山口大学医学部の歴史・カリキュラム・研修制度などの紹介!開業医の方も全国で活躍しています

公開日:2021年4月10日
更新日:2024年3月18日

はじめに

山口大学は県南西部の宇部にあります。宇部は彫刻と緑の街です。新進の気質と開拓の精神を持って「医心」のある医療人の育成と医学の発展に貢献をしています。時代の変化と多くのニーズに対応していきます。医学部は常にカリキュラムの改善に努めていきます。2019年度に医学教育分野別評価を受審しました。

また国際的な視野と学術的な研究心の涵養は医学部教育の特徴ともいえます。医学科の学生は自己開発コースなどを通して毎年十数名の方がおよそ5か月の間欧米を中心とした海外の研究室で研究を行います。多様な人材を活用して地域においても世界でも社会貢献ができるような個性豊かな人材を育成していきます。また医療活動から高度な先進医学や医療までの多岐にわたる医学教育・研究・臨床医学・社会そして産業界にも還元できるような役割を果たしていきたいと考えています。

出典:山口大学医学部HP

所在地

山口大学医学部の所在地は山口県宇部市南小串1-1-1にあります。宇部線宇部新川駅から徒歩6・7分と近いです。宇部の市街からは車でも20分以上はかかりそうです。山口大学工学部をはじめとして高校などが近くに多くあります。また市役所なども近く学問・行政の中心地にはなっている感じがします。

出典:山口大学医学部HP

入学金・学費

山口大学医学部の学費を紹介します。

1年次は入学金は282000円、授業料は535800円で合計が81万7800円

2年次から6年次は授業料が535800円×5年間=267万9000円

合計が81万7800円+267万9000円=349万6800円

国立大学医学部の学費は基本この額になります。親にとっては本当に助かります。

出典:医学部受験マニュアルHP

偏差値

65.0

国立大学医学部の中でも標準的か少し上かなという感じがします。岡山大学医学部広島大学医学部名古屋市立大学医学部島根大学医学部などが併願候補になりそうです。

出典:河合塾医進塾HP

倍率

山口大学医学部の倍率を紹介します。

20年度:前期4.7倍、後期二段階21.4倍、センター試験課す3.1倍。19年度は同2.5倍、38.1倍、4.5倍。

後期は超高倍率なことは言うまでもなく、また前期の倍率も高く安心はできません。ただその中でも20年度は19年度と少し流れが違っているかなという気はします。

出典:旺文社HP

医師国家試験合格率

2020年:全体91.5%(全国59位タイ)新卒95.8%(全国39位タイ)既卒50.0%(全国71位タイ)
2019年:全体89.3%(全国51位タイ)新卒95.3%(全国26位タイ)既卒42.9%(全国64位タイ)
2018年:全体91.0%(全国46位)新卒95.7%(全国30位タイ)既卒56.3%(全国57位)
2017年:全体87.6%(全国56位)新卒92.3%(全国46位タイ)既卒41.7%(全国65位)
2016年:全体91.9%(全国39位)新卒96.6%(全国19位タイ)既卒61.1%(全国41位)

全体的には合格率91%程度で50位前後という感じです。中の下くらいで可も不可もないかなというところです。新卒は全体的に頑張っているのではないでしょうか。既卒も悪いというわけではないにしてももうひと踏ん張りすると平均の上に行けるのではないかという感じがします。

出典:医学部受験ラボHP

歴史

山口大学医学部の歴史を紹介します。

昭和19年4月:山口県立医学専門学校を設置
昭和22年6月:山口県立医科大学設置の認可、予科も開設
昭和24年4月:山口県立医科大学医学部設置
昭和26年3月:山口県立医学専門学校を廃止
昭和27年4月:山口県立医科大学の設置
昭和30年4月:医学進学課程を設置
昭和30年9月:附属病院精神病棟を開設
昭和33年4月:山口県立医科大学大学院医学研究科を設置
昭和34年6月:開学15周年記念式典を行う
昭和39年4月:国立移管で山口大学医学部を創設
昭和42年6月:山口大学医学部付属病院を設置
昭和43年3月:山口県立医科大学及び大学院医学研究科を廃止
昭和45年1月:附属病院の病床数を759床に変更
昭和47年5月:附属病院の脳神経外科を新設
昭和49年11月:創立30周年記念式典を挙行
昭和59年9月:創立40周年記念式典を挙行
平成2年6月:附属病院総合診療部を新設
平成6年4月:医学部の6年一貫教育を開始
平成6年11月:医学部創立50周年記念式典を挙行
平成9年5月:医学部の記念会館「霜仁会館」を竣工
平成11年4月:先進救急医療センターを設置
平成16年4月:国立大学法人山口大学医学部を設立
平成18年9月:病床数を737床に変更
平成18年10月:附属病院腫瘍センターを設置
平成19年4月:附属病院の病床数を736床に変更
平成19年6月:附属病院の消化器科、呼吸器科、呼吸器外科、小児外科を設置
平成19年9月:附属病院高度救命救急センターの改修を行う
平成20年2月:医学系研究科附属修復医学教育センターを設置
平成23年1月:附属病院でドクターヘリの運航を開始
平成23年4月:附属病院で総合周産期母子医療センターに指定
平成25年2月:附属病院放射線治療科を設置
平成26年4月:附属病院救急科を設置
平成27年2月:附属病院リハビリテーション科を設置
平成28年3月:緩和ケアセンター設置
平成30年4月:医学部附属病院AIシステム医学・医療研究教育センター設置
平成31年4月:附属病院形成外科設置
令和元年6月:病床数756床に変更
令和2年3月:附属病院が災害拠点病院に指定
令和2年4月:附属病院が都道府県アレルギー疾患医療拠点病院に指定

