東京医科大学医学部の歴史・カリキュラムと研修制度、著名な卒業生

公開日:2020年9月19日
更新日:2024年3月18日

はじめに

東京医科大学医学部では深い教養と豊かな人間性を備えた最高水準の医師を育成していきます。自らの意志で考えて学んで行動していくことを第一に考えていきます。高度な知識と技術を持った最高水準の医師の育成を目指しています。医学科では6年間で身に着けるべき教育到達目標が定められていてここを段階的に踏んでいきます。そこからグローバルな人材育成のための留学の機会を作っていきます。国際的に活躍のできる次世代の医療人に必要な教育を行っていきます。

住所

東京医科大学医学部の所在地は東京都新宿区新宿6-1-1にあります。最寄り駅は東新宿駅・新宿御苑前駅・新宿三丁目駅・若松河田駅のいずれか。ただどの駅からも徒歩だと15分程度かかりそうです。新宿駅からだと早足でも20分はかかるかなという距離です。

入学金・学費

東京医科大学医学部の入学金や学費は以下のようになります。

入学金

1,000,000円

授業料

15,000,000円

1年次から6年次まで各250万円。

250万円×6年間=1500万円

実習費

2,400,000円

1年次から6年次まで各40万円。40万円×6年間=240万円

施設設備費は1年次から6年次まで各100万円。100万円×6年間=600万円

教育充実費は1年次が250万円。2年次から6年次までが各50万円。250万円+50万円×5年間=500万円

6年間学費総額

29,400,000円

総額で100万円+1500万円+240万円+600万円+500万円=2940万円

その他同窓会賛助費が1年次に10万円、学友会入学金が1年次に2万円、学友会会費が年間1万6000円の6年間で9万6000円、父母会会費が年間3万5000円の6年間で21万円、学生教育研究災害傷害保険料が年間5000円程度、医学生教育研究賠償責任保険料が年間3000円程度かかります。合計で35万円超というところです。

その他寄付金なども必要になります。そうなると6年間で3000万円から3300万円程度を見ておく必要があります。ただこれでも私立医学部の中では平均的かやや低い方になります。6年間で3500万円から4000万円程度かかるのが相場といえます。

一般入試・センター入試などの成績の上位者には特待生制度で初年度の授業料250万円・教育充実費250万円の合計500万円が最大で免除になります。

偏差値

67.5

私立医学部の中で平均の上という感じです。医学部全体にいえることですが簡単に入学できるというレベルではありません。

出典:河合塾医進塾HP

医師国家試験合格率

東京医科大学医学部の医師国家試験合格率を年ごとに比較していきます。
2020年:全体94.3%(全国39位タイ)新卒97.3%(全国23位タイ)既卒60.0%(全国57位タイ)
2019年:全体92.1%(全国26位タイ)新卒92.7%(全国52位)既卒75.0%(全国18位タイ)
2018年:全体96.4%(全国6位タイ)新卒97.1%(全国17位タイ)既卒83.3%(全国9位タイ)
2017年:全体94.4%(全国13位)新卒95.1%(全国26位)既卒50.0%(全国45位タイ)
2016年:全体98.5%(全国3位)新卒99.2%(全国5位)既卒85.7%(全国8位タイ)

