クリニックで優秀な人材の応募が集まる!採用でSNSを安価に有効活用する方法
昨今人材不足が課題になっているクリニックも多いでしょう。
そこでホームページに求人情報を載せたり、求人サイトを使って応募してみたり、ハローワークを活用してみるも、なかなか応募が来ない……。
こんなこと、ありませんか?
ホームページや求人サイトで募集するのも重要ではありますが、それだけではクリニックの雰囲気が求職者に伝わらないことがあります。
そこで今回お勧めしたいのが、FacebookやTwitter、InstagramなどのSNSを活用し、日々の情報をタイムリーに発信する採用方法です。
「SNSを活用した採用と言っても、どうやったらいいかわからない」
「スタッフが炎上騒ぎになるような投稿して、信用が落ちないか心配だ……」
このようにSNSに対してネガティブな印象を持っている先生も多いでしょうが、使い方次第では集患や採用に役立てることが可能です。
しかもFacebookもTwitterなどSNSは、ホームページや求人サイト以上に求職者に親近感を持ってもらいやすくなります。
そこで、今回はSNSを活用した採用方法についてお伝えしたいと思います。
SNSを採用で活用する5つのメリット
「SNSか……。Facebookとインスタには登録しているけど、あまり見ないしなあ」
という先生も多いかと思いますが、SNSを活用するメリットは計り知れないものがあります。
そこで、医院・クリニックの採用でSNSを活用するメリットについてお伝えしていきます。
ググる人より”タグる”人が増えてきた
最近はGoogleの検索だけでなく、FacebookやTwitter、Instagramなどで欲しい情報を得るユーザーが増えています。
Googleで検索して情報を探す「ググる」に近い言葉で、最近はTwitterやInstagramのタグで情報を探す「タグる」という言葉があるくらいです。
例えばFacebookでは国内利用者数は2,800万人にも及びますが、このようなSNSユーザーの多くは、SNSで情報を検索することが多くなります。
しかも、20~30代などの若い世代ほどこの傾向が強く、転職先を探す際にもSNSを使うことは想像に難くないでしょう。
SNSを活用しなければ、「タグる」ことで情報を得る習慣のある求職者を逃す可能性があります。
SNSを活用したり、ホームページとSNSを連携したりすることで、「ググる」人も「タグる」人も両方取りこぼさずに済むのです。
無料で開設でき、簡単に告知できる
ホームページを作ったり求人広告を出したりすれば、当然コストがかかります。
しかし、FacebookやTwitterなどSNSで先生やスタッフ自身が投稿するのは無料です。
投稿作業自体は簡単で、短いメッセージでも可能ですので、日々の情報を発信するには、とても便利なツールです。
ホームページや求人サイトと簡単に連携できる
もちろん、求職者に広く知ってもらうには、ホームページや求人サイトも重要です。
医院・クリニックの理念、求めている人材、スタッフが得られるスキル、スタッフの声、スタッフの1日……。
これらをホームページに掲載することで、興味を持ってもらえる確率はぐんと高まるでしょう。
加えてSNSも併せて活用し、ホームページや求人サイトと連携することで、さらに多くの人に知ってもらうことが可能になります。
日々の投稿に求人ページのURLを貼り付けることで、「ググる」人だけでなく、「タグる」人もホームページを見つけやすくなります。
ホームページや求人サイトの効果を高めるためにも、SNSは有効なのです。
多くの医療従事者に投稿を見てもらいやすい
Facebookでは、ユーザーと知り合いの人が「友達」となって繋がっています。
つまり、医師の友達には医師が、歯科医師の友達には歯科医師が、スタッフの友達にはスタッフがいることが多いのです。
誰かひとりでも先生の求人を見て、「いいね」や「シェア」などで友達に拡散してもらえれば、結果的に多くの人に情報を見てもらうことが可能になります。
Twitterでは、Facebookのようなリアルな知り合いと繋がっているわけでなくても、やはり同業者同士はフォローし合うもの。
しかもTwitterやInstagramでは、先に書いたようにタグをうまく使えば、多くの医療従事者の目に留まりやすくなります。
特にTwitterはリツイートで拡散することもあるため、日々自分の思いや理念を発信して共感を得ると、興味を持ってくれる人が増えるでしょう。
求職者の価値観がわかり、欲しい人材を確保できる
SNSを活用すると、求職者の価値観や性格などを事前に把握しやすいという利点があります。
とりわけFacebookでは、個人の過去の活動内容や嗜好をプロフィールから確認することができます。
また、FacebookやTwitter、Instagramの日々の投稿から、どのような価値観を持ち、どんな性格なのかも創造しやすくなります。
少なくとも、「この人とは合いそうにないな」程度の感触は、日々の投稿から得ることができるでしょう。
これにより、先生の医院で働く上でのミスマッチを防ぐことができるのです。
SNSの投稿には、履歴書以上に求職者の本性や価値観が現れることがあるので、もしSNSをやっているようであれば確認しておきましょう。
SNSにはどんな投稿をしたら良いか?