出典:山口大学医学部HP

教育理念・目標

山口大学医学部の教育理念と目標は次のようになります。

教育理念
1:医学と医療の専門知識と技術を指導して豊かな人間性を涵養していきます。
2:医学や医療の変化そして医師の社会的な役割への対応能力を育成していきます。
3:医学や医療の国際化に対応できる能力を育成、国際的な視野に立った医学の発展と国際交流に努めていきます。
4:医学や医療の知識・技術の発展に積極的に貢献して創造的な人材を育成していきます。

教育目標
①:豊かな人間性と高い倫理性を持った医師と研究者を育成していきます。
②:問題提起能力及び自己開発能力を育成していきます。
③:実践的な臨床能力と先進的な医療への対応能力を育成していきます。
④:医学や医療分野での実践的な英語能力を育成して国際交流を推進していきます。
⑤:知的成果の積極的な公開とその応用を推進していきます。
⑥:医学や医療の向上を目指して地域社会との交流を深めていきます。

出典:山口大学医学部HP

カリキュラム

山口大学医学部のカリキュラムは1年次に共通教育科目と医学入門を学びます。2年次に社会医学系科目と基礎医学を学びます。3年次は高度自己修学コースと展開医学型科目を学びます。また基礎系の統一試験もあります。4年次は展開医学系科目の続きと臨床実習入門やプレ臨床実習などを行います。5年次は臨床実習を中心に行います。6年次も臨床実習を中心に行うも地域医療実習や卒業試験・医師国家試験などもあります。卒業試験をクリアして卒業です。さらに国家試験をクリアできると研修医として卒後研修に入ります。

2年次は医学概論と倫理序論、基礎解剖生理学序論、基礎生化学序論、基礎生命実験医学、発生学、医用統計学と医用AI学、外皮筋骨格系、循環器と呼吸器系、消化器系、泌尿器と生殖器系、肉眼解剖学実習、組織学実習、統合組織学実習、血液系と免疫系、内分泌系、感覚器と末梢神経系、中枢神経系、脳実習、機能系実習、細胞生物エネルギー学、分子細胞生物学、統合薬理学、生化学実習、細胞生理化学演習、基礎病理学総論、臨床病理学Ⅰ、病原細菌学、ウイルス医動物学、病原生物学実習、病原組織実習Ⅰ、環境予防医学、生活習慣病及び疫学と地域医療、重点統合学Ⅰ、遺伝子病態学などを学びます。

3年次は臨床病理学Ⅱ、病理組織実習Ⅱ、衛生統計及び保健医療学、社会医学基本実習、重点統合学Ⅱ、自己開発コース、修学論文チュートリアル、基盤系特別専門講義、臨床医学序論、感染症学、臨床検査学などを学びます。

4年次は医療安全学、医療安全チュートリアル、臨床倫理チュートリアル、行動医学チュートリアル、法医学、社会医学課題演習、臨床腫瘍学、放射線医学、消化器病態系、循環器病態系、呼吸器病態系、腎尿路病態系、眼視覚病態系、耳鼻咽喉口腔病態系、皮膚病態系、運動器病態系、神経病態系ⅠⅡ、高次脳病態系、血液リンパ造血器病態系、膠原病アレルギー病態系、内分泌代謝栄養系、生殖婦人科病態系、胎生周産期病態系、小児発達病態系、加齢老年病態系、麻酔ペインクリニック、救急医学、薬物治療処方学、リハビリ緩和終末期医療、漢方医学、医療情報、放射線医療学、プレ臨床実習チュートリアル、臨床実習入門、多職種連携、臨床実技基本実習、臨床推論基本実習などを学びます。