ほとんどの年で10位から20位程度をキープしていますので良い成績を残している大学といえます。トップ10に入る年もありますので優秀な大学といえます。

歴史

東京医科大学医学部の歴史を紹介します。

1918年4月:東京医学専門学校の開校を許可

1946年5月:附属淀橋病院を東京医科大学病院に名称を変更

1949年10月:茨城県稲敷郡阿見町に東京医科大学霞ヶ浦病院を開設

1955年1月:6年生医科大学の設置を許可

1957年4月:大学院を設置

1964年4月:東京医科大学附属高等看護学校を設立

1975年4月:東京医科大学附属霞ヶ浦高等看護学校を設立

1976年4月:6年制一貫教育を開始

1978年4月:附属高等看護学校を東京医科大学看護専門学校・附属霞ヶ浦高等看護学校を東京医科大学霞ヶ浦看護専門学校に名称を変更

1980年4月:八王子に東京医科大学八王子医療センターを設置

1986年4月:東京医科大学の新病院を竣工

2009年4月:東京医科大学霞ヶ浦病院を東京医科大学茨城医療センターに名称を変更

2010年1月:東京医科大学医学総合研究所を設置

2013年4月:東京医科大学医学部看護学科を設置

2013年7月:東京医科大学教育研究棟を竣工

2016年11月:東京医科大学創立100周年記念式典

2019年3月:東京医科大学新大学病院棟竣工

特徴

東京医科大学の特徴は基礎と臨床の並列学習・人間学を導入した態度教育・6年間の充実した臨床実習があります。

基礎と臨床の並列学習では1年生で症候学入門という6年生で行うような授業も行います。一方6年生もオンライン教育で病態生理学や基礎医学という1・2年生で履修する大学が多い科目を復習することができます。6年間を通して基礎と臨床の並列学習をしていくことで高い臨床能力を養っていきます。

人間学を導入した態度教育では哲学・社会学・医療倫理学・医療プロフェッショナルの意識を人間学の統合講義として扱っています。自他への理解・社会への奉仕・医療と倫理という内容で5年間を通して学んでいきます。特に日本では珍しい試みで書いて考えていくという徹底した教育を行っていきます。

6年間の充実した臨床実習では診療力の日本一を目指した教育を行っていきます。低学年での早期臨床実習で2年間の正常診察を基礎医学を学びながら修了していきます。4年次の臨床前実習では異常編から正常編までを復習したのちで5・6年でシミュレーション活用やベッドサイドティーチングで復習をしていきます。診察手技を6年間にわたって繰り返して学修していくことで患者さんを診る能力を高いレベルで養われます。

カリキュラム

東京医科大学のカリキュラムを紹介します。

1年次は医療心理学と死生学・哲学・医学史・法学・医療人類学・原典購読ⅠⅡ・科学的方法論・人体の物理学・先進医療のための科学・数学・医系物理学・医系物理学実習・医系化学・医系化学実習・生物学・生物学実習・自然科学基礎・生命現象の科学ⅠⅡ・ドイツ語・フランス語・英語Ⅰ・医学英語Ⅰ・症候学入門・課題研究・生命倫理学・情報科学・解剖学1・解剖学2・解剖学実習1・解剖学実習2・生理学1・生理学2・生化学・早期体験臨床実習などを履修します。

2年次は中国語・韓国語・英語Ⅱ・医学英語Ⅱ・医療プロフェッショナリズムⅠ・行動科学患者学Ⅰ・解剖学1・解剖学2・生理学2・生理学実習・生化学・免疫学・薬理学・病理学・微生物学・運動医学・医用電子工学・社会医学Ⅰなどを履修します。

3年次は医学英語Ⅲ・医療プロフェッショナリズムⅡ・医療倫理・情報科学Ⅱ・緩和医療Ⅰ・漢方・CPC・病理学・臨床医学Ⅰ・医学医療と社会Ⅰ・地域医療実習などを履修します。

4年次は医学英語Ⅳ・医療プロフェッショナリズムⅢ・医療安全Ⅰ・情報科学Ⅲ・グループ別自由研究・医学医療と社会Ⅱ・臨床医学Ⅱ・基本的診療知識と技能・臨床医学Ⅲなどを履修します。

5年次は医療安全Ⅱ・行動科学と患者学Ⅱ・緩和医療Ⅱ・診療録の記載・臨床医学Ⅲなどを履修します。

6年次は臨床医学Ⅴなどを履修します。その他卒業試験や医師国家試験対策なども行います。

研修制度

東京医科大学の初期臨床研修制度の到達目標は厚生労働省の達成基準を基本にしています。その基準を病院の各診療科の個性をカスタマイズしてプログラムが作られています。

内科系は総合診療科・高齢診療科・血液内科・臨床検査医学科・呼吸器内科・メンタルヘルス科・循環器内科・小児科・糖尿病内分泌代謝科・皮膚科・リウマチ膠原病内科・放射線科・脳神経内科・感染症科・消化器内科・病理診断科・腎臓内科・消化器内視鏡科などがあります。

