【医療広告ガイドライン徹底解説】知らないと怖い医療広告規制12個のポイント

公開日:2018年12月24日
更新日:2024年11月25日

医院・クリニックなどでホームページ、チラシを作成する際に気を付けなければいけないのが広告規制です。

医療機関の広告は景品表示法だけでなく、医療法により厳しく規制されており、法律で定める一定の事項を除き,行ってはならないのが原則です。

医療広告規制について定めた「医療広告ガイドライン」では,患者さんの体験談や,虚偽広告・誇大広告などの明確な禁止事項が示されています。

自由診療の割合が高い美容医療などの患者トラブルを発端として定められた規制ですが,保険診療も含めて全医療機関で適用されます。

医療広告ガイドラインは,2018年6月1日に改訂版が発表されており,これまで広告の扱いではなかった「ホームページ」も広告扱いになりました。

訴求力を担保しようとして医療広告規制から逸脱した広告を出すのは医療法違反にあたります。

違反すれば中止もしくは是正命令が発出され,応じなければ6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が適用されます(医療法第87条)。

こうした事態を回避するためにも,最新の医療広告ガイドラインは把握しておきましょう。

【ポイント①】厚生労働省の医療広告ガイドラインとQ&A

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本記事は厚生労働省の「医療広告ガイドライン」と「医療広告ガイドラインに関するQ&A」を元として、わかりやすいように構成しています。

医療広告ガイドラインも目を通すことは大事ですが、おそらく「こんな場合はどうすれば良いのか?」というところまで理解しきれないでしょう。

「医療広告ガイドラインに関するQ&A」は、QA形式ながら、医療広告ガイドラインを補完するものです。医療広告ガイドラインのOK・NGの事例を比較的わかりやすく解説されています。

広告制作を依頼する際は、最低限この2つを理解しており、かつ訴求力を担保できる業者を選ぶ必要があります。

「医療広告ガイドライン」と聞いて、「???」という表情を浮かべる制作会社は避けるようにしましょう。

【ポイント②】メディカルエステなどは対象外

エステ

医療広告ガイドラインは、医療機関を対象とした医療法に基づく広告規制を示したもので、あくまで医療行為に関する法律です。

医師が監修したメディカルエステやパーソナルジムは医療行為を行うわけではないので対象外です。

これらの施設は主に景品表示法、サプリメントや化粧品の販売をする場合に限り薬機法や健康増進法が関わります。

この前提を間違えて、必要以上に訴求力を落とさないように注意しましょう。

【ポイント③】”広告”かどうかの判断基準と”広告”でない例

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必要以上に訴求力を落とさないためにもうひとつ大事なことは、そもそもの「広告の定義」を知ることです。

間違って医療広告規制対象と判断すると訴求力を大きく落としたり,伝えたいことが伝わらなくなったりするので注意しましょう。

広告かどうかの判断基準

医療法上の「広告かどうか」は,①と②によって判断され,両方満たせば「広告」となります。

広告の判断基準
  • ①患者の受診などを誘引する意図があること(誘引性)
  • ②医業若しくは歯科医業を提供する者の氏名若しくは名称または病院若しくは診療所の名称が特定可能であること(特定性)

たとえば,チラシ,ダイレクトメール,パンフレット,ホームページ,ランディングページ(集患や商品購入などを目的とした縦長の1枚のWebページ) 、動画広告などがその代表例で,後述する医療広告規制を遵守しなければなりません。

ただし,上記の誘引性もしくは特定性が認められない次の制作物については広告とはみなされず,医療広告規制の対象外になります。

医療に関する広告とはみなされないもの

そのため、以下に関するものは誘引性、特定性いずれかが欠けているので、医療広告とはみなされません。

・学術論文
・新聞や雑誌などでの記事
・個人の体験談や手記など(クリニックが謝礼などを与えて依頼している場合は除く)
・院内掲示や院内で配布するパンフレットなど
・スタッフの募集に関する広告
・書籍や冊子およびそれらを紹介する広告
・医療機関主催の患者や地域住民向け講演会についての広告

【ポイント④】専門外来の標榜,死亡率・術後生存率等は広告記載NG

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医療広告ガイドラインでは,「広告が可能とされていない事項の広告」として,次の記載を禁止しています。