5・6年次は臨床実習Ⅰ、臨床系特別専門講義、臨床実習Ⅱ及び地域医療、実践臨床医学特論などを行います。

出典:山口大学医学部HP

研修制度

山口大学医学部の研修制度の特徴を紹介します。

1:研修生を優先した希望に合わせたオーダーメイドカリキュラムになっています。
2:多くの協力病院群があります。
3:多くの臨床研修指導医の指導を受けることができます。
4:豊富な研修のレクチャーがあります。
5:学科発表などのアカデミックなことも行います。
6:整備された研修環境があります。

研修コースは:全方向型自由設計コースと小児科・産科婦人科・周産期コースの2つがあります。

基本的に必須科は内科24週・救急12週・地域医療4週以上・外科4週以上・小児科4週以上・産婦人科4週以上・精神科4週以上・小児科4週以上・外来研修4週以上となっています。また選択科は皮膚科・放射線科・放射線治療科・病理診断科などを含むすべての科です。ただ小児科・産科婦人科・周産期コースを選ばれる方は小児科もしくは産婦人科・周産期コースをある一定期間研修をすることが必要です。

出典:山口大学医学部付属病院医療人育成センター

部活動

山口大学医学部の部活動を紹介します。学長が体育会の名誉会長も兼ねているほどのスポーツ好きです。体育会企画では各種スポーツマッチを開催しています。また文化会も定期演奏会などを中心に中四国地域とのつながりを重視しています。

運動部はアーチェリー部・合気道部・アイスホッケー部・アメリカンフットボール部・空手道部・弓道部・剣道部・硬式テニス部・硬式野球部・ゴルフ部・サイクリング部・サッカー部・山岳部・自動車部・柔道部・準硬式野球部・少林寺拳法部・水泳部・軟式テニス部・卓球部・軟式野球部・男子バスケットボール部・男子バレーボール部・女子バスケットボール部・女子バレーボール部・男子ハンドボール部・女子ハンドボール部・バドミントン部・フットサル部・ボート部・ヨット部・ラグビー部・男子ラクロス部・女子ラクロス部・陸上競技部・ワンダーフォーゲル部・チアリーディング部などがあります。

文化部は医学英語研究会・管弦楽団・考古学部・混声合唱団・茶道部・写真部・将棋部・吹奏楽部・洞窟研究会・美術部・文芸部・邦楽部・マンドリンクラブなどがあります。

出典:山口大学学生支援室HP

連携病院

山口大学医学部の主な連携病院を紹介します。

山口県立総合医療センター(山口県防府市大崎)
国立病院機構岩国医療センター(山口県岩国市愛宕町)
独立行政法人徳山中央病院(山口県周南市孝田町)
福山市民病院(広島県福山市蔵王町)
独立行政法人横浜労災病院(神奈川県横浜市港北区小机町)

出典:日本救急医学会 救急医を目指す君へ

著名な卒業生

山口大学医学部の主な卒業生を紹介します。

那須学氏(総合内科専門医・なすクリニック院長)
山﨑斉氏(眼科医・山﨑眼科院長)
松本卓也氏(循環器内科医・まつもとクリニック院長)
大越猛氏(内科医・緩和医療の専門家・大越なごみの森診療所院長)
谷村陽子氏(放射線科専門医・たにむらようこクリニック院長)

出典:病院検索ホスピタ

笠浪 真

1978年生まれ。京都府出身。藤沢市在住。大学卒業後、大手会計事務所・法律事務所等にて10年勤務。税務・法務・労務の知識とノウハウを習得して、平成23年に独立開業。
現在、総勢52人(令和3年10月1日現在)のスタッフを抱え、クライアント数は法人・個人を含め約300社。
息子が交通事故に遭遇した際に、医師のおかげで一命をとりとめたことをきっかけに、今度は自分が医療業界へ恩返ししたいという思いに至る。

医院開業・医院経営・スタッフ採用・医療法人化・税務調査・事業承継などこれまでの相談件数は2,000件を超える。その豊富な事例とノウハウを問題解決パターンごとに分類し、クライアントに提供するだけでなく、オウンドメディア『開業医の教科書®︎』にて一般にも公開する。

医院の売上を増やすだけでなく、節税、労務などあらゆる経営課題を解決する。全てをワンストップで一任できる安心感から、医師からの紹介が絶えない。病院で息子の命を助けてもらったからこそ「ひとつでも多くの医院を永続的に繁栄させること」を使命とし、開業医の院長の経営参謀として活動している。

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