外科系は呼吸器外科・甲状腺外科・耳鼻咽喉科・頭頚部外科・心臓血管外科・整形外科・消化器外科・形成外科・乳腺科・麻酔科・眼科・産婦人科・脳神経外科・泌尿器科などがあります。

研修期間は内科24週・救急科8週・麻酔科4週・外科4週・小児科4週・産婦人科4週・総合診療4週・地域医療4週・あなたの希望する診療科で40週の合計96週というサイクルになります。(月4週換算で2年間)

また専門医を目指したい方には後期の医療研修もあります。

出典:東京医科大学病院卒後臨床研修センター

部活動

東京医科大学の部活動も体育会・文化会・同好会など様々です。医学部の勉強と並行して部活動を行う生徒も数多くいます。部活動を行うことで勉強への気分転換になります。さらには同じ趣味を持つ仲間との人間的なコミュニケーションもできますのでプラス面も多いと思われます。

体育会は合気道部・アイスホッケー部・アメリカンフットボール部・応援部・空手道部・剣道部・硬式テニス部・硬式野球部・ゴルフ部・サッカー部・自動車部・柔道部・水泳部・スキー部・相撲部・卓球部・軟式テニス部・馬術部・バスケットボール部・バドミントン部・バレーボール部・ヨット部・ラグビー部・陸上競技部・ワンダーフォーゲル部などがあります。

文化会は英語研究会・音楽部・管弦楽団アンサンブル・児童研究会・写真部などがあります。

同好会は準硬式野球同好会・ジャパンソサイエティ・生物研究会・ダイビング同好会・ダンス同好会・IT研究会・少林寺拳法同好会などがあります。

連携病院

東京医科大学の連携病院を紹介します。

蕨市立病院
医療法人メディカルセンター立川総合病院
全国土木建築国民健康組合総合病院厚生中央病院
医療法人社団愛好会上尾中央病院
独立行政法人地域医療機能推進機構東京蒲田センター
医療法人社団東光会戸田中央総合病院

著名な卒業生

東京医科大学の卒業生を紹介します。

秋谷昭治氏(秋谷病院元院長・現在は弟が院長)
鈴木孝成氏(ゲームクリエイター・元開業医も閉院)
白壁征夫氏(サフォクリニック院長)
高木邦格氏(医療法人社団高邦会高木病院理事長)
大橋直樹氏(東京外科クリニック院長)

笠浪 真

1978年生まれ。京都府出身。藤沢市在住。大学卒業後、大手会計事務所・法律事務所等にて10年勤務。税務・法務・労務の知識とノウハウを習得して、平成23年に独立開業。
現在、総勢52人(令和3年10月1日現在)のスタッフを抱え、クライアント数は法人・個人を含め約300社。
息子が交通事故に遭遇した際に、医師のおかげで一命をとりとめたことをきっかけに、今度は自分が医療業界へ恩返ししたいという思いに至る。

医院開業・医院経営・スタッフ採用・医療法人化・税務調査・事業承継などこれまでの相談件数は2,000件を超える。その豊富な事例とノウハウを問題解決パターンごとに分類し、クライアントに提供するだけでなく、オウンドメディア『開業医の教科書®︎』にて一般にも公開する。

医院の売上を増やすだけでなく、節税、労務などあらゆる経営課題を解決する。全てをワンストップで一任できる安心感から、医師からの紹介が絶えない。病院で息子の命を助けてもらったからこそ「ひとつでも多くの医院を永続的に繁栄させること」を使命とし、開業医の院長の経営参謀として活動している。

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