はじめに

琉球大学医学部は医学と保健学に関しての専門知識と技術を修得して高い倫理性を同時につけていきます。医学や医療の進歩や社会的な課題を柔軟に対処しうる医師・医療従事者を育成していきます。医学科は県内で唯一の医育機関で「地域の特異性を活かした先端医学研究」と「地域完結医療構築の島部の医師の養成・育成」を行っていきます。6年間の医学教育を通して高い学術能力と豊かな人間性を兼ね備えたかつ患者さんに信頼のされる医師・研究者を育成していきます。

また沖縄県の置かれた自然状況・海に囲まれた半島部で往来な困難な地域保健医療の充実や地域特性に根差した医学や医療の課題解決に努めるとともにアジア・南太平洋を中心とする南側に位置する国との連携なども含めていけることを目指しています。

出典:琉球大学医学部HP

所在地

琉球大学医学部の所在地は沖縄県西原町字上原207番地にあります。那覇空港からタクシーで30分から40分程度もしくは那覇バスターミナルでバスで50分程度のところにあります。那覇市街からは15キロから20キロほどありそうです。沖縄はモノレールはあるも鉄道はありませんので車移動が基本になります。実家が車を複数台所有している方はその1台を使うなど中古のマイカーなどを持つことを選択肢に入れていいのではないでしょうか。

出典:琉球大学医学部HP

入学金・学費

琉球大学医学部の学費を紹介します。

1年次は入学金は282000円、授業料は535800円で合計が81万7800円

2年次から6年次は授業料が535800円×5年間=267万9000円

合計が81万7800円+267万9000円=349万6800円

基本的に国立大学医学部は学費はこの額になります。

出典:医学部受験マニュアルHP

偏差値

65.0

近年はずっと65前後なので国立大学医学部の中でも真ん中くらいの難易度があります。大分大学医学部長崎大学医学部熊本大学医学部鹿児島大学医学部あたりを併願候補の大学にしておきます。

出典:河合塾医進塾HP

倍率

琉球大学医学部の倍率を紹介します。

20年度:前期3.2倍、後期11.9倍、センター試験課す推薦1.8倍。19年度は同5.4倍、16.3倍、2.6倍。

20年度は19年度よりも倍率は下がるも決して低い倍率ではありませんので安心できません。医学部なので倍率が低くても激戦になるということは言うまでもありません。

出典:旺文社HP

医師国家試験合格率

2020年:全体90.6%(全国66位)新卒92.6%(全国71位)既卒66.7%(全国48位タイ)
2019年:全体93.0%(全国21位タイ)新卒94.8%(全国33位タイ)既卒78.6%(全国17位タイ)
2018年:全体89.1%(全国60位)新卒91.4%(全国62位タイ)既卒69.2%(全国30位)
2017年:全体87.1%(全国58位)新卒90.9%(全国55位)既卒61.5%(全国30位タイ)
2016年:全体89.8%(128名出願、128名受験、115名合格、全国50位台後半と思われます)

全体的には合格率90%前後、50位前後という感じですのでほぼもしくは中の少し下程度で可も不可もなくという感じです。既卒の頑張りが目立ちます。

出典:医学部受験ラボHP

歴史

琉球大学医学部の歴史を紹介します。

昭和56年4月:第1回の入学式を行う
昭和56年10月:医学部の開学記念祝賀会を行う
昭和58年2月:基礎研究棟が竣工
昭和58年12月:付属病院が竣工
昭和59年1月:基礎研究棟が竣工
昭和59年7月:付属病院が上原に移転
昭和59年10月:医学部付属病院の関係で400床の入院施設を確保
昭和60年3月:入院施設を200床を増やして600床に
昭和63年4月:地域医療研究センターが設置
平成3年4月:医学科に3学期制を導入
平成10年4月:沖縄・アジア医学研究センタ-が設置
平成11年4月:医学科の入学定員が95名に
平成16年4月:国立大学法人琉球大学医学部の誕生
平成18年2月:リハビリテーションセンターが竣工
平成21年4月:医学科の入学定員が7名増えて102名に
平成22年4月:医学科の入学定員が5名増えて107名に
平成27年4月:医学科の入学定員が5名増えて112名に