・「◯◯専門外来」(限定解除要件あり)
・死亡率,術後生存率
・未承認医薬品による治療の内容(限定解除要件あり)

【ポイント⑤】体験談がNG

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省令第1条の9第1号に規定する「患者その他の者の主観又は伝聞に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談の広告をしてはならないこと」とは、医療機関が、治療等の内容又は効果に関して、患者自身の体験や家族等からの伝聞に基づく主観的な体験談を、当該医療機関への誘引を目的として紹介することを意味するものであるが、こうした体験談については、個々の患者の状態等により当然にその感想は異なるものであり、誤認を与えるおそれがあることを踏まえ、医療に関する広告としては認められないものであること。
これは、患者の体験談の記述内容が、広告が可能な範囲であっても、広告は認められない。
なお、個人が運営するウェブサイト、SNS の個人のページ及び第三者が運営するいわゆる口コミサイト等への体験談の掲載については、医療機関が広告料等の費用負担等の便宜を図って掲載を依頼しているなどによる誘引性が認められない場合は、広告に該当しないこと。

引用元:省令第1条の9第1号

この医療広告ガイドラインの記載から、医療広告は患者さんが治療内容や効果について話している体験談を掲載することはできません。

個々の患者の状態や体質により治療効果も異なるため,誤認を与える可能性があるというのがその理由です。

治療効果だけでなく,「スタッフの方々はとても優しい」というような院長やスタッフの人柄や,「待合室が落ち着く」という外観や内装を推す表現も,客観的な事実として証明することが難しいため,NGです。

しかし,患者さんが個人でブログ,SNS,第三者が運営する口コミサイトに体験談を書くことは広告とならないので問題ありません。

ただし,医院側が何らかの謝礼などを支払って依頼している場合は広告扱いとなり,医療広告規制に抵触するので注意しましょう。

患者さんに報酬を支払って、体験談を依頼することはできないので、いかに患者さんに信頼され、自ら良い口コミを書いてもらうかが重要になります。

【ポイント⑥】ビフォーアフターは条件付きでOK

ビフォーアフター

患者さんの体験談といえば、次に思いつくのがビフォーアフターですが、これも医療広告規制の対象になります。

これも、以下に医療広告ガイドラインに記載されていることを引用します。

省令第1条の9第2号に規定する「治療等の内容又は効果について、患者等を誤認させるおそれがある治療等の前又は後の写真等を広告をしてはならないこと」とは、いわゆるビフォーアフター写真等を意味するものであるが、個々の患者の状態等により当然に治療等の結果は異なるものであることを踏まえ、誤認させるおそれがある写真等については医療に関する広告としては認められないものであること。

引用元:省令第1条の9第2号

この記載から、ビフォーアフターの画像については、患者さんの体験談と同様、全面的にNGと思っている方が意外と多いです。

しかしこれは間違いであり、条件付きで記載が可能になります。

また、術前又は術後の写真に通常必要とされる治療内容、費用等に関する事項や、治療等の主なリスク、副作用等に関する事項等の詳細な説明を付した場合についてはこれに当たらないものであること。
さらに、当該情報の掲載場所については、患者等にとって分かりやすいよう十分に配慮し、例えば、リンクを張った先のページへ掲載したり、利点や長所に関する情報と比べて極端に小さな文字で掲載したりといった形式を採用しないこと。
なお、治療効果に関する事項は広告可能事項ではないため、第4に定める要件を満たした限定解除の対象でない場合については、術前術後の写真等については広告できない。
【具体例】
・ 術前又は術後(手術以外の処置等を含む。)の写真やイラストのみを示し、説明が不十分なもの

ビフォーアフター

上記の内容を具体的に言うと、ただ単にビフォーアフターの写真を掲載するだけではNGです。

しかし、ビフォーアフターの直下に、詳細な説明文(治療内容,治療価格,経過日数,リスク・副作用)を掲載すればOKです。

しかし,写真を加工・修正して掲載すると虚偽広告として扱われるので注意しましょう。

【ポイント⑦】虚偽広告はNG

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虚偽広告と聞くと,「広告で嘘などつかない」と思うかもしれません。

