福島県立医科大学医学部の歴史とカリキュラム・研修制度、著名な開業医の卒業生

公開日:2020年6月25日
更新日:2024年3月18日

はじめに

福島県立医科大学医学部では教育理念として「心・知・技・和・地」を挙げています。医療や福祉に貢献できる医師や医学研究者を養成して輩出することができました。真摯な心、共感する心、探求する心、命を救う知識、未知に挑む技、未来へつなぐ技、患者や家族との和、働く仲間との和、地域から作る、地域から発信するなどの意味が含まれています。福島県や他の医療機関と連携して良き医師の育成を行ってきたという自負があります。

また研究機関として総合科学・生命化学・社会医学・臨床医学などの各分野で最先端の研究成果を世界に向けて発信してきました。臨床医学では附属病院で先進の医療を提供して県民の健康を守るという役目をしてきました。高度な知識と高い技術さらに高い倫理性を備えた医師を養成していきます。医学教育の充実を目指して卒前・卒後の教育の改善を進めていきます。

出典:福島県立医科大学医学部HP

住所

福島県立医科大学医学部の所在地は福島県福島市光が丘1番地にあります。南福島駅が最寄になります。ただ福島駅の方がアクセスも良くバスも出ています。駅から大学までは10キロほどでバスだと40分、タクシーで20分弱程度かかります。

出典:福島県立医科大学医学部HP

入学金・学費

福島県立医科大学医学部の学費を紹介します。福島県立医科大学は公立大学なのですが、国立大学と同額の学費で済んでいます。ただ公立大学は県や市で運営するので国立大学よりも若干高くなる場合が多いです。

1年次は入学金は282000円、授業料は535800円で合計が81万7800円

2年次から6年次は授業料が535800円×5年間=267万9000円

合計が81万7800円+267万9000円=349万6800円

6年間で350万円程度なので私立医学部の10分の1程度ですのでかなり安く感じます。

出典:医学部受験マニュアル

偏差値

62.5

最近はやや易化傾向になっています。福島県立医科大学医学部は国公立大学の中では入学しやすい方に入るでしょう。ただ医学部はどの大学も簡単に入学することはできません。相当量の勉強が必要になることは間違いありません。

隣県の私立で比較的近郊の自治医科大学医学部獨協医科大学医学部東北医科薬科大学医学部あたりを併願候補に考えても良いかもしれません。

出典:河合塾医進塾HP

倍率

全体で3.4倍、一般枠が3.9倍、地元枠が2.6倍。(2019年度)ちなみに18年度は全体6.8倍、一般枠が7.1倍、地元枠が6.2倍。

出典:福島県立医科大学HP

医師国家試験合格率

2020年:全体95.0%(全国25位タイ)新卒96.8%(全国30位)既卒80.0%(全国29位タイ)
2019年:全体90.4%(全国47位タイ)新卒91.6%(全国59位)既卒33.3%(全国70位タイ)
2018年:全体95.4%(全国13位)新卒98.0%(全国8位)既卒66.7%(全国36位タイ)
2017年:全体92.0%(全国28位タイ)新卒94.5%(全国30位タイ)既卒0.0%(全国77位タイ)
2016年:全体97.2%(全国8位タイ)新卒99.0%(全国8位)既卒66.7%(全国33位タイ)

全体的には上位に来ています。全体で20位以内に入る年もあります。特に新卒の合格率の高さが目立ちます。

出典:医学部受験ラボHP

歴史

福島県立医科大学医学部の歴史を紹介します。

1944年1月:福島県立女子医学専門学校の設立を認可

1947年6月:福島県立医科大学予科設置認可

1950年4月:医科大学の学部の開設

1952年2月:新制の医科大学の設置を認可

1952年4月:新制の医科大学の開設を認可

1955年1月:医科大学進学課程の設置認可

1955年4月:医科大学進学課程の開設を認可

1961年4月:医科大学大学院医学研究科の開設

1968年4月:進学課程は教養課程と名称変更

1987年6月:附属病院を福島市光が丘に移転

1997年9月:開学50周年記念式典を行う

2008年4月:医学部の学生の定員を80名から95名に増やす

2009年4月:医学部の学生の定員を95名から100名に増やす

2010年4月:医学部の学生の定員を100名から105名に増やす

2011年4月:医学部の学生の定員を105名から110名に増やす

2012年4月:医学部の学生の定員を110名から125名に増やす

2013年3月:医学部を新設

2013年4月:医学部の学生の定員を125名から130名に増やす

2016年3月:医学部の学生寮を新設

2010年前後は学生の定員を毎年のように増やしています。数年後の2025年には人口の多い団塊世代のすべての方が後期高齢者になります。今後の高齢化社会への担い手を養成していこうという動きがこのようなところからみられるのが分かります。