出典:琉球大学医学部HP

特徴

琉球大学医学部では数多くのユニークな実習、学生チューターによる指導、沖縄固有の医療などの特徴があります。

実習は1年次にシミュレーション実習・外来付き添い実習・救急車同乗実習などがあります。また3年次には体験実習、4年次には離島の病院実習などを行います。

学生チューターによる指導ではチューターを医学部の上級生が行います。指導員も少数は付くも上級生が下級生に症例を通してグループに分かれて討論を行います。学生が学生に専門的で実践的な知識を指導出来ること・人前で話すことなどを通して伝える大事さとコミュニケーション能力をつけていきます。後輩はそれを丁寧に聞く素直さも必要になります。

沖縄固有の医療は沖縄の強みを活かした医療を模索していきます。沖縄も医療の専門家は多くありません。そこで卒業後も地元に残ることを前提とした地域枠の学生を採用することで地域医療に貢献できる人材を育成しています。地域枠で入学した学生に地域医療の実態・地域医療の問題点と課題・解決するための方法を自分たちで考えていく必要があると考えています。

出典:琉球大学医学部HP

カリキュラム

琉球大学医学部のカリキュラムの特徴は生物未履修者にも配慮した教育、基礎医学→臨床基礎→臨床医学の3ステップでの学習、統合講義による横断的なプログラム、能動的学習をできるようにする、長期間の研究室配属と参加型の臨床実習、さらに海外研修も盛り込んだプログラムとなっています。

1年次は人文科学・英語・情報処理・統計学・化学及び物理学実験などの教養科目、医学概論・分子細胞生物学・行動科学などの基礎医学、人体の構造と機能・組織学実習・解剖学実習・神経科学などの基礎医学、シミュレーション、チーム医療基盤学習(TBL)などを学びます。

2年次は医学英語、免疫微生物学・病理学・遺伝医学などの臨床基礎医学、薬理学・発生再生医学・症例と評価法・治療学・感染症学・麻酔医学・臨床薬理学・地域医療・医療情報学などの臨床基礎医学、あとはシミュレーション・TBLなども学んでいきます。

3年次は沖縄の長寿を探る・防暑医学などの個性ある科目、頭頚部・胸部・腹部・運動器などの臨床医学、国際保健・検査などの社会医学そして離島実習や半年程度の研究室配属なども行います。

4年次は法医学・公衆衛生学・東洋医学・TBL・BPE(乳腺MR)などの社会医学、臨床実習の前半部などを行います。

5年次は臨床実習前半の続きと臨床実習の後半、6年次は臨床実習後半の続きと卒業試験・医師国家試験などを行います。国家試験合格者はその後卒後臨床研修に入ります。

出典:琉球大学医学部HP

研修制度

琉球大学医学部の初期臨床研修の共通科目を紹介します。配属先に関わらず初期研修医として必要な知識が共通レクチャー・プライマリースキルハンズオントレーニング・シミュレーショントレーニング・ケースカンファレンスの4つがあります。救急現場・外来・病棟などで主要な症候・病態・疾患に対する初期研修ができるようにするための知識・技能・態度を身につけるためのトレーニングです。

共通レクチャーは研修医として経験が必要な症候・病態・疾患などに関する知識を獲得する目的で、研修医のレベルに応じたレクチャーを行って可能な限り最適な形を採っていきます。