しかし,医療広告ガイドラインを見ると,注意しないと思わず使ってしまうような文言も多いのです。

医療広告ガイドラインで虚偽広告例として挙げられている表現には次のようなものがあるので、把握しておきましょう。

虚偽広告例理由
「絶対安全な手術です」

「どんなに難しい症例でも必ず成功します」

絶対安全な手術や必ず病気が治癒することは医学上ありえないため虚偽広告となる。同じ理由で,「2週間で90%の患者に効果」「10分で10歳若返る」「再発がない」といった治療効果を保証するような記載もNG
「厚生労働省の認可した○○専門医」

※厚生労働省に届出がなされた団体の認定資格であれば,「◯◯専門医」と記載するだけならOK

専門医の資格認定は,学会が実施するものであり,厚生労働省が認可した資格ではないため
加工・修正した治療前後の写真などの掲載あたかも効果があるかのように見せるため写真を加工・修正した場合は虚偽広告
「1日ですべての治療が終了します」治療後の定期的な処置などが必要であるにもかかわらず,すべての治療が1日で終了するといった表現は虚偽広告
「◯◯%の満足度」データの根拠(具体的な調査の方法など)を明確にしなければ虚偽広告
「当院は,○○研究所を併設しています」研究している実態がなければ虚偽広告となる
「当診療所にくれば,どなたでも◯◯が受けられます」診察の結果,治療内容が決定されるはずで,すべての患者が受けられる治療はありえないので虚偽広告となる

【ポイント⑧】誇大広告はNG

診察

虚偽広告と似たものに誇大広告があります。

こちらも、医療広告ガイドラインでは以下のようなNGの具体例が記載されています。

誇大広告例理由
「知事の許可を取得した病院です!」都道府県知事の許可を得て医院開設するのはあたりまえのことなので,ことさらに強調するのは誇大広告
「医師数○名(○年○月現在)」その後の状況の変化により,現在在籍する医師数が広告ものより大きく減少している場合は誇大広告
(美容外科の自由診療の際の費用として)「顔の◯◯術1カ所◯◯円」たとえば,大きく表示された価格は5カ所以上同時に実施したときの費用であり,1カ所のみの場合は倍近い価格になる場合は誇大広告(ただし,大きく表示した目立つ注釈があればOK)
「○○学会認定医」

「○○協会認定施設」

活動実績のない団体などによる認定の場合は、患者を不当に誘引する可能性があるため誇大広告
「◯◯センター」以下のいずれにも該当しない場合は誇大広告
・救命救急センター,休日夜間急患センター,総合周産期母子医療センターなど,一定の医療を担う医療機関
・医療機関が診療について,地域における中核的な機能や役割を担っていると,都道府県などが認める場合
・医療機関が提供する医療の一部を担当する部門名として,患者向けに院内掲示しているものをそのままホームページなどに掲載している場合
手術や処置などの効果または有効性を強調するもの撮影条件や被写体の状態を変える(例:照明の輝度などを変えて美白に見せたりする行為)などして撮影したビフォーアフターの写真などを掲載し,効果を強調しているため誇大広告となる
「比較的安全な手術です」何と比較して安全であるか不明であるため誇大広告となる
伝聞や科学的根拠に乏しい情報の引用医学的・科学的な根拠に乏しい文献,テレビの健康番組の紹介による治療や生活改善法などの紹介は,それだけで客観的な事実とは証明できないため誇大広告となる
「○○の症状のある2人に1人が○○のリスクがあります」

「こんな症状が出ていれば命に関わりますので,今すぐ受診して下さい」

科学的な根拠が乏しい情報であるにもかかわらず特定の症状に関するリスクを強調しているため誇大広告となる
「◯◯手術は効果が高く,お勧めです」科学的な根拠が乏しい情報であるにもかかわらず,特定の手術や処置などの有効性を強調するのは誇大広告となる
「○○手術は効果が乏しく,リスクも高いので,新たに開発された○○手術をお勧めします」科学的な根拠が乏しい情報であるにもかかわらず特定の手術や処置などのリスクを強調するのは誇大広告
「最新の治療法」

「最新の医療機器」

必ずしもNGではないが,医学的,社会的な常識の範囲で事実と認められなければ誇大広告の可能性がある
「最先端の医療」

「最適の治療」

医療広告ガイドラインQ&Aにて誇大広告と説明されている(明確な理由の記載はないものの,常識的な範囲で最先端,最適はありえないので誇大広告としていると思われる)