出典:福島県立医科大学医学部HP

概要・特徴

福島県立大学医学部では独自のらせん型のカリキュラムでの教育を行っています。学生は総合科学系科目・生命科学系・社会医学系・臨床医学系の科目を緊密に行き来をしていきながらも、それらを融合した総合教育系の科目を各自の成長と習熟度に合わせて6年間を通して発展的に学びます。

また県立の医科大学として地域社会を常に意識した内容となっています。学生が大学から地域で医師になって、地域住民から謙虚に学ぶという姿勢を付けていけるような教育をしていきます。

先生の医療知識と人間力が高い・6年間のすばらしい学生生活・丁寧な指導・医師国家試験の高さ・遊べないところが勉強に集中できるなどの学生の声があります。地方大学医学部の特徴がよく出ているなと感じました。

出典:福島県立医科大学医学部HP

カリキュラム

福島県立医科大学のカリキュラムは1年次、2年次から4年次、5・6年次の3つに大きく分かれます。

1年次

1年次は語学・自然科学・人文科学系科目と総合教育系及び生命科学・社会医学系科目を効率よく配置しています。医学の基本を抑えることそして医学を取り巻く課題を多面的にとらえていく考え方を身に着けていきます。また医療現場や地域社会などの見学を通してチームワークや相手の立場を思いやります。医師としてのビジョンをじぶんなりに作っていきます。

生態・医療人類学、憲法、経済学入門、薬害、ジェンダー論、哲学、死生観、文化史、倫理学、戦争と医学、映画論、書道、芸術と文化、美術解剖学、音楽、数学概論ⅠⅡ、発生生物学、分子生物学、進化学、細胞生物学、生物学実習、有機化学ⅠⅡ、化学実験、物理学ⅠⅡ、物理学実験、基礎自然科学、自然科学アドバンス、英語ⅠⅡ、ドイツ語ⅠⅡ、フランス語ⅠⅡ、中国語ⅠⅡ、人体解剖学入門、人体発生学、代謝生化学、分子生化学、体育実技、情報処理入門、自然科学方法論、生命倫理、症候学入門、基礎心理学、早期ポリクリニック、医学概論、人体機能学概論、福島県学、地域実習Ⅰ、コミュニケーション論、チュートリアル教育Ⅰ、男女共同参画を学びます。

2年次から4年次

2年次から4年次は生命化学・臨床医学・社会医学系科目の学習を通して、医学についての生命現象から医療の実際と保健や福祉さらに社会とのかかわりまで網羅的に学びます。2年次は人体の正常構造と機能、疾病の原因や病態の基本などを生命医学科目を学びます。3年次は内科・外科系などの治療アプローチから総合的に学んでいく臨床医学系科目が有機的に配置されます。そこに社会医学系科目を配置して医学の多面性や社会とのつながりを学びます。4年次は3年時の続きと同時に研究活動・共用試験を実施します。臨床実習のための準備をしていきます。

2年次は統計学ⅠⅡ、英語ⅢⅣ、人体発生学、肉眼解剖学、組織学、脳解剖学、情報生化学、生化学実習、器官生理学、神経生理学、生理学薬理学実習、微生物学、免疫学、病理学概論ⅠⅡ、漢方医学Ⅰ、腎泌尿器、腫瘍学演習、臨床解剖学、基礎特別講義、チュートリアル教育Ⅱ、こころと脳を学びます。

3年次は英語Ⅴ、衛生学予防医学、公衆衛生学、疫学、疫学実習、法医学、循環器、消化器、呼吸器、腎泌尿器、内分泌、代謝、乳腺、リウマチ、膠原病、アレルギー、血液、輸血、脳、神経、成長と発達。、生殖周産期、運動器リハビリテーション、皮膚形成、眼科視覚、頭頚部口腔、精神、放射線診断治療学、麻酔、救急災害医療、感染制御、放射線生命医療学、漢方医学Ⅱ、放射線災害医療学、老年医学、チュートリアル教育Ⅲ、医療情報学、地域実習Ⅱを学びます。

4年次は基礎上級医学、臨床薬理学、性差医療、漢方医学Ⅲ、腫瘍内科学、医療と法、症候論とケーススタディ、臨床実習入門、医療と社会、プライマリーケア、地域医療、社会的コミュニケーション、男女共同参画、医療入門Ⅱを学びます。

5・6年次

これまでに培ってきたコミュニケーション能力や問題解決能力を発揮していきながら医療チームの一員として医療に参加して実践的な診療能力を身に着けていきます。地域の医療機関で長期的な実習を行います。また自宅にホームステイしながら実習をするコースもあります。コミュニケーション能力を含めた総合的な成長をしていくことが狙いにあります。