プライマリースキルハンズオントレーニングは研修医が経験すべき臨床手技・検査手段に関してシミュレーターや模擬患者を活用してトレーニングします。

シミュレーショントレーニングは主に救急現場で研修医が初期対応をすべき症候・病態に対してシミュレーターを用いたトレーニングをしていきます。

ケースカンファレンスは研修医が自ら経験した症例を教育ポイントとしてまとめて、双方向的なシミュレーターを使ってのトレーニングを行っていきます。

出典:琉球大学病院臨床研修センターHP

部活動

琉球大学医学部の部活動を紹介します。運動系と文化系があります。

運動系は男子硬式テニス部・女子硬式テニス部・男子バレーボール部・女子バレーボール部・男子バスケットボール部・女子バスケットボール部・ハンドボール部・サッカー部・ラグビー部・卓球部・バドミントン部・剣道部・空手道部・弓道部・水泳部・トライアスロン部・ボートセーリング部・準硬式野球部・ダンス部などがあります。

文化系は軽音楽部・混声合唱団・将棋部・華道部・地域医療研究会・中国医学研究会・熱帯医学研究会・国際保健研究会などがあります。

出典:琉球大学医学部HP

連携病院

琉球大学医学部の連携病院を紹介します。

大浜第一病院(沖縄県那覇市天久)
沖縄協同病院(沖縄県那覇市古波蔵)
那覇市立病院(沖縄県那覇市古島)
沖縄赤十字病院(沖縄県那覇市与儀)
中頭病院(沖縄県沖縄市登川)
北部地区医師会病院(沖縄県名護市字宇茂佐)
豊見城中央病院(沖縄県豊見城市上田)
浦添総合病院(沖縄県浦添市伊祖)
沖縄県立中部病院(沖縄県うるま市宮里)
沖縄県立宮古病院(沖縄県宮古島市平良下里)
沖縄県立八重山病院(沖縄県石垣市真栄里)
ハートライフ病院(沖縄県中頭郡中城村伊集)
中部徳洲会病院(沖縄県中頭郡北中城村比嘉)
沖縄県立南部医療センター・こども医療センター(沖縄県島尻郡南風原町新川)
南部徳洲会病院(沖縄県島尻郡八重瀬町外間)
聖路加国際病院(東京都中央区明石町)
東海大学医学部付属病院(神奈川県伊勢原市下糟屋)

出典:日本救急医学会・救急医を目指す君へ

著名な卒業生

琉球大学医学部の主な卒業生(開業医)の方をを紹介します。

岡栄二郎氏(皮膚科医・おか皮膚科クリニック院長)
玉寄兼治氏(血液内科医・玉寄クリニック院長)
安宅伸介氏(眼科医・あたか眼科院長)
鈴木浩三氏(内科医・循環器科医・鈴木クリニック院長)
喜山克彦氏(整形外科医・喜山整形ハーブクリニック院長)

出典:病院検索ホスピタ

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プロフィール
笠浪 真

税理士法人テラス 代表税理士
税理士・行政書士
MBA | 慶應義塾大学大学院 医療マネジメント専攻 修士号

1978年生まれ。京都府出身。藤沢市在住。大学卒業後、大手会計事務所・法律事務所等にて10年勤務。税務・法務・労務の知識とノウハウを習得して、平成23年に独立開業。
現在、総勢52人(令和3年10月1日現在)のスタッフを抱え、クライアント数は法人・個人を含め約300社。
息子が交通事故に遭遇した際に、医師のおかげで一命をとりとめたことをきっかけに、今度は自分が医療業界へ恩返ししたいという思いに至る。

医院開業・医院経営・スタッフ採用・医療法人化・税務調査・事業承継などこれまでの相談件数は2,000件を超える。その豊富な事例とノウハウを問題解決パターンごとに分類し、クライアントに提供するだけでなく、オウンドメディア『開業医の教科書®︎』にて一般にも公開する。

医院の売上を増やすだけでなく、節税、労務などあらゆる経営課題を解決する。全てをワンストップで一任できる安心感から、医師からの紹介が絶えない。病院で息子の命を助けてもらったからこそ「ひとつでも多くの医院を永続的に繁栄させること」を使命とし、開業医の院長の経営参謀として活動している。

                       

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