長崎大学医学部のカリキュラム・研修制度・部活動などを紹介!開業医の方も多くいます

公開日:2021年5月11日
更新日:2024年3月18日

はじめに

長崎大学医学部医学科の開祖であるポンぺ氏は、日本で初めて患者を主体とした医療を実践、日本の近代西洋医学教育を創立しました。同氏は「医師は自らの天職をよく承知していなければならぬ。ひとたんびこの職務を選んだ以上はもはや医師は自分自身のものではなく、病める人のものである。もしそれが納得できないのであれば、他の職を選ぶがいい」を基本理念にしています。医師は深い医学の知識と豊かな創造性さらに高い倫理観を身に着けた医師及び医学者を育成していくことを目標にしています。

この目標を達成するために、医学科では基礎医学・臨床医学の総合的な理解・医科学創造性の養成そして医師としての社会的な責任感と人間性の確立を重視した教育を実践していきます。

出典:長崎大学医学部PDF

所在地

長崎大学医学部の所在地は長崎県長崎市坂本1-12-4にあります。長崎駅から数キロ程度でアクセスもまずまずと言えます。長崎駅から路面電車で大学病院前で降りてそこから徒歩5分程度となっています。

出典:長崎大学医学部HP

入学金・学費

長崎大学医学部の学費を紹介します。

1年次は入学金は282000円、授業料は535800円で合計が81万7800円

2年次から6年次は授業料が535800円×5年間=267万9000円

合計が81万7800円+267万9000円=349万6800円

他の国立大学と学費は同額です。

出典:医学部受験マニュアルHP

偏差値

65.0(20年度)

19年度は67.5だったので実際は66程度ありそうです。医学の歴史もあるところなので難易度も高くなっています。愛媛大学医学部広島大学医学部熊本大学医学部大分大学医学部あたりが同程度の難易度となっています。

出典:河合塾医進塾HP

倍率

長崎大学医学部の倍率を紹介します。

20年度は前期試験3.2倍、センター試験課すA地域1.5倍、センター試験課すB地域2.2倍、センター試験課す佐賀枠3.5倍、センター試験課す宮崎枠2.5倍、センター課す研究医枠2.5倍、19年度は同5.1倍、2.5倍、1.1倍、1.0倍、2.0倍、2.8倍。

すごく高いというわけではないのですが、それなりに大変な感じは受けます。なんといっても国立医学部さらに医学科なので難しいのは当然です。長崎県を中心に主に九州地区から優秀な人材を採りたいという想いを感じます。

出典:旺文社HP

医師国家試験合格率

2020年:全体94.1%(全国42位)新卒96.2%(全国35位)既卒82.6%(全国22位)
2019年:全体83.6%(全国75位)新卒88.1%(全国70位)既卒42.9%(全国64位タイ)
2018年:全体87.8%(全国66位)新卒90.5%(全国67位)既卒60.0%(全国47位タイ)
2017年:全体90.8%(全国33位タイ)新卒94.3%(全国33位)既卒44.4%(全国64位タイ)
2016年:全体91.6%(119名出願、119名受験、106名合格、全国40位前後と思われます)

ぼぼ全国中位か気持ち下くらいになっています。合格率はこの5年平均で90%前後くらいでしょうか。可もなく不可もなくというところです。

出典:医学部受験ラボHP

歴史

長崎大学医学部の歴史を紹介します。

1857年:11月12日を長崎大学医学部の創立記念日にする
1861年:小島に養成所を開設
1869年:長崎府医学校は長崎県病院医学校と名称を変更
1871年:長崎県病院医学校は長崎医学校と名称を変更
1878年:長崎病院医学場は県立長崎医学校と名称を変更
1901年:長崎医学校・第五高等中学校医学部・第五高等学校医学部・長崎医学専門学校と名称を変更
1923年:長崎大学医学部と名称を昇格
1945年:長崎への原爆投下で900名近い医学関係者が命を落とす
1949年:国立長崎大学医学部が設置
1950年:付属病院を復旧
1955年:大学院医学研究科を設置
1972年:原爆医学資料センターを設置
1990年:基礎研究棟を竣工
1993年:体育館を竣工
2002年:大学院医歯薬学総合研究科を設置
2003年:医学部・歯学部の付属病院を設置
2004年:国立大学法人長崎大学を設置
2009年:医学部・歯学部附属病院を大学病院を設置
2012年:大学院医学研究科を廃止