採用にSNSを活用すると言っても、どのような内容を投稿すればいいのでしょうか?
先ほど述べた通り、投稿内容としては医院の雰囲気が伝わる情報を発信することが大切です。
具体的に、求職者に院内の雰囲気が伝わる投稿内容をご紹介いたします。
Facebook、Twitter、Instagramで特性は違うので使い分ける必要はありますが、概ね次のことは積極的に発信すると良いでしょう。
院長先生やスタッフの誕生日パーティーなど和気あいあいとしている姿
誕生日を祝っている写真などで、院長先生の人となりやクリニックの雰囲気を感じてもらうことができます。
医院のスタッフとともに、仲良く楽しそうにしている姿を投稿することで、求職者に安心感を与えることができます。
誕生日だけでなく、スタッフの結婚や出産を祝う写真も良いでしょう。
「例えば、このクリニックは雰囲気が良いな」
「誕生日を祝うなんて、きっとこのクリニックのチームワークは良いんだろうな」
このように好印象を与えることができます。
もちろん、好印象を与える写真についてはSNSだけでなく、ホームページの求人ページにも積極的に活用しましょう。
スタッフとのランチ会や飲み会、社内行事の一場面
求職者に好印象を与えるには、ランチ会や飲み会、忘年会やBBQなどの社内行事の一場面を掲載するのも有効でしょう。
社内行事の写真は、求人サイトやホームページでもよく活用されるので、求人目的に、たくさん写真を撮っておくと良いでしょう。
「こんなイベントもあるクリニックなんだな」
「院長先生は、一緒に働く仲間のことも大切にする人なんだな」
スタッフと院長先生との仲の良さが想像できる写真を投稿することで、風通しの良い職場であることが伝わります。
しかし、一方で「人間関係がめんどくさそう」「プライベートの時間まで侵害されそう」という印象を持たれるリスクもあります。
先生がどんなスタッフを求めるかによって、行事の写真を積極的に使用するか、敢えて公開しないか、どちらかを選択する必要もあるでしょう。
また、上記のような写真を使うのであれば、「スタッフの一人ひとりの時間を大切にする」「個性を尊重する」といったことも同時にPRした方が良いでしょう。
医学系の学術セミナーや勉強会に参加している場面
上記2点に比べると意外に思われる先生もいるかもしれませんが、医学系の学術セミナーや勉強会に参加している場面も案外有効です。
いつも医学に関し勉強熱心な先生だと感じてもらうことで、
「ここのクリニックならもっと成長できるかもしれない」
「スキルアップが図れるかもしれない」
「この先生なら、信頼できそう」
と、スキルアップを目指す向上心の高いスタッフに興味を持ってもらえる可能性があります。
ただ、あまりセミナーや勉強会に参加している写真ばかり投稿すると、固い印象を与えてしまうデメリットがあります。
上記の飲み会やランチ、誕生日パーティーなどの写真も併せて投稿しておくようにしましょう。
院長先生が友人のお医者さんと交流している場面
院長先生が他の先生とも交流していることを投稿することで、人望がある人物だと感じてもらうことができます。
また、医療についての情報交換をしているという印象も持ってもらえることで、医学に対し真摯に取り組んでいる先生という印象も与えます。
こちらも、スキルアップを目指していて、向上心の強い医師や看護師を採用したい先生には有効なブランディングとなるでしょう。
医院・クリニックのSNS採用の成功事例
