鳥取大学医学部のカリキュラム・研修制度・部活動などを紹介!地元鳥取で開業医を行う方も多いです

公開日:2021年3月20日
更新日:2024年3月18日

はじめに

鳥取大学医学部は地域社会だけでなく国際的に貢献のできる全人的な医療人の育成を目指しています。また研究者の育成を目指していきます。ヒューマンコミュニケーションや手話の基礎などを通してコミュニケーション力に力を入れています。国際的な医学教育基準の医学教育分野別の評価でも高いものを受けました。患者への理解やいたわりの心を持って臨床的な実践力を有していきます。

また高度な医療教育だけではなく地域医療にも力を入れています。高度専門医療と地域医療が融合をしていくような教育をしています。地域医療の教育では「早期体験・ボランティア」「地域医療体験」などの体験型の授業に加えて、山陰地域の病院や診療所での実際の診療に参加していく地域医療臨床実習などを行っていきます。またアメリカ・イギリス・フィリピン・ロシアなどの海外の臨床実習や研修プログラムなども取り入れています。

出典:鳥取大学医学部HP

所在地

鳥取大学医学部の所在地は鳥取県米子市西町86番地にあります。米子駅から徒歩15分程度で行けそうですので駅からは比較的近いです。鳥取大学医学部は鳥取ではなく米子にあります。鳥取と米子はほぼ県の東と西の端にあるので90キロほどの距離があります。90キロだと大阪と姫路くらいの距離になります。

出典:鳥取大学医学部HP

入学金・学費

鳥取大学医学部の学費を紹介します。

1年次は入学金は282000円、授業料は535800円で合計が81万7800円

2年次から6年次は授業料が535800円×5年間=267万9000円

合計が81万7800円+267万9000円=349万6800円

国立大学医学部なので学費は他の大学と同じです。国立大学医学部の最も大きなメリットはやはり学費ではないでしょうか。

出典:医学部受験マニュアルHP

偏差値

62.5

2019年までは65.0ありました。実質は63から63.5くらいかもしれません。富山大学医学部三重大学医学部香川大学医学部高知大学医学部あたりが併願候補の医学部になりそうです。

出典:河合塾医進塾HP

倍率

鳥取大学医学部の倍率を紹介します。

20年(19年度の入試)の前期日程が4.3倍、ちなみに19年(同18年度)は6.1倍でした。国立大学医学部にしてはかなりの高倍率と言えます。何とか国立に入りたいという方が殺到している可能性も考えられます。

出典:旺文社HP

医師国家試験合格率

2020年:全体94.7%(全国32位)新卒96.1%(全国36位タイ)既卒81.8%(全国24位タイ)
2019年:全体90.1%(全国49位)新卒94.6%(全国35位タイ)既卒33.3%(全国70位タイ)
2018年:全体91.5%(全国41位)新卒97.0%(全国20位タイ)既卒14.3%(全国79位)
2017年:全体94.3%(全国14位)新卒96.5%(全国12位)既卒66.7%(全国21位タイ)
2016年:全体90.7%(全国50位)新卒91.5%(全国68位)既卒50.0%(全国56位タイ)

変化のあった17年と全体的に成績の上がった大学の多かった20年に好成績を上げています。残り3年は91%前後で中位程度で既卒者が苦戦しています。全体を通してみるとまずまずといえます。

出典:医学部受験ラボHP

歴史

鳥取大学医学部の歴史を紹介します。

昭和20年3月:米子医学専門学校の設立が確定しました。戦争中ということもあってなかなか良いところが見つかりませんでした。山陰地方でという要望もあって米子に設立しました。
昭和20年7月:米子医学専門学校の第1回入学式を行う。鳥取大学医学部の母体にあたります。
昭和21年6月:医学部の付属病院を設立。
昭和23年2月:米子医科大学の設置を正式に認可。同年5月に第1回の入学式を行う
昭和26年:新制の鳥取大学医学部として新入生を迎え入れる
昭和30年:鳥取大学医学部の初の卒業生と創立10周年の式典を行う
昭和30年代:大学の授業を広く一般の方にも解放します
昭和40年ごろ:学生紛争で生徒が一部授業をボイコットなどもありました
昭和50年:創立30周年を迎える
昭和60年:創立40周年を迎える
平成7年:創立50周年を迎える
平成17年:創立60周年を迎える
平成26年:大学病院敷地内にヘリポートが設置されます。平成30年度からは鳥取県ドクターヘリ運航も開始されました。
平成27年:創立70周年を迎える
平成30年:とっとり創薬実証センターを竣工。抗体医薬の開発や疾患モデル動物の作製による既存薬の再開発に期待が集まります。

