クリニックの集患におけるInstagram活用|患者さんから選ばれるための重要ポイント

公開日:2026年9月10日
更新日:2026年9月10日

医院・クリニックの集患対策や求人採用で、Instagram(インスタ)などのSNS活用は欠かせなくなってきています。

今では美容クリニックや歯科医院だけの話ではありません。内科や小児科などの医院・クリニック、総合病院などでもインスタのプロモーション活用が広がっています。

インスタは、簡単に発信できることに加えてコストがかかりません(※運用代行を依頼する場合を除く)。

X(旧Twitter)やFacebookと違って、写真や動画が中心となるので、院内の様子や院長先生やスタッフの人柄を手軽に伝えやすいのが特徴です。

そこで今回は、患者さんから選ばれるクリニックになるためのインスタ活用についてお伝えします。

クリニックのインスタ活用が集患対策で有効である5つの理由

認知度の向上から新規集患、離脱防止などにおいて、クリニックのインスタ活用は非常に効果的です。まずは、その5つの理由を解説します。

Instagramはコストをかけずに地域の集患対策や求人採用を強化できる

インスタのアカウント開設や日々の投稿には、基本的に費用がかかりません。

広告費をかけずに、スマートフォン1台で近隣住民へ向けた情報発信が可能です。

日々の健康管理に役立つ発信をするなど、地域の患者さんが関心のある投稿を続けることで、認知度の向上につながります。

また、集患だけでなく求人採用にも有効です。

求職者は、応募前に「どのような雰囲気の職場なのか」をSNSで調べる傾向が強まっています。

院内の設備やスタッフの働く様子を発信することでミスマッチを防ぎ、採用コストの削減にもつながります。

求人採用のSNS活用については、以下の記事を参考にしてください。

クリニックで優秀な人材の応募が集まる!採用でSNSを安価に有効活用する方法

昨今人材不足が課題になっているクリニックも多いでしょう。 そこでホームページに求人情報を載せたり、求人サイトを使って応募してみたり、ハローワークを活用してみるも…