出典:長崎大学医学部PDF

歴史的な建造物

長崎医科大学の歴史的な建造物は長崎医科大学旧正門・医学部記念講堂・ポンぺ会館などがあります。

長崎医科大学旧正門は1945年(昭和20年)8月9日の午前11時過ぎに原子爆弾によって一瞬にして850名余の医科大学に携わる仲間が亡くなりました。長崎医科大学の正門柱にその姿が今でも残ります。

医学部記念講堂は創立110周年・原爆復興20周年の記念式典の建築物として長崎医学同窓会によって建設されて昭和44年に竣工されました。

ポンぺ会館は創立130年、原爆復興40周年の記念事業の建築物として長崎医学同窓会によって建設されて平成4年に竣工されました。

自分の興味ある分野を学習できる・幅広い知識を身に着けることができる・へき地医療のカリキュラムがしっかりとしている・友人関係は容易に作れる・勉強と部活とバイトの両立もできる・イベントも多く楽しい・入学成績の割に医師国家試験の成績があまり良くないなどの学生の意見があります。バイト・友人関係・サークルなどの話も多く出てきて、一般の学生らしい意見も多くあるなと感じました。

出典:長崎大学医学部PDF

カリキュラム

長崎大学医学部の年間のカリキュラムを紹介します。

1年次は教養科目・医と社会Ⅰ・人間生物学・生体分子系・細胞生物学・医学は長崎・原爆医学総論・人体構造系Ⅰ・分子遺伝系・神経感覚器Ⅰ・発生組織系Ⅰ・内臓機能体液系Ⅰ・医学統計学・医学ゼミ・地域医療ゼミ・国際医療英語・プレリサーチセミナー・医学英語・TOEICなどを学びます。

2年次は人体構造系Ⅱ・発生組織系Ⅱ・動物性機能系・内臓機能体液系Ⅱ・医と社会Ⅱ・神経感覚器系Ⅱ・感染系・免疫系・病理総論系・腫瘍系・基礎医学TBL・医学ゼミ・地域医療ゼミ・国際医療英語・プレリサーチセミナー・医学英語・TOEICなどを学びます。

3年次は医と社会Ⅲ・環境因子系・薬理系・病理診断系・血液リンパ系・循環器系・呼吸器系・内分泌代謝栄養系・消化器系・精神系・感染症系・放射線医学・臨床医学TBL・リサーチセミナー・医学ゼミ・地域医療ゼミ・国際医療英語・プレリサーチセミナー・医学英語・TOEICなどを学びます。

4年次は医と社会Ⅳ・人体構造系Ⅲ・免疫アレルギー疾患系・脳神経系・皮膚系・運動系・腎泌尿器系・視覚系・耳鼻咽喉口腔系・生殖系・小児系・法医学系・診断学・臨床検査医学・外科治療学・臨床疫学・医療情報学・臨床薬理学・東洋医学・総合病理学・臨床推論PBL・臨床医学TBLⅢ・医学英語・TOEIC・アドバンスドリサーチセミナーなどを学びます。

5年次は臨床実習・高次臨床実習Ⅰを学びます。

6年次は臨床総括講義・高次臨床実習Ⅱ・卒業試験などを学びます。

出典:長崎大学医学部PDF

研修制度

長崎大学医学部の卒後初期研修は研修医によるプライマリーケアの外来、豊富で熱心な研修スタッフ、自己の知識の再確認、豊富な症例数とカンファレンスセミナー・充実の資源とサポート体制などが挙げられます。

