医院・クリニックの集患に効果的な施策10選|行うべき施策総まとめ


医院・クリニックの経営において、集患は継続的な課題の一つです。
どんなに素晴らしい医療技術があったとしても、患者さんが来院しなければ経営は成り立ちません。
特に開業直後、再診の患者さんが定着するまでは、新規の集患が重要となってきます。
また、これからクリニックを開業しようと検討している先生は、開業準備の段階での取り組みが集患を大きく左右するという点も重要です。
本記事では、医院・クリニックの経営で重要な集患対策について、詳しくお伝えします。
これから開業する先生や、集患対策を強化したい先生は最後までご覧ください。
医院・クリニック開業準備で集患を大きく左右する3つの施策

医院・クリニック開業後の集患がスムーズにいくかどうかは、開業準備の段階である程度は決まってくると言っても過言ではありません。
ここでは、開業前に必ず行っておくべきことをお伝えします。
なお、医院・クリニックの開業スケジュールや手順についての詳細は、以下の記事をご覧ください。
開業コンセプトや患者さんの属性を明確にする
医院・クリニックの開業では、物件の選定や内外装、医療機器の選定など集患に直結する準備がたくさんあります。
ただ、これらは開業コンセプトや患者さんの属性を明確にして、初めて進めることが可能となります。
また、患者さんの属性が都心で働くビジネスパーソンなのか、地域の高齢者なのか、子育て中のファミリー層なのかによって集患対策はまったく異なります。
まずは、開業コンセプトや患者さんの属性、理念、ビジョンなどを明確にして開業準備を行うことが大切です。
診療圏調査を行う
診療圏調査とは、開業予定地でどれくらいの患者さんの来院が見込めるか、競合となるクリニックがいくつあるかをデータに基づいて分析することです。
診療圏調査を行うことは、物件選定の重要な参考になります。
ただ、診療圏調査の信憑性には限界があり、後述する集患対策や患者さんの評判、地域の医療機関の連携など定性的な影響も受けます。
診療圏調査の詳細は、以下の記事をご覧ください。
内覧会を行う
内覧会は、地域住民や医療関係者を招いて、院内を見学できるようにするイベントです。
医院開業時のオフラインの集患方法として知られていますが、移転やリニューアル時、医療法人化のタイミングなどの節目でも行われます。
地域住民に院内の設備やスタッフの雰囲気を直接知ってもらうことで、「何かあったらここに行こう」という安心感を持ってもらうようにしましょう。
内覧会で集患に成功するポイントについては、以下の記事をご覧ください。
医院・クリニックの集患で効果的な7つの施策

日頃の医院・クリニックの経営で行うべき集患対策をお伝えします。
ただ、以下の施策については診療科目や治療方針、立地によって要否は変わります。
すべてを行うのではなく、自院に合った施策を行うことが大切です。
来院を促すホームページを作る
集患対策でホームページは欠かすことはできません。