Instagramは幅広い年齢層で利用者が多い

「SNSは若い世代が使うもの」というイメージを持たれがちですが、決してそんなことはありません。

特にインスタは、XやTikTokに比べるとシニア層の利用者が多い傾向にあり、幅広い年齢層に普及しています。

総務省が公表しているSNSの利用状況に関するデータによれば、Xとインスタの年齢別利用率の推移は次の通りです。

※総務省「令和7年版 情報通信白書 」より抜粋

上図から、Xに比べてインスタの方が40~60代の利用率が高いことがわかります。

美容外科や歯科医院だけではなく、シニア層の割合が高い内科や整形外科においてもインスタは有効な媒体と言えます。

Instagramは日常の雰囲気を写真や動画で伝えて親近感を伝えやすい

患者さんは近隣のクリニックを探す際、当然「しっかり治療をしてくれるか?」「先生やスタッフは親切か?」といったことが気になっています。

写真や動画をメインとするインスタでは、視覚的な情報をダイレクトに届けられます。

待合室の清潔感、最新の医療機器、院長やスタッフの顔が見えることで、来院前の不安を払拭し、親近感を持ってもらいやすくなります。

近隣に競合の医院・クリニックが複数ある場合、患者さんに日常の雰囲気が伝わっていることで選ばれることもあります。

また、院内の雰囲気の発信は、求人採用でも一定の効果が期待できます。

「このクリニックは雰囲気が良さそう」

「院長先生はスタッフのことを大切にしそうだな」

「このクリニックならがんばれそう」

といったことが伝わる投稿も意識するようにしましょう。

Instagramは地域活動など地域密着型の情報発信をしやすい

診療科目にもよりますが、一般的に医院・クリニックの経営において、地域住民との信頼関係は欠かせません。

インスタでは、ハッシュタグを活用することで、特定の地域に関心のあるユーザーへピンポイントで情報を届けることができます。

近隣のイベントへの参加風景や、地域の方向けの健康講座の様子などを発信することで、「地域に根差したクリニック」として認知を拡大できます。

Instagramは長期的なブランディングに効果的である

インスタなどのSNSは、過去の投稿が蓄積されていきます。

日々の診療に対する想い、医療のわかりやすい解説などをコツコツと発信し続けることで、「〇〇ならこのクリニックだ」という印象を与えることができます。

クリニックのInstagram活用の3つの注意点

インスタ活用はコストをかけずに集患や求人採用に一定の効果があるので、活用しない手はありません。

しかし、以下の3点には注意して運用してください。

医療広告ガイドラインに注意する

自院のアカウントで発信するSNSの情報は、チラシやホームページと同様に、厚生労働省が定める医療広告ガイドラインの規制対象となります。

例えば、「絶対に治る」といった誇大広告、自院が他院より優れているとアピールする比較優良広告、患者の体験談などの掲載は禁止されています。

また、ビフォーアフターの写真についても、詳細な治療内容や副作用、費用などの説明を併記しない限り掲載はできません。

医療広告ガイドラインの詳細については、以下の記事をご覧ください。

【医療広告ガイドライン徹底解説】知らないと怖い医療広告規制12個のポイント

医院・クリニックなどでホームページ、チラシを作成する際に気を付けなければいけないのが広告規制です。 医療機関の広告は景品表示法だけでなく、医療法により厳しく規制…

個人情報の取扱いに十分注意する

院内の様子を撮影する際、意図せず個人情報に関するものが映り込んでしまうリスクがあります。

具体的には、次のようなものです。

・電子カルテ
・患者さんの顔写真
・レントゲン写真
・患者さんの氏名、診察券番号
・診療内容が特定できるような具体的な記述

個人情報の漏洩は、クリニックの信用を失墜させる重大な問題です。

撮影時には周囲に十分配慮し、必要に応じてモザイク処理やトリミングなどで対処するようにしましょう。

医院・クリニックの守秘義務の詳細は、以下の記事をご覧ください。

【税理士監修】スタッフの情報漏洩からクリニックを守る対策と守秘義務

カルテなどの患者の個人情報は、医師や看護師などの医療従事者には厳格な守秘義務が課されています。 万が一、患者の同意がなく、クリニックから個人情報が漏洩した場合は…

