プログラムは道内各地と連携ができていますので豊富な症例を基に実力ある医師を育てていきます。また専門医の資格の取得のサポートもしていきます。また大学院での学位取得や地域枠卒業の方のための研究医育成のためのサポートをしていきます。

3、地域包括型診療参加臨床実習

6年次では地域の基幹病院で医療チームの一員として診療参加型の臨床実習を行います。医療現場に即した基本的な診療能力を徹底的に養います。補助事業の終了後も継続して開講しています。また1年次から3年次では道内の各地に出向いて地域の方との生活実態や医療体制さらには健康問題などについて交流を行います。また現地の医療スタッフから職種の連携やチーム医療を学びます。

MD-PhDプログラム及び研究室配属

2年次から5年次では大学院での教育を学部生が学べるMD-PhDプログラムを学ぶことができます。通常は4年かかる大学院博士課程を3年間で修了することができます。優秀な研究の指導者から最先端の医療研究を早期に学ぶことができます。必要な論理的な思考力や考察力を学ぶことができます。研究成果が国際での論文や教科書に乗ることもあります。

また3年次では生理学・病理学・基礎医学などの講座に1か月間全員が配属されます。研究テーマを基に海外の論文を読んだり研究室の中で議論し合います。科学者の一端を経験します。

出典:札幌医科大学医学部HP

カリキュラム

医学部の教育目標は多様化する医学と医療の進展に対応して社会の要請に応えていく人間性・基本的な診療能力と技術を備えた医師の育成・そして医学の研究者となるための基礎を培うことです。主に学生の自主的な自主的な学習に重点を置いた授業となります。医学部の教育は大学に関係する多くの方々に支えられてできるものです。そして学生の方もやがては次世代の医学者を支援する方に回ります。そのようなことのできる方々を育成していきます。

1・2・3年次

1年次は一般教養科目と基礎科目を学びます。心理学・医療倫理学・人類学・放射線物理学・応用統計学・英会話・医学史・肉眼解剖学・人体発生学・地域医療合同セミナー1・医学概論及び医療概論1などを学びます。

2年次は基礎系医学科目を学びます。神経解剖学・肉眼解剖学実習・生化学・病理学・薬理学・微生物学・分子生物学・免疫学・整理薬理学実習・地域医療合同セミナー2・医学概論及び医療概論2などを学びます。

3年次は社会医学系科目と臨床医学系科目を学びます。病理学実習・遺伝医学・公衆衛生学・社会医学実習・研究室配属・消化器内科学・臨床腫瘍学・小児科学・外科学概論・地域医療合同セミナー3・医学概論及び医療概論3などを学びます。

4・5・6年次

4年次は社会医学系科目と臨床医学系科目の続きと共用試験を行います。精神医学・麻酔科学・脳神経外科学・耳鼻咽喉科学・救急医学・整形外科学・医療安全衛生学・臨床入門・PBLチュートリアル教育・地域医療合同セミナー4・医学概論及び医療概論4・地域医療合同セミナー5・医学概論及び医療概論5などを学びます。

5年次は主に臨床実習を医学部の付属病院で行います。

6年次は臨床実習を学内の病院だけでなく連携医院などでも行います。最後に卒業試験と医師国家試験を行って卒業。研修医の道に入ります。

出典:札幌医科大学医学部HP

研修制度

札幌医科大学ではプライマリーケアを中心とした基礎的な知識と技術さらには態度などの臨床能力を身に着けることを目的にしていきます。患者の心理的・社会的な側面を含む全人的な医療を身に着けていくことを目的にしています。標準プログラム・産婦人科プログラム・小児科プログラムの3つに主に分かれます。

特徴は自由選択が最大で48週も可能なこと・たすき掛け研修が充実していること・豊富な症例と指導スタッフがいること・将来の専門を見据えた高度な研修を行えること・北海道唯一の高度救命救急センターで三次救急研修も行えることなどの多くのメリットがあります。

標準プログラム

標準プログラムでは1年目に札幌医科大学病院・2年目に協力病院で研修を行うコース、1年目に協力病院、2年目に札幌医科大学付属病院で研修を行うコース、1・2年目とも札幌医科大学付属病院で研修を行う3つのコースに分かれています。