【ポイント⑨】比較優良広告はNG

No.1

比較優良広告とは,最上級表現(「日本一」「No.1」「最高」など)や,著名人との関連性の強調などにより,他の医療機関と比較して自分の医院が優秀である旨を示す表現を使った広告です。
たとえば医療広告ガイドラインでは,以下の具体例が挙げられています。

・「肝臓がんの治療では,日本有数の実績を有する病院です」
・「当院は県内一の医師数を誇ります」
・「本グループは全国に展開し,最高の医療を広く国民に提供しております」
・「口コミランキング1位」
・「国内最高峰の◯◯治療を行うクリニック」
・「芸能プロダクションと提携しています」
・「著名人も○○医師を推薦しています」
・「著名人も当院で治療を受けております」

また,比較表などを用いて,他の医療機関よりいかに自院の治療が優れているかを表現するのもNGです。

【ポイント⑩】特典やキャンペーンに関する表現はNG

割引


次のような特典,キャンペーンに関する表現は,医療機関や医療の内容の品位を損ねる表現として禁止されています。

診療報酬額が決まっている保険診療の場合と違い,自費診療の割合が高い場合は注意が必要です。

また、特典やキャンペーンについて提案してくる制作会社やコンサルタントがいたら、医療広告ガイドラインについて無知の可能性が高いので注意しましょう。

・「今なら◯円でキャンペーン実施中」
・「期間限定で◯◯療法を50%オフで提供しています」
・「100,000円⇒50,000円」
・「◯◯治療し放題プラン」
・「無料相談をされた方全員に◯◯をプレゼント」

【ポイント⑪】その他のNG表現

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その他のNG表現としては,次のようなものがあります。

NG表現例理由
医薬品,医療機器の販売名「医薬品等適正広告基準」により,医薬関係者以外の一般人を対象とする広告は行わないとされていることを考慮し,販売名の記載はNG(限定解除要件あり)
学会の認定する研修施設である旨の記載法令の規定に基づき,一定の医療を担うものとして指定を受けたものには該当しないのでNG(限定解除要件あり)
研修を受けた旨の記載研修については、研修の実施主体やその内容が様々であり、医療に関する適切な選択に資するものとそうでないものとの判断が困難であるためNG(限定解除要件あり)
特定の医師のキャリアとして「手術件数や実績」の記載医師個人が行った手術の件数はNG(限定解除要件あり)
「審美治療」様々な治療の方法が含まれ,そのいずれかの治療を提供するのかという点が明確でないためNG(限定解除要件あり)
「審美歯科」

「インプラント科」

法令に根拠のない名称なのでNG(限定解除要件あり)
「アンチエイジング」アンチエイジングは診療科名として認められておらず、また、公的医療保険の対象や医薬品医療機器等法上の承認を得た医薬品等による診療の内容ではなく、NG
病人が回復して元気になる姿の写真やイラスト効果に関する表現は不可能であることと,回復を保障すると誤認を与える恐れがあるためNG
自院以外のクリニックの写真認められているのは自院の写真のみ。フリー素材などのイメージ画像でもNG
「テレビや雑誌で紹介されました!」医師などの,テレビ,雑誌,新聞などメディア掲載実績はNG
医師や学者などの専門家との対談専門家の談話は,その内容が保障されたという誤認を患者に与える恐れがありNG
ウェブサイトのURLの中の文字
例:www.gannkieru.ne.jp
この例の場合,URLに「がん消える」(gannkieru)と読める英字列があり,がんが治癒することを暗示しているのは治療効果に関する表現。治療を保障する誇大広告でもあるためNG
メールアドレス内の文字例;例:no1hospi@xxx.or.jpメールアドレスでno1hospiの文字は,日本一の病院を連想させ,比較優良広告となるためNG

【ポイント⑫】限定解除要件(広告規制の緩和)

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「患者などが自ら求めて入手する情報」については,適切な情報提供が円滑に行われる必要があると判断され,広告規制が限定解除されます。

「広告規制が限定解除される」とは,上記で規制された表現が一部だけ記載可能になり,規制が緩和されることを意味します。

限定解除要件の詳細

具体的には次の①~④を満たす場合に限定解除が認められます。

限定解除が認められる場合
  • ①医療に関する適切な選択に資する情報であって患者などが自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイトその他これに準じる広告であること
  • ②表示される情報の内容について,患者などが容易に照会できるよう,問い合わせ先を記載することその他の方法により明示すること
  • ③自由診療に係る通常必要とされる治療などの内容,費用などに関する事項について情報を提供すること
  • ④自由診療に係る治療などにかかわるリスク,副作用などに関する事項について情報を提供すること

患者などが自ら求めて入手する情報とは?