プログラムは一般と小児科産婦人科に分かれます。その中にAコース(1年目長崎大学医学部附属病院・2年目協力病院)Bコース(2年間とも長崎大学医学部附属病院)Cコース(長崎大学医学部附属病院と2つ以上の協力病院で検収できるコース)の3つがあります。この中から研修生が好きなコースを選ぶことができます。

一般は内科24週、救急科12週、地域医療4週、外科4週、小児科4週、産婦人科4週、精神科4週、一般外来4週、選択科48週などがあります。これをAコース・Bコース・Cコースのいずれかで2年間で学びます。

小児科産婦人科は内科24週、救急科12週、地域医療4週、外科4週、精神科4週、一般外来4週、選択科44週、小児科と産婦人科で12週(ご自身のメインの方を8週、サブの方を4週)などがあります。これをAコース・Bコース・Cコースのいずれかで2年間で学びます。

出典:長崎大学病院医療教育開発センターHP

部活動

長崎大学医学部の部活動を紹介します。運動系サークルと文化系サークルとがあります。

運動系サークルはウインドサーフィン部・弓道部・剣道部・サッカー部・柔道部・準硬式野球部・女子バレーボール部・水泳部・漕艇部・ソフトテニス部・男子バレーボール部・ダンス部・硬式テニス部・バスケットボール部・バドミントン部・フットサル部・マッスル部・ラグビー部・陸上競技部などがあります。

文化系サークルは園芸部・軽音楽部・茶道部・室内合奏団・写真部・東洋医学研究会・長崎多職種連携たまごの会・熱帯医学研究会・美術部などがあります。

出典:国立大学法人長崎大学HP

連携病院

長崎大学医学部の連携病院を紹介します。

国立病院機構長崎医療センター(長崎県大村市久原)
佐世保市立総合病院(長崎県佐世保市平瀬町)
済生会長崎病院(長崎県長崎市片淵)
長崎県上五島病院(長崎県南松浦郡新上五島町青方郷)
長崎みなとメデイカルセンター(長崎県長崎市新地町)
関西医科大学総合医療センター(大阪府守口市文園町)

出典:日本救急医学会・救急医を目指す君へ

著名な卒業生

長崎大学医学部の主な卒業生(開業医)の方をを紹介します。

石井泰憲氏(泌尿器科医・石井クリニック院長)
友田一宇氏(消化器内科医・友田内視鏡クリニック院長)
磯野透氏(内科医・消化器科医・いそのクリニック院長)
原田博氏(脳神経外科医・輝齢ハラダクリニック院長)
石原結實氏(内科医・漢方医・イシハラクリニック院長)

出典:病院検索ホスピタ

笠浪 真

1978年生まれ。京都府出身。藤沢市在住。大学卒業後、大手会計事務所・法律事務所等にて10年勤務。税務・法務・労務の知識とノウハウを習得して、平成23年に独立開業。
現在、総勢52人(令和3年10月1日現在)のスタッフを抱え、クライアント数は法人・個人を含め約300社。
息子が交通事故に遭遇した際に、医師のおかげで一命をとりとめたことをきっかけに、今度は自分が医療業界へ恩返ししたいという思いに至る。

医院開業・医院経営・スタッフ採用・医療法人化・税務調査・事業承継などこれまでの相談件数は2,000件を超える。その豊富な事例とノウハウを問題解決パターンごとに分類し、クライアントに提供するだけでなく、オウンドメディア『開業医の教科書®︎』にて一般にも公開する。

医院の売上を増やすだけでなく、節税、労務などあらゆる経営課題を解決する。全てをワンストップで一任できる安心感から、医師からの紹介が絶えない。病院で息子の命を助けてもらったからこそ「ひとつでも多くの医院を永続的に繁栄させること」を使命とし、開業医の院長の経営参謀として活動している。

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