開業した先生に聞いてみた医院経営での失敗・苦労とは!?
「開業医は勤務医よりも年収が高いのはもちろん、自分の理想とする診療ができるようになる」
医院開業を志す先生は、開業後の自分の医院に期待を膨らませているかと思います。
しかし、開業医の先生に実際に聞いてみたところ、「開業してみたら思った以上に大変だった」と感じた先生が少なくありません。
勤務医と開業医のメリット・デメリット
まずは、勤務医と開業医には両方メリットとデメリットあるということです。以下の表でメリットとなる箇所を赤字で示します。
勤務医 | 開業医 | |
---|---|---|
平均年収※1 | 1,491万円 | 2,763万円 |
勤務時間 | 長時間かつ自分で決められない | 自分で決められる |
継続性※2 | 転職は容易 | 年間約4,500件の廃業 |
借入金 | 0円 | 0円~3億円
※開業時は5,000~8,000万円 |
集患対策 | 不要 | 必要 |
経営力 | 不要 | 必要 |
訴訟責任 | 勤務先対応もあり | 個人対応 |
スキル維持 | 与えられる機会が多い | 自身で機会をつくる必要がある |
先端医療 | 与えられる機会が多い | 自身で機会をつくる必要がある |
※1:厚生労働省「第22回医療経済実態調査」をもとに算出
※2:厚生労働省「令和元(2019)年医療施設(動態)調査・病院報告」をもとに算出
こうしてみると、開業医にも多くのリスクがあることがわかり、開業医ならではの負担も多くなることがわかります。
こんなにたくさんある! 医院経営での失敗・苦労
開業医にはメリットだけでなく、様々なデメリットやリスクがあることがわかりました。
そこで、私が実際に医院開業した先生に、医院経営で失敗したことや苦労したことをお聞きしたところ、次のような答えが返ってきました。
物件選びや資金調達など開業準備時点での失敗・苦労
- 「立地がすべてでした。周辺地域の人口が減少し、患者さんの来院数減少に歯止めがかからず、収入は減るばかり。もう少し十分な開業地調査をすべきでした。準備不足が敗因です。」(60代:一般内科)
- 「低金利だから借入れにはそんなに神経質にならなくても良いと思うが、自己資金はあったほうが良いと思う。」(50代:アレルギー科)
- 「小規模からだんだん広げるべきだった……。また、借入れは少なくすべき。」(60代:一般内科,整形外科)
物件選びや資金調達、医院規模など開業準備の時点で失敗し、その後の医院経営に支障が出ているという声が多くありました。
医院開業準備はやることが盛りだくさんで、これまで勤務医として働いてきた先生には、初めてのことばかりです。
そのため、実際には誰の手も借りずに開業される先生はほぼ皆無です。そのため、多くの場合は開業コンサルタントに依頼することになります。
しかし、コンサルタントのアドバイス通りに開業したとしても、上記のような失敗談が後を絶ちません。
なぜかというと、物件など十分な調査をしないコンサルタントや、医院開業経験に乏しいコンサルタントも珍しくないためです。
コンサルタントの言うことを鵜吞みにせず、自分が理想とする医院とは何か、逆算思考で資金計画を立てて慎重に判断する必要があります。
スタッフ採用、人間関係、労使間トラブルなどの失敗・苦労
- 「人事もしなくてはならず、大変。医療と経営は別物。」(60代:産婦人科)
- 「経営という視点がなかったので、そういった勉強をしておけばよかった。経理の実務や法律などについても、あとから勉強した。特に人事のトラブルは絶えず、とても苦労している。」(60代:一般内科)
- 「とにかく『人』です。今でも苦労しています。他人との仕事については、思ったことは伝わっていないと考えるくらいがちょうどいいですね。話して言葉に出さないと、相手に伝わりません。当たり前のことは、案外当たり前ではないので1つずつ確認してもよいぐらいです。」(50代:眼科)
- 「人間関係で辞めるスタッフが多い。なるべくスタッフと話すようにしています。」(50代:循環器内科)
もうひとつ、医院開業後の苦労で多いのが、スタッフ採用、離職、労使間トラブルや退職勧奨などのスタッフ問題です。
特に開業直後は、思いのほかオープニングスタッフが退職することにびっくりする院長先生も少なくありません。
「オープニングスタッフは半分が半年以内に辞める」と言われるほど、開業当初は人の出入りが激しい傾向にあります。
スタッフに関する問題は人件費、医院全体の生産性、精神的なストレスに大きく影響します。
そのため、開業時から辞めないスタッフを採用することと、スタッフが戦力として長く働いてくれる仕組み作りが欠かせません。
スタッフマネジメントの仕組みができるようになれば、スタッフ問題に対する悩みから解放され、医院経営が劇的に改善するでしょう。
集患や休日に関する失敗・苦労
- 「土曜に患者が1人も来なかった。」(40代:心療内科)
- 「自由がきかなくなるので、勤務医時代に研修を積み重ねておけばよかった。」(40代:一般内科)
- 「長期旅行をしておけばよかった。開業するとしばらく休めない。」(60代:皮膚科)
医院経営が軌道に乗るまでは、集患や休日に関する苦労もよく聞きます。