※厚生労働省「令和5(2023)年受療行動調査(概数)の概況」より抜粋
厚生労働省の「令和5(2023)年受療行動調査」によると、医療機関の情報入手先として、28.8%はインターネットの情報であることがわかります。
これは、看板やパンフレット(5.6%)などに比べると高い数字で、いかに多くの患者さんがホームページなどを見て来院しているかがわかります。
ただ、ホームページがあればいいというわけでも、おしゃれにデザインすればいいというわけでもありません。
視認性やサイト内の動線を意識して、次のような患者さんが知りたい情報をわかりやすく掲載するようにしましょう。
・診療科目、診療時間、アクセス方法などの基本情報
・予約方法
・自費診療があれば、その料金体系
・院長先生やスタッフ紹介
・医院・クリニックの経営理念やビジョン
医院・クリニックの専門とする疾患や治療方法について詳しく掲載するのも重要ですが、後述するように医療広告ガイドラインには注意しましょう。
ホームページ制作の詳細については、以下の記事をご覧ください。
SEO・MEOはもちろんAIO対策も行う
ホームページを作っただけでは患者さんには見てもらえません。
Googleなどで上位表示させるためのSEOや、Googleマップでの検索(ローカル検索)に最適化するMEOは必須の対策です。
特に「地域名+診療科」での検索上位獲得は、集患に直結する傾向があります。
SEO対策、MEO対策の詳細は以下の記事をご覧ください。
ただ、近年はGoogleのAIモードなど、AIの回答で医院・クリニックを探す人が急増しています。
その影響で、最近はどのキーワードでもSEOやMEO経由のクリック率が低下している傾向にあります。
今後、さらにGoogleのAIモードなどで情報を探す人は増えていくと考えられており、AIに最適化するAIO対策の必要性が高まっています。
そのため、専門的で信頼性の高い一次情報を発信するなど、AIの回答結果に医院・クリニックが露出するようにしましょう。
SNSを活用して集患をする
Instagram、X、Facebook、LINEといったSNS活用も、患者さんとの接点を作るには有効です。
特に視覚的に院内の様子を伝えやすいInstagramは、近年では美容外科や歯科医院だけでなく、地域に密着した内科や小児科でも活用されてきています。
また、SNSの発信は集患だけでなく、採用活動においても有効です。
ホームページだけでなく、SNSまでチェックしている求職者は、それだけ仕事に対する意識が高く、離職率が低い傾向にあります。
SNSは日々の発信という手間はありますが、コストがかからないので、集患および採用活動で試す価値は十分あります。
SNSを活用した採用活動については、以下の記事をご覧ください。
必要に応じてWeb広告を利用する
美容外科や歯科医院など、自費診療のメニューが多い医院・クリニックは、リスティング広告(検索連動型広告)も検討の余地があります。
症状名や地域名などで検索してきた顕在ニーズの強い患者さんに対して露出が増えるので、ダイレクトにアプローチできます。
自院に合った看板を設置する
地域密着型の医院・クリニックでは、ホームページなどインターネットでの集患だけでなく、看板の力も大きいです。
野立て看板(少し離れた立地に立てる誘導用の看板)や、電柱広告、駅の看板など、様々な看板があります。
立地や診療科目などによって適切な看板は異なるため、詳細は以下の記事をご覧ください。
チラシなどのオフライン広告を利用する
ポスティングや新聞折り込みチラシといったオフライン広告も、地域を絞った集患には有効です。
開業時など、地域の患者さんに認知されていない場合や、内覧会などのイベント告知などに利用するといいでしょう。
特に高齢の患者さんにとっては、今でもインターネットより紙媒体の方が情報を届けやすい傾向にあります。
地域の住民が対象のセミナーを開催する
地域の公民館やオンラインを活用して、地域住民向けの健康セミナーなどを開催するのも一つの手です。
日常生活に役立つ医療の知識、健康に関する情報などを発信することで、地域の「かかりつけ医」としての信頼性が向上します。
子育てのファミリー層が多い地域では、育児に関するセミナーを定期的に開催するのもいいでしょう。
医院・クリニックの集患対策5つの注意点