札幌医科大学→協力病院コース

札幌医科大学→協力病院コースでは2年間で内科24週以上・外科4週以上・小児科4週以上・産婦人科4週以上・精神科4週以上・救急12週以上が必須科目になります。また1年次に救急以上を4週以上、2年次に地域医療を4週以上行うこと。あとは協力病院のプログラムを優先しながら希望する選択科目を中心に研修を行っていきます。

協力病院→札幌医科大学コース

協力病院→札幌医科大学コースでは2年間で内科24週以上・外科4週以上・小児科4週以上・産婦人科4週以上・精神科4週以上・救急12週以上が必須科目になります。また1年次に救急以上を4週以上、2年次に地域医療を4週・救急医療を4週以上行うこと。選択科目を中心に研修を行っていきます。

札幌医科大学2年コース

札幌医科大学2年コースでは2年間で内科24週以上・外科4週以上・小児科4週以上・産婦人科4週以上・精神科4週以上・救急12週以上が必須科目になります。また1年次に救急以上を4週以上、2年次に地域医療を4週以上行うこと。あとは選択科目を中心に研修を行っていきます。

産婦人科プログラム

産婦人科プログラムでは1年目に札幌医科大学病院・2年目に協力病院で研修を行うコース、1年目に協力病院、2年目に札幌医科大学付属病院で研修を行うコース、1・2年目とも札幌医科大学付属病院で研修を行う3つのコースに分かれています。産婦人科プログラムは選択科目が産婦人科が中心になる以外は標準プログラムと大差はありません。

札幌医科大学→協力病院コース

札幌医科大学→協力病院コースでは2年間で内科24週以上・外科4週以上・小児科4週以上・産婦人科4週以上・精神科4週以上・救急12週以上が必須科目になります。また1年次に救急以上を4週以上、2年次に地域医療を4週以上行うこと。あとは協力病院のプログラムを優先しながら希望する選択科目を中心に研修を行っていきます。

協力病院→札幌医科大学コース

協力病院→札幌医科大学コースでは2年間で内科24週以上・外科4週以上・小児科4週以上・産婦人科4週以上・精神科4週以上・救急12週以上が必須科目になります。また1年次に救急以上を4週以上、2年次に地域医療を4週・救急医療を4週以上行うこと。選択科目を中心に研修を行っていきます。

札幌医科大学2年コース

札幌医科大学2年コースでは2年間で内科24週以上・外科4週以上・小児科4週以上・産婦人科4週以上・精神科4週以上・救急12週以上が必須科目になります。また1年次に救急以上を4週以上、2年次に地域医療を4週以上行うこと。あとは選択科目を中心に研修を行っていきます。

小児科プログラム

小児科プログラムでは1年目に札幌医科大学病院・2年目に協力病院で研修を行うコース、1年目に協力病院、2年目に札幌医科大学付属病院で研修を行うコース、1・2年目とも札幌医科大学付属病院で研修を行う3つのコースに分かれています。小児科プログラムは選択科目が小児科が中心になる以外は標準プログラムと大差はありません。

札幌医科大学→協力病院コース

札幌医科大学→協力病院コースでは2年間で内科24週以上・外科4週以上・小児科4週以上・産婦人科4週以上・精神科4週以上・救急12週以上が必須科目になります。また1年次に救急以上を4週以上、2年次に地域医療を4週以上行うこと。あとは協力病院のプログラムを優先しながら希望する選択科目を中心に研修を行っていきます。

協力病院→札幌医科大学コース

協力病院→札幌医科大学コースでは2年間で内科24週以上・外科4週以上・小児科4週以上・産婦人科4週以上・精神科4週以上・救急12週以上が必須科目になります。また1年次に救急以上を4週以上、2年次に地域医療を4週・救急医療を4週以上行うこと。選択科目を中心に研修を行っていきます。

札幌医科大学2年コース

札幌医科大学2年コースでは2年間で内科24週以上・外科4週以上・小児科4週以上・産婦人科4週以上・精神科4週以上・救急12週以上が必須科目になります。また1年次に救急以上を4週以上、2年次に地域医療を4週以上行うこと。あとは選択科目を中心に研修を行っていきます。