5年次と6年次は主に臨床実習が中心になります。また6年次はまとめの総合学習や卒業試験・医師国家試験などもあります。国家試験に合格すると次はいよいよ医師としての研修が始まります。

出典:福島県立医科大学医学部HP

研修制度

福島県立医科大学の卒後研修はベーシックプログラム、1年間協力病院で研修を行う1年目福島医大・2年目協力病院、逆の1年目協力病院、2年目福島医大、小児科産婦人科周産期の4つのコースがあります。

ベーシックプログラムは1年次に内科24週、救急科12週、外科4週、小児科4週、産婦人科4週の合計48週。2年次は地域医療4週、精神科4週、選択科40週の合計48週で行います。

福島医大・協力病院コースは福島医大では上記の1年次のコース、協力病院ではその病院や専門の科に即したプログラム内容となっています。

小児科産婦人科周産期コースは1年次に小児科もしくは産婦人科を12週、内科24週、救急科12週で合計48週、2年次は地域医療4週、精神科4週、外科4週、小児科または産婦人科4週、選択科32週の合計48週で行います。

最大の特徴は多様な選択制と高い自由度です。100を超える協力病院での研修が可能になっています。一般診療の対応と診療技能を幅広く学ぶことができます。

出典:福島県立医科大学医学部HP

部活動

福島県立医科大学の部活動を紹介します。運動部と文化部があります。

運動部はアーチェリー部・弓道部・空手部・剣道部・ゴルフ部・サッカー部・女子サッカー部・山岳部・柔道部・自転車部・スピードスケート部・準硬式野球部・水泳部・スキー部・漕艇部・躰道部・卓球部・ダンス部・ソフトテニス部・硬式テニス部・男子バレーボール部・女子バレーボール部・男子バスケットボール部・女子バスケットボール部・バドミントン部・ビリヤード部・陸上競技部・ワンダーフォーゲル部・ラグビー部・スノーボード部などがあります。

文化部は写真部・管弦楽団・軽音楽部・混声合唱団・基礎医学研究会・ギター部・囲碁部・赤十字奉仕団・落語研究会・心理学研究会・利き酒好きの会・福島英会話の会・茶道部・ピアノカウンセリング研究会・アカペラサークル・ウインドアンサンブル・健康体験教室・演劇部・蓬莱技術研究機構・文芸サークル・ぬいぐるみ病院・ジャズ研究会・日本酒研究会などがあります。

出典:福島県立医科大学医学部HP

連携病院

福島県立医科大学医学部の連携病院を紹介します。

福島赤十字病院(福島県福島市八島町)
一般財団法人大原綜合病院(福島県福島市上町)
一般財団法人太田綜合病院附属太田西ノ内病院(福島県郡山市西ノ内)
一般財団法人脳神経疾患研究所附属総合南東北病院(福島県郡山市八山田)
医療法人辰星会枡記念病院(福島県二本松市住吉)
いわき市立総合磐城共立病院(福島県いわき市内郷御厩町久世原)
会津中央病院(福島県会津若松市鶴賀町)

出典:日本救急医学会・救急医を目指す方へ

著名な卒業生

福島県立医科大学医学部出身の主な医療関係者を紹介します。

小野美明氏(心臓内科医専門・医療法人Beau Sant'e理事長)
佐藤清春氏(心臓外科医・医療法人社団仙台駅東クリニック理事長)
菅野弘之氏(小児科医・かんのキッズクリニック院長)
菅原大介氏(すがわら内科クリニック院長)
関詩織氏(精神科医・飯田橋ウエルネスクリニック院長)

出典:病院検索ホスピタ

笠浪 真

1978年生まれ。京都府出身。藤沢市在住。大学卒業後、大手会計事務所・法律事務所等にて10年勤務。税務・法務・労務の知識とノウハウを習得して、平成23年に独立開業。
現在、総勢52人(令和3年10月1日現在)のスタッフを抱え、クライアント数は法人・個人を含め約300社。
息子が交通事故に遭遇した際に、医師のおかげで一命をとりとめたことをきっかけに、今度は自分が医療業界へ恩返ししたいという思いに至る。

医院開業・医院経営・スタッフ採用・医療法人化・税務調査・事業承継などこれまでの相談件数は2,000件を超える。その豊富な事例とノウハウを問題解決パターンごとに分類し、クライアントに提供するだけでなく、オウンドメディア『開業医の教科書®︎』にて一般にも公開する。

医院の売上を増やすだけでなく、節税、労務などあらゆる経営課題を解決する。全てをワンストップで一任できる安心感から、医師からの紹介が絶えない。病院で息子の命を助けてもらったからこそ「ひとつでも多くの医院を永続的に繁栄させること」を使命とし、開業医の院長の経営参謀として活動している。

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