出典:鳥取大学医学部HP

特徴

鳥取大学医学部ではモデル・コア・カリキュラムという新しいものをいち早く取り入れました。このカリキュラムは全国統一の精選された基本内容を重点的に履修していきます。全体の7割近い時間数をここに使います。残り3分の1は大学の基本理念に基づく教育で全国から注目されている手話やコミュニケーションなどの学生が自主的に選択できる多彩なメニューが組み込まれています。

また従来型の詰め込み型の学習から自ら課題を探求して能動的に取り組んでいく学生主体の学習への転換を図っています。小さなグループに分かれて課題の解決を行っていくチュートリアル教育や一定期間希望する研究室で研究課題にも取り組んでいきます。このような多様な課題に取り組むために医学部では医学教育総合センターを設けて教員や学生の方のメリットを常に出せるようにしています。

医学部の卒業生は医師免許を取得後に山陰地区を中心に全国で医療・教育・研究で活躍しています。また行政機関に貢献をしている方も比較的多くいます。

出典:鳥取大学医学部HP

カリキュラム

鳥取大学医学部では1年次から3年次までに専門科目以外に全学共通科目を学んでいきます。

1年次では医学概論・実験動物学・医用統計学・細胞組織学・細胞一般生理学・細胞生化学・免疫生物学・遺伝生化学・発生工学・基礎運動器学などを学んでいきます。

2年次では医学史・基礎薬理学・基礎栄養学・基礎消化器学・基礎循環器学・基礎呼吸器学・基礎泌尿器学・生殖器学・基礎感覚器学・基礎神経学・基礎内分泌代謝血液学・解剖学実習・基礎医学実習・病理学総論・社会環境医学・基礎医学セミナーなどを学んでいきます。

3年次では基礎感染症学・基礎感染症学実習・人類遺伝学・疫学と予防医学・研究室配属・メディカルコミュニケーション・画像診断入門・病理学各論・診断学・放射線診断学・治療学・臨床消化器学・臨床循環器学・臨床呼吸器学・臨床内分泌代謝学・臨床血液学などを学んでいきます。

4年次では生活生命医学・臨床運動器学・臨床神経学・臨床感覚器学・臨床泌尿器学・臨床生殖器学・産科学・臨床成長発達学・臨床感染症学・臨床腫瘍学・社会医学チュートリアル実習・免疫アレルギー・神経精神医学・老年医学・麻酔科学・救急医学・医療情報学・チュートリアル教育・臨床実習入門・地域医療体験・臨床医学特論1などを学んでいきます。

5・6年次では臨床医学Ⅰ・臨床医学Ⅱ・医療情報学2・保健予防医学・臨床医学特論2などを学んでいきます。

その後医師国家試験に合格すると付属病院を中心にした卒後研修が始まります。

出典:鳥取大学医学部HP

研修制度

鳥取大学医学部の医科初期研修プログラムは自由選択、外科専門、精神科、小児科、産婦人科、救急集中治療、山陰たすきがけ、関西たすきがけなどのプログラムがあります。関西も兵庫・京都の山間部は比較的鳥取に近く、かなりの過疎地域になっています。そのような地域への医療支援をしていくことはとても大事なことではないかと思っています。

自由選択プログラムはオリエンテーション1か月、内科5か月、救急科3か月、外科1か月、小児科1か月、産婦人科1か月、精神科1か月、地域医療1か月、一般外来1か月、選択科9か月の合計24か月で行います。鳥取大学医学部付属病院を中心に協力型の研修病院でも研修を行っていきます。

外科専門プログラムはオリエンテーション1か月、外科5か月、必須外科1か月、内科5か月、救急科3か月、地域医療1か月、小児科1か月、産婦人科1か月、精神科1か月、一般外来1か月、選択科1か月、外科3か月の合計24か月で行っていきます。

精神科プログラムはオリエンテーション1か月、内科5か月、救急科3か月、地域医療1か月、小児科1か月、産婦人科1か月、精神科1か月、地域医療1か月、一般外来1か月、選択科1か月、精神科8か月の合計24か月で行っていきます。

小児科プログラムはオリエンテーション1か月、内科5か月、救急科3か月、地域医療1か月、小児科1か月、産婦人科1か月、精神科1か月、地域医療1か月、一般外来1か月、選択科1か月、小児科8か月の合計24か月で行っていきます。