炎上リスクに注意する

SNSの不用意な発言や不適切な対応、マナー違反などは、大きな炎上につながる恐れがあります。

今まで良い口コミを積み上げてきた医院・クリニックであっても、炎上によって信頼が大きく失われる可能性があります。

例えば、医療広告ガイドラインに抵触したり、個人情報が漏洩したりしている場合は炎上リスクも大きくなります。

医療広告ガイドラインは難解ですが、現在では一般のユーザーでも生成AIを使って簡単に大まかな回答を得るのは難しくありません。

そのため、医療従事者でなくてもガイドライン違反を指摘しやすい環境になっている点に注意が必要です。

その他、インスタではないものの、電子カルテ画像をSNSでさらして問題になったケースもあります。

また、ネガティブなコメントが寄せられた場合は、スルーしたり感情的に反論したりするのではなく、誠実かつ論理的な返信を心がけましょう。

対応を誤ると、火に油を注ぐことになり炎上騒ぎに発展する可能性があります。

Instagram投稿の主な3つの種類と特徴

インスタの投稿というと、ほとんどの方はタイムラインで流れるフィード投稿を思い浮かべるかもしれません。

しかし、目的に応じてリール動画やストーリーズも活用すると、効果的な運用ができます。

フィード投稿

フィード投稿は、ホーム画面のタイムラインに表示され、アカウントのプロフィール画面に画像として蓄積されていく、最も一般的な投稿方法です。

最大20枚までの写真や動画をスワイプ形式で投稿できるので、情報量が多くなりがちな医療情報でも、1枚ずつ分割して視覚的にわかりやすく発信できます。

例えば、耳鼻咽喉科が「花粉症の時期に気をつけたい3つの習慣」というコンテンツを、紙芝居形式で解説するといった活用方法があります。

医療広告ガイドラインに抵触しないように、ユーザーにとって役に立つ投稿を続けると、患者さんからの信頼感につながります。

リール動画

リールは、スマートフォンの画面に合わせた縦型のショート動画で、アプリ内で最大3分までの動画を作成できます。

フィード投稿と最も異なるのは、フォロワー以外の潜在層に表示されやすいという点です。

インスタの発見タブなどで次々と再生されるため、まだ医院・クリニックを知らない近隣ユーザーにアプローチできます。

医院・クリニックのリール動画では、一例として以下のような内容を発信すると効果的です。

・クリニック内の紹介
・診療の流れ
・スタッフ紹介
・Q&A
・最寄り駅からクリニックまでの道案内 etc

画像では伝わらない先生の話し方や、スタッフの優しい雰囲気を伝えながら発信するようにしましょう。

これにより、初診時の心理的ハードルを下げることができるので、患者さんが来院しやすくなります。

ストーリーズ

ストーリーズは、投稿から24時間で自動的に消える手軽な発信方法です。

フォロワーの画面上部に目立つ形で表示されるため、次のようなタイムリーな情報を届けるのに最適です。

・本日の午後の診療は〇時まで比較的空いています
・休診・代診のお知らせ
・インフルエンザワクチンの予約枠を追加しました

など、一時的ではあるものの今すぐ伝えたい情報の告知に向いています。

また、「スタッフの休憩時間のひとコマ」など、あえて作り込まない日常の風景を流すことで親近感を作り出すこともできます。

クリニックのInstagram運用で集患を促すための5つのポイント

今までのことを踏まえて、クリニックのインスタ運用で集患に結びつけるための重要ポイントをお伝えします。

診察の場面などを柔らかく伝える

先ほどもお伝えしたように、医院・クリニックに対して「しっかり診てくれるかな」と不安を持つ患者さんは少なくありません。

「怖い」「緊張する」というイメージを持つ患者さんも多いです。

そこで、スタッフの笑顔や和やかな雰囲気が伝わる写真、診察風景を柔らかいトーンで発信しましょう。

「ここなら安心して相談できそう」と感じてもらうことが、初診のハードルを下げる最大のポイントとなります。

一貫性のある投稿をする

発信するテーマや画像のトーン(色使いやフォントなど)に一貫性を持たせましょう。

例えば、専門とする疾患の解説を中心に発信するのか、院内の様子を中心に発信するのか、軸を持つようにしましょう。

集患目的なのか、求人目的なのかによっても発信内容は大きく変わります。

インスタで発信する目的に沿って、発信軸がブレない投稿の方が、認知はされやすくなります。

ただ、1つのテーマだけに絞って毎回投稿しなければならないわけではありません。

専門とする疾患の解説を中心にしながら、適宜院内の雰囲気を伝えたり、イベント情報を伝えたりするのもいいでしょう。

地域活動やイベントの投稿も行う

医療情報だけでなく、地域イベントへの参加や、講演会に登壇した様子なども投稿するといいでしょう。

医療従事者としてだけでなく、地域の一員としての人間味を伝えることで、かかりつけ医として選ばれやすくなります。

無理のない投稿頻度とする

SNS運用で最も陥りがちな失敗は、途中で更新が止まってしまうことです。

最初は毎日投稿を目指しても、日々の業務に追われてアカウントを放置してしまうケースは少なくありません。

「フィード投稿とストーリーズは週に3回、リール動画は週1回」など、無理なく継続できる頻度を設定しましょう。

専門的な疾患の解説や予防対策など、事前にネタをストックしておくと継続しやすくなります。

コメントやDMにはなるべく丁寧に返信して患者さんとの距離を近付ける

ユーザーからのコメントやDMに対して、可能な範囲で丁寧に返信を行うことで、患者さんとの距離を縮めることができます。

ただし、SNS上での具体的な医療相談には応じないことが大切です。

「詳しくは一度ご来院のうえご相談ください」と、実際の受診へスムーズに誘導するような対応にとどめましょう。

【まとめ】Instagramの発信で、地域に選ばれるクリニックへ

今回は、クリニックにおけるインスタ活用の有効性や注意点、集患上の運用ポイントについて解説しました。

インスタは、クリニックの診療内容や雰囲気などを視覚的に伝えて、患者さんとの信頼関係を築くための有効なSNSです。

無理のない範囲で継続的に発信を行っていくことで、集患や求人に役立ちます。

インスタなどのSNSをうまく活用しながら、地域の患者さんから選ばれるクリニックを目指してください。

笠浪 真

1978年生まれ。京都府出身。藤沢市在住。大学卒業後、大手会計事務所・法律事務所等にて10年勤務。税務・法務・労務の知識とノウハウを習得して、平成23年に独立開業。
現在、総勢52人(令和3年10月1日現在)のスタッフを抱え、クライアント数は法人・個人を含め約300社。
息子が交通事故に遭遇した際に、医師のおかげで一命をとりとめたことをきっかけに、今度は自分が医療業界へ恩返ししたいという思いに至る。

医院開業・医院経営・スタッフ採用・医療法人化・税務調査・事業承継などこれまでの相談件数は2,000件を超える。その豊富な事例とノウハウを問題解決パターンごとに分類し、クライアントに提供するだけでなく、オウンドメディア『開業医の教科書®︎』にて一般にも公開する。

医院の売上を増やすだけでなく、節税、労務などあらゆる経営課題を解決する。全てをワンストップで一任できる安心感から、医師からの紹介が絶えない。病院で息子の命を助けてもらったからこそ「ひとつでも多くの医院を永続的に繁栄させること」を使命とし、開業医の院長の経営参謀として活動している。

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