出典:札幌医科大学医学部HP

部活動

札幌医科大学の部活動を紹介します。札幌医科大学は公立大学ですが部活動にも力を入れています。体育系と音楽系はサークル気分ではないとのことです。先輩が卒業後も部の応援に来ることも多々あります。多くの国立大学にある部活動は気分転換という考えでは入部しない方が良いかもしれません。文化系と運動系があります。

文化系はジャズ研究会・ポップス研究会・アカペラ研究会・美術部・演劇部・外科手技部・混声合唱団歌部・国際医学生連盟・茶道部・室内楽合奏団・吹奏楽部・箏曲部・ダンス部・北海道救急医療研究会・日本フライングディスク協会などがあります。

体育系はアイスホッケー部・空手部・弓道部・剣道部・古武術研究会・ゴルフ部・サッカー部・自転車競技部・柔道部・水泳部・卓球部・硬式テニス部・軟式テニス部・男子バスケットボール部・女子バスケットボール部・男子バレーボール部・女子バレーボール部・ハンドボール部・バトミントン部・フットサル部・準硬式野球部・軟式野球部・陸上部・ワンダーフォーゲル部・スノーボード部などがあります。

出典:札幌医科大学医学部HP

連携病院

札幌医科大学の連携病院を紹介します。

JR札幌病院(札幌市中央区北3条東)
市立札幌病院(札幌市中央区北11条西)
国家公務員共済連合会斗南病院(北海道札幌市中央区北4条西)
NTT東日本札幌病院(札幌市中央区南1条西)
JCHO北海道病院(札幌市豊平区中の島1条)
KKR札幌医療センター(札幌市豊平区平岸1条)
国立病院機構北海道医療センター(札幌市西区山の手5条)
江別市立病院(北海道江別市若草町)
市立千歳市民病院(北海道千歳市北光)
岩見沢市立総合病院(北海道岩見沢市9条)
砂川市立病院(北海道砂川市西4条北)
滝川市立病院(北海道滝川市大町)
小樽市立病院(北海道小樽市若松)
市立室蘭総合病院(北海道室蘭市山手町)
苫小牧市立病院(北海道苫小牧市清水町)
伊達赤十字病院(北海道伊達市末永町)
函館五稜郭病院(函館市五稜郭町)
旭川赤十字病院(北海道旭川市曙1条)
北見赤十字病院(北海道北見市北6条東)
北海道社会事業協会帯広病院(北海道帯広市東5条)

出典:札幌医科大学医学部HP

著名な卒業生

札幌医科大学の卒業生・主に開業医の方を紹介します。

磯山勝男氏(皮膚科医・磯山医院院長)
高木力氏(循環器科医・高木循環器科診療所院長)
館雅之氏(内科医・精神科医・たて内科クリニック院長)
松田三千雄氏(皮膚科医・ふみぞの松田皮膚科院長)
吉川智道氏(消化器外科医・吉川メディカルクリニック院長)

出典:病院検索ホスピタ

笠浪 真

1978年生まれ。京都府出身。藤沢市在住。大学卒業後、大手会計事務所・法律事務所等にて10年勤務。税務・法務・労務の知識とノウハウを習得して、平成23年に独立開業。
現在、総勢52人(令和3年10月1日現在)のスタッフを抱え、クライアント数は法人・個人を含め約300社。
息子が交通事故に遭遇した際に、医師のおかげで一命をとりとめたことをきっかけに、今度は自分が医療業界へ恩返ししたいという思いに至る。

医院開業・医院経営・スタッフ採用・医療法人化・税務調査・事業承継などこれまでの相談件数は2,000件を超える。その豊富な事例とノウハウを問題解決パターンごとに分類し、クライアントに提供するだけでなく、オウンドメディア『開業医の教科書®︎』にて一般にも公開する。

医院の売上を増やすだけでなく、節税、労務などあらゆる経営課題を解決する。全てをワンストップで一任できる安心感から、医師からの紹介が絶えない。病院で息子の命を助けてもらったからこそ「ひとつでも多くの医院を永続的に繁栄させること」を使命とし、開業医の院長の経営参謀として活動している。

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