産婦人科プログラムはオリエンテーション1か月、内科5か月、救急科3か月、地域医療1か月、小児科1か月、産婦人科1か月、精神科1か月、地域医療1か月、一般外来1か月、選択科1か月、産婦人科8か月の合計24か月で行っていきます。

救急集中治療はオリエンテーション1か月、内科5か月、救急科3か月、地域医療1か月、小児科1か月、産婦人科1か月、精神科1か月、地域医療1か月、一般外来1か月、選択科1か月、救急科8か月の合計24か月で行っていきます。

山陰たすきがけは自由選択プログラムと内容は近くなります。1年目に鳥取もしくは島根の協力型の病院を中心に、2年目は鳥取大学医学部付属病院で研修を行います。

関西たすきがけも山陰プログラムと同様に自由選択プログラムと近くなります。1年目は関西の協力型の病院を中心に、2年目は鳥取大学医学部付属病院で研修を行います。

出典:鳥取大学医学部付属病院卒後臨床研修センターHP

部活動

鳥取大学医学部の部活動を紹介します。運動部・文化部とも数が多く、サークル活動も盛んな感じを受けます。

体育系は合気道部・駅伝部・弓道部・剣道部・硬式テニス部・ゴルフ部・サイクリング部・サーフィン部・サッカー部・柔道部・準硬式野球部・ソフトテニス部・女子バスケットボール部・女子バレーボール部・水泳部・競技スキー部・漕艇部・卓球部・男子バスケットボール部・男子バレーボール部・ダンス部・バドミントン部・バレーボール同好会・男子フットサル部・ラグビー部・陸上競技部・女子フットサル部・武産合気道部・草野球愛好会・乗馬愛好会などがあります。

文化系はアトリエ自由ノート・カクテル同好会・華道部・筋ジストロフィーボランティア・ギターマンドリン部・軽音楽部・茶道部・室内管弦楽団・写真部・JAZZ愛好会・手話サークル・混声合唱団・大山家族・地域医療研究部・国際保健友の会・パッチアダムスクラブ・若者の性と妊娠を考える会・ぬいぐるみ病院・学生医療ボランティア・サブカルチャー研究会・将棋部・臨床推論研究会などがあります。

出典:鳥取大学医学部医学部HP

連携病院

鳥取大学医学部の主な連携病院を紹介します。

鳥取県立中央病院(鳥取県鳥取市江津)
鳥取県立厚生病院(鳥取県倉吉市東昭和町)
国立病院機構災害医療センター(東京都立川市緑町)
昭和大学藤が丘病院(神奈川県横浜市青葉区藤が丘)
藤沢市民病院(神奈川県藤沢市藤沢)
兵庫県災害医療センター(兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通)

出典:日本救急医学会 救急医を目指す君へ

著名な卒業生

鳥取大学医学部の主な開業医の方を紹介します。

面谷博紀氏(内科・循環器内科医、面谷内科・循環器内科クリニック院長)
西浦清一氏(皮膚科医・にしうら皮膚科院長)
山縣昇氏(整形外科医・山県整形外科医院院長)
渡邊健志氏(泌尿器科医・わたなべクリニック院長)
田中清氏(小児科医・たなか小児科医院院長)

出典:病院検索ホスピタ

笠浪 真

1978年生まれ。京都府出身。藤沢市在住。大学卒業後、大手会計事務所・法律事務所等にて10年勤務。税務・法務・労務の知識とノウハウを習得して、平成23年に独立開業。
現在、総勢52人(令和3年10月1日現在)のスタッフを抱え、クライアント数は法人・個人を含め約300社。
息子が交通事故に遭遇した際に、医師のおかげで一命をとりとめたことをきっかけに、今度は自分が医療業界へ恩返ししたいという思いに至る。

医院開業・医院経営・スタッフ採用・医療法人化・税務調査・事業承継などこれまでの相談件数は2,000件を超える。その豊富な事例とノウハウを問題解決パターンごとに分類し、クライアントに提供するだけでなく、オウンドメディア『開業医の教科書®︎』にて一般にも公開する。

医院の売上を増やすだけでなく、節税、労務などあらゆる経営課題を解決する。全てをワンストップで一任できる安心感から、医師からの紹介が絶えない。病院で息子の命を助けてもらったからこそ「ひとつでも多くの医院を永続的に繁栄させること」を使命とし、開業医の院長の経営参謀として活動している。

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