一番気になるのは、「①患者などが自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイトその他これに準じる広告」とは具体的に何か? ということでしょう。

具体的には、次のようなものが挙げられます。

・2018年の医療法改正で広告規制対象とされたWebサイト
・資料請求などで患者の希望により手に入れるパンフレット
・メールマガジン

ただし、GoogleやYahoo!などの検索サイトやバナー広告でスポンサーとして表示されているものや、検索サイトの運営会社に対して費用を支払い、意図的に検索結果として上位表示される状態にした場合は、限定解除は適用されないので注意しましょう。

限定解除要件を満たすことで書けること

限定解除要件を満たすことで,本来表現できないことが記載可能になります。

ただし,限定解除といっても先に紹介した院内掲示物や誘引性のない書籍のように広告規制対象外とはならないことに注意しましょう。

患者さんの体験談,虚偽広告や誇大広告,比較優良広告に当たる表現などは規制されたままになります。

広告禁止事項限定解除要件を満たした場合
「◯◯専門外来」OK
死亡率・術後生存率・治癒率などの数値や治療効果の表現裏付けとなる根拠を示して客観的に実証できればOK
未承認医薬品による治療内容以下の記載があればOK
・未承認医薬品であることの明示
・入手経路などの明示
・国内の承認医薬品などの有無の明示
・諸外国における安全性などに係る情報の明示
医薬品,医療機器の販売名OK
学会の認定する研修施設である旨の記載OK
研修を受けた旨の記載OK
「審美歯科」「インプラント科」など医療広告ガイドラインで認められていない診療科目の記載OK
「◯◯専門医」活動実態のない団体でなければOK
特定の医師のキャリアとして「手術件数や実績」の記載合理的な根拠を示して客観的に実証できればOK

【まとめ】医療広告規制は厳しい

以上、「医療広告ガイドライン」と、「医療広告ガイドラインに関するQ&A」に記載されている医療広告規制について解説しました。

医療広告の規制はかなり厳しく、表現できることが限定的です。

しかし、「広告の定義」「限定解除要件」など、医療広告規制は抜け道が多いのも特徴です。

今回の制作物がどの条件に該当するのか確認して、どのようなものを制作すれば良いか検討するようにしましょう。

なおホームページを使った集患対策については、次の記事にも詳しく書いています。

医院・クリニック開業時のホームページ制作で気をつけたい9つの対策

医院・クリニック開業時の重要な集患・増患対策のひとつにホームページ制作があります。 特に今では若い世代だけでなく、シニア世代の患者さんもスマートフォンでホームペ…

笠浪 真

1978年生まれ。京都府出身。藤沢市在住。大学卒業後、大手会計事務所・法律事務所等にて10年勤務。税務・法務・労務の知識とノウハウを習得して、平成23年に独立開業。
現在、総勢52人(令和3年10月1日現在)のスタッフを抱え、クライアント数は法人・個人を含め約300社。
息子が交通事故に遭遇した際に、医師のおかげで一命をとりとめたことをきっかけに、今度は自分が医療業界へ恩返ししたいという思いに至る。

医院開業・医院経営・スタッフ採用・医療法人化・税務調査・事業承継などこれまでの相談件数は2,000件を超える。その豊富な事例とノウハウを問題解決パターンごとに分類し、クライアントに提供するだけでなく、オウンドメディア『開業医の教科書®︎』にて一般にも公開する。

医院の売上を増やすだけでなく、節税、労務などあらゆる経営課題を解決する。全てをワンストップで一任できる安心感から、医師からの紹介が絶えない。病院で息子の命を助けてもらったからこそ「ひとつでも多くの医院を永続的に繁栄させること」を使命とし、開業医の院長の経営参謀として活動している。

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