特に集患対策については、好立地で医院開業したからといって順調に患者さんが来院するわけではありません。
それにも関わらず、ほとんどの医院はWebマーケティングなど集患対策に力を入れていないのが現状です。
コンビニよりも数の多い歯科医院は以前より競争が激化してきていますが、他の診療科目でも競争が徐々に激しくなっています。
集患をもっと増やす必要があるならば、診療科目や立地、先生の診療方針などに併せた集患対策が欠かせません。
多くの医科歯科クリニックが実践していないことだけに、集患対策を少し改善するだけで患者さんの来院数が増えることもあります。
【開業直後から黒字医院へ】成功する医院経営を本気で学びたい先生へ
医院経営に苦労している開業医の先生の悩みは、「ヒト(スタッフ採用)」「モノ(開業場所)」「カネ(事業計画)」「情報(Webマーケティング)」の4つに集約されます。
4つの要素は、開業前には知っておかなければならないことで、すでに開業した先生であれば、早急に身につける必要があります。
この4つの知識がないまま、開業コンサルタントに言われるがまま開業しても医院経営は成功することはなく、最悪廃業の道をたどることもあります。
しかし、だからといって今までは「医院経営」に特化した経営セミナーがないのが現状でした。
そこで今回、医院・クリニック専門の経営塾として「第2期 開業医の経営塾」を開催することに致しました。
「開業医の経営塾」は、もともと税理士法人テラスが顧問を務めさせて頂いている開業医の先生向けにクローズドで開催しておりました。
しかし、外部の開業セミナーへ講師とした登壇した際に「開業医の経営塾」の話をしたところ、勤務医の先生から次のような問い合わせを多数頂きました。
「どうやったらその経営塾に入れますか?」
「開業前にこそ経営について学んでおきたいと思っていました!」
「勤務医でも受けることはできますか?」
そこで、第2期はすでに開業した先生はもちろん、勤務医の先生にも受講頂けるよう、内容をリニューアルして開催することとしました。
メインの講師は、医院・クリニックのクライアント数300件、相談件数2,000件、年間20件以上の医療法人設立に関わる税理士法人テラス代表の笠浪真が勤めます。
また、先生の医院経営が確実に成功できるように、ヒト、モノ、カネ、情報の各エキスパートの先生にも登壇頂き、最新で実践的な情報をお伝えします。
- 年間30件を超える雇用を支援する「医院・クリニック」専門の特定社会保険労務士の亀井隆弘先生
- 首都圏医療ビジネス専門の銀行員、静岡銀行 首都圏カンパニー 医療・介護担当ビジネスリーダー 渡辺靖史先生
- 民事事件を中心に、医療関連のトラブルも手掛ける東京笠井法律総合事務所の笠井利哉先生
「開業医の経営塾」の全6回の講義が終了したときには、先生は自分が理想とする医院経営を実現できるようなカリキュラムとなっております。
まずは、「開業医の経営塾」では具体的に何を学べるのが知って頂きたく、「開業医の経営塾オンライン説明会」を開催致します。
説明会に参加された先生には、次の4大特典を無料プレゼント致します。
(1)【定価4,180円】日本医師名誉会長 横倉義武先生推薦の拙著「開業医の教科書」
(2)【非売品】縁故によるスタッフ採用10の注意点
(3)【非売品】医院開業前から知っておくべきスタッフに長く働いてもらう6つの方法e-Book
(4)【非売品】医院開業前に知っておくべき38のチェックリストe-Book
参加費は無料です。勤務医や開業医の先生だけでなく、ご夫婦でご参加することも可能ですので、ぜひとも奥様と一緒にご参加ください。
ただ、一人ひとりの先生に寄り添って医院経営のコツをお伝えしたいため、恐縮ながら各回先着20名までとさせていただきます。
都合の良い日程でご参加されたい先生は、お早めにお申込みください。オンライン説明会で先生にお会いできることを楽しみにしております。
監修者
笠浪 真
税理士法人テラス 代表税理士
税理士・行政書士
MBA | 慶應義塾大学大学院 医療マネジメント専攻 修士号
1978年生まれ。京都府出身。藤沢市在住。大学卒業後、大手会計事務所・法律事務所等にて10年勤務。税務・法務・労務の知識とノウハウを習得して、平成23年に独立開業。
現在、総勢52人(令和3年10月1日現在)のスタッフを抱え、クライアント数は法人・個人を含め約300社。
息子が交通事故に遭遇した際に、医師のおかげで一命をとりとめたことをきっかけに、今度は自分が医療業界へ恩返ししたいという思いに至る。
医院開業・医院経営・スタッフ採用・医療法人化・税務調査・事業承継などこれまでの相談件数は2,000件を超える。その豊富な事例とノウハウを問題解決パターンごとに分類し、クライアントに提供するだけでなく、オウンドメディア『開業医の教科書®︎』にて一般にも公開する。
医院の売上を増やすだけでなく、節税、労務などあらゆる経営課題を解決する。全てをワンストップで一任できる安心感から、医師からの紹介が絶えない。病院で息子の命を助けてもらったからこそ「ひとつでも多くの医院を永続的に繁栄させること」を使命とし、開業医の院長の経営参謀として活動している。