最後に、集患対策を行ううえでの注意点について詳しくお伝えします。
医療広告ガイドラインを遵守する
医院・クリニックの広告は、厚生労働省の医療広告ガイドラインによって厳格に規制されています。
虚偽・誇大広告や患者さんの体験談、芸能人や著名人の来院実績掲載の禁止、ビフォーアフター写真の掲載条件など、細かなルールが存在します。
医療広告ガイドラインに抵触した広告は、行政指導や罰則がなくてもSNSで炎上することも十分あり得るので注意しましょう。
医療広告ガイドラインの詳細は、以下の記事をご覧ください。
すべての施策を行うのではなく自院に合ったものを選ぶ
上記の施策をすべて行う必要はありません。
例えば、若い患者さんが多い美容クリニックが新聞折り込みチラシに多額の予算を投じるのは非効率です。
地域密着型の内科クリニックであれば、多くの場合はリスティング広告との相性が良くありません。
精神科や心療内科のクリニックが、建物の目の前に大きな看板を設置しても、来院の事実を人に知られたくない患者さんから敬遠されてしまいます。
患者さんの属性や診療内容から、自院に合った集患対策を選ぶようにしましょう。
初診患者さんだけでなく再診患者さんも意識する
マーケティングでは、よく「新規顧客を獲得するコストは、既存顧客を維持する場合の5倍かかる」という「1:5の法則」があります。
実際に5倍かどうかはともかく、これは医院・クリニックの集患でも大きくは違いません。
新規の患者さんに来院してもらうには、それなりの広告費がかかります。
開業して新規の患者さんが来院するようになったら、再診の患者さんも意識することが大切です。
再診率を上げるには、丁寧な診察、待ち時間の削減、スタッフの接遇向上など、広告とは異なる対策が必要となります。
また、再診の患者さんからの評判を得ることで、口コミによって新規の患者さんが来院しやすくなります。
令和5(2023)年受療行動調査によれば、家族・友人・知人からの口コミの割合は68.4%です。
治療やサービスの質の向上が、最大の集患対策と言えるかもしれません。
再診の患者さんが増えてきたら広告費を減らす
開業当初は認知度を上げるためにある程度の広告宣伝費が必要です。
しかし、経営が軌道に乗り、口コミや再診の患者さんで予約が埋まるようになってきたら、徐々に広告費を減らしていくべきです。
以前は費用対効果が大きかった広告でも、口コミによる新患の増加や再診率次第で必要性が薄れてきます。
医院・クリニックのフェーズに合わせて適切な集患対策を行うようにしましょう。
効果検証や改善を行う
特にホームページの運用やWeb広告、チラシの配布などについては、必ず効果検証を行うようにしましょう。
どの媒体を見て来院したのかを確認しながら、費用対効果の高い施策に広告予算を集中させましょう。
また、先ほどもお伝えしたように、開業直後と、経営が軌道に乗ってきた際では必要な施策も変わってきます。
定期的に効果検証を続けながら、最適化していくようにしましょう。
【まとめ】自院に最適な集患施策を見極め、安定したクリニック経営を
医院・クリニックの集患を成功させるためには、開業コンセプトや患者さんの属性に合った集患対策を行うことが必要です。
広告で集患する際は、医療広告ガイドラインを遵守するよう注意しましょう。
各々の詳細な集患対策については、医院・クリニックに精通した専門家に相談するようにしてください。
最後までご覧いただきありがとうございました。




監修者
笠浪 真
税理士法人テラス 代表税理士
税理士・行政書士
MBA | 慶應義塾大学大学院 医療マネジメント専攻 修士号
1978年生まれ。京都府出身。藤沢市在住。大学卒業後、大手会計事務所・法律事務所等にて10年勤務。税務・法務・労務の知識とノウハウを習得して、平成23年に独立開業。
現在、総勢52人(令和3年10月1日現在)のスタッフを抱え、クライアント数は法人・個人を含め約300社。
息子が交通事故に遭遇した際に、医師のおかげで一命をとりとめたことをきっかけに、今度は自分が医療業界へ恩返ししたいという思いに至る。
医院開業・医院経営・スタッフ採用・医療法人化・税務調査・事業承継などこれまでの相談件数は2,000件を超える。その豊富な事例とノウハウを問題解決パターンごとに分類し、クライアントに提供するだけでなく、オウンドメディア『開業医の教科書®︎』にて一般にも公開する。
医院の売上を増やすだけでなく、節税、労務などあらゆる経営課題を解決する。全てをワンストップで一任できる安心感から、医師からの紹介が絶えない。病院で息子の命を助けてもらったからこそ「ひとつでも多くの医院を永続的に繁栄させること」を使命とし、開業医の院長の経営参謀として活動している。