先に書いたように、SNSを活用した求人は、ホームページとの相乗効果も狙えるので、かなり高い効果を期待できます。
実際に、SNSを活用して求人に成功した事例を2例ほど紹介しましょう。
成功事例①職場の雰囲気を伝えて優秀なスタッフを2名採用
とある消化器内科クリニックでは、Facebookを利用したスタッフの採用に成功しています。
以前このクリニックは、いくつかの媒体に求人を掲載していたものの、反応があまり芳しくなく悩んでいました。
そこで院長先生のSNSに求人広告を載せることにし、『医院のスタッフとの食事会』『スタッフの誕生日会』『スタッフと行った旅行』などを投稿。
日常の様子がわかる簡単な動画も投稿しました。
すると少しずつ応募が増え、優秀なスタッフを2名採用することができました。
そのスタッフに応募をした理由を聞くと、
「Facebookで職場の雰囲気が明るく、仲がいい様子が伝わったので」
と言われたそうです。
成功事例②セミナー参加などを伝えて向上心の高いスタッフを採用
また、とある埼玉県の医師は、次のようなことをSNSで発信しました。
- 「セミナーに参加して、新しい技術を学んだ」
- 「他のクリニックの先生と交流をして、情報交換をしている」
- 「患者さんがクリニックで快適に過ごせるよう、院内環境を整えた」
すると、優秀で向上心のある医師やスタッフが、
「ここの医院で働きたい」
「この医院なら、自分の力を活かせそう」
と医院に連絡が来たそうです。
このように医院内の雰囲気や取り組みをアピールすることで、採用前からクリニック内の雰囲気を理解している人が来るのです。
その結果、採用後に「雰囲気が合わなかった」という理由ですぐに退職してしまうことも起こりにくくなります。
【まとめ】SNSを活用して求めている人材を採用する
今回は採用にSNSを活用する方法についてお話いたしました。
- SNS採用を取り入れることで、コストをかけずに求めている人材を集めることができる
- 求職者は、給与や福利厚生だけでなく院長先生の人柄や、医院の雰囲気を重視する
- セミナーや勉強会参加、他の医院・クリニックと交流している写真を掲載して向上心の高い人材を募集する
ホームページや求人サイトを活用するのは重要ですが、さらにSNSを活用することで、両者の相乗効果も期待できます。
SNSの投稿は院長先生自身がやっても良いですし、クリニック全体でアカウントを取得してスタッフさんに投稿してもらっても構いません。
ぜひ、SNSを活用して先生のクリニックに合ったスタッフの採用に役立ててください。
監修者
亀井 隆弘
社労士法人テラス代表 社会保険労務士
広島大学法学部卒業。大手旅行代理店で16年勤務した後、社労士事務所に勤務しながら2013年紛争解決手続代理業務が可能な特定社会保険労務士となる。
笠浪代表と出会い、医療業界の今後の将来性を感じて入社。2017年より参画。関連会社である社会保険労務士法人テラス東京所長を務める。
以後、医科歯科クリニックに特化してスタッフ採用、就業規則の作成、労使間の問題対応、雇用関係の助成金申請などに従事。直接クリニックに訪問し、多くの院長が悩む労務問題の解決に努め、スタッフの満足度の向上を図っている。
「スタッフとのトラブル解決にはなくてはならない存在」として、クライアントから絶大な信頼を得る。
今後は働き方改革も踏まえ、クリニックが理想の医療を実現するために、より働きやすい職場となる仕組みを作っていくことを使命としている。