神戸大学医学部の歴史・カリキュラム・研修制度を紹介!開業医の方もいます
はじめに
神戸大学医学部は卓越した研究医の育成と地域医療の充実に尽力してきました。先端研究と文理融合の研究で輝く卓越研究大学というものを大学のビジョンとして掲げて大学の強みを生かしていきます。
医学部では研究・教育・診療において持続的な競争力を持って高い付加価値を生み出していけるような病院と連携してその強みを見出していきます。先端的な研究とイノベーションの創出を目指していきます。さらにそこを実践していけるような有能な研究医と臨床医の養成に努めていきます。
有能でグローバルな研究医と研究マインドに優れた臨床医を育成していきます。地域医療を充実させるために毎年10名前後の地域医療枠の学生も入学させています。
神戸市をはじめとして兵庫県との地域の連携さらに大学の他の部局との連携と協調さらに国内外の大学・学部・研究機関・企業・各省庁との連携を密にして医学研究科の発展に努めていきます。
出典:神戸大学医学部HP
所在地
神戸大学医学部の所在地は神戸市中央区楠町7丁目5番1号にあります。最寄り駅は大倉山駅。ただ神戸駅からでも徒歩15分程度とアクセスの良さはかなりの魅力といえます。
出典:神戸大学医学部HP
入学金・学費
神戸大学医学部の学費を紹介します。
1年次は入学金は282000円、授業料は535800円で合計が81万7800円
2年次から6年次は授業料が535800円×5年間=267万9000円
合計が81万7800円+267万9000円=349万6800円
基本的に他の国立大学医学部と変わりません。国公立医学部と私立医学部の大きな差は学費という方が多いのではないでしょうか。
出典:医学部受験マニュアルHP
偏差値
67.5
国公立大学医学部の中でも高い方といえます。名古屋大学医学部・岐阜大学医学部・和歌山県立医科大学医学部・大阪市立大学医学部あたりが併願候補になってきそうです。
出典:河合塾医進塾HP
倍率
神戸大学医学部の倍率を紹介します。
19年度:前期2.7倍、センター課す3.6倍、AO入試9.9倍、18年度は同3.0倍、2.1倍、9.7倍。
3倍程度と全体的にやや高めとなっています。当然ながらAO入試の倍率は10倍程度と超激戦です。
出典:旺文社HP
医師国家試験合格率
2020年:全体92.4%(全国53位タイ)新卒95.8%(全国39位タイ)既卒54.5%(全国67位タイ)
2019年:全体90.8%(全国43位)新卒95.5%(全国25位)既卒33.3%(全国70位タイ)
2018年:全体91.4%(全国42位タイ)新卒95.6%(全国33位タイ)既卒57.1%(全国55位タイ)
2017年:全体88.6%(全国48位)新卒94.6%(全国29位)既卒27.3%(全国73位タイ)
2016年:全体89.6%(全国61位)新卒94.2%(全国49位タイ)既卒45.5%(全国64位)
全体で90%から91%、40位後半から50位前半というところです。新卒はまずまず頑張っています。あとは既卒がもう少しかなという気がします。
出典:医学部受験ラボHP
歴史
神戸大学医学部の歴史を紹介します。
明治2年4月:神戸病院が創立、院内に医学伝習所も設置
明治9年:医学伝習所を神戸病院附属医学所に名称を変更
明治10年2月:神戸病院を公立神戸病院に名称を変更
明治15年4月:県立神戸医学校を設置
明治15年12月:公立神戸病院を県立神戸病院に名称を変更
昭和19年4月:県立医学専門学校が設置、県立神戸病院が県立医学専門学校附属医院に名称を変更
昭和21年4月:県立医科大学の設置
昭和27年2月:県立神戸医科大学を設置
昭和27年4月:神戸医科大学の開校式を行う
昭和28年4月:附属科学捜査研究所を附属法医学研究所に名称を変更
昭和32年9月:附属法医学研究所その他を統合して附属研究所に名称を変更
昭和33年3月:県立神戸医科大学大学院医学研究科博士課程を設置
昭和33年12月:大学本館などを竣工
昭和39年4月:神戸大学に医学部を設置、県立神戸医科大学の国立移管を開始する
昭和42年6月:県立神戸医科大学附属病院を国立移管に伴って神戸大学医学部附属病院
昭和43年3月:神戸医科大学及び神戸医科大学大学院を廃止
昭和43年4月:入学定員を100名にする
昭和44年3月:医学部共同研究館を竣工
昭和48年4月:学部学生入学定員が120人・大学院学生入学定員を54人にする
平成元年4月:学部学生入学定員が100人となる。
平成3年4月:医学部及び附属病院の事務部を統合して医学部事務部に名称を変更
平成11年4月:大学院医学研究科を大学院医学系研究科に名称を変更
平成14年4月:大学院医学系研究科バイオメディカルサイエンス専攻に変更
平成16年4月:国立大学法人神戸大学の設立
平成18年1月:大学院医学系研究科医科学専攻にへき地医療学を設置
平成21年4月:医学部医学科の入学定員を100名にする
平成22年4月:医学部医学科の入学定員を103名にする
平成23年4月:医学部医学科の入学定員を105名にする
平成24年4月:医学部医学科の入学定員を108名にする
平成25年4月:医学部医学科の入学定員を110名にする
出典:神戸大学医学部HP
特徴
神戸大学医学部医学科の特徴は全国に先駆けて学部学生の全員を各基礎系の医学講座に配置して研究を体験していく基礎配属実習というものを行っています。医学教育だけでなく医学研究教育にも力を入れてきました。そこから細胞内シグナルの伝達やIPS細胞などの分野で世界をリードしていく医学研究者を輩出しています。
医学科の使命は医学研究教育をよりさらに充実させて国際的に活躍できる医学研究者の育成・高度先進医療の担い手である幅広い視野を持ったクリニシャン・サイエンティストの養成や医師の都市部の偏在を解消できるような地域医療に協力してくれる学生などを求めています。多様な局面に対応するための高度に精練された医師の育成が必要になります。そのための方法として様々な入試制度によってそれぞれの優秀な分野に学生が集まるようにしています。
また卒前教育に卒後の臨床教育を取り入れた有機的な医学教育を提供していくことで優秀な医師そして研究者の育成に力を入れています。
出典:神戸大学医学部HP
カリキュラム
神戸大学医学部のカリキュラムを紹介します。
1年次に基礎教養科目・総合教育科目・外国語・共通専門教育科目・医療倫理などを学びます。また臨床実習などで医療のイメージをつけていきます。
2年次は解剖学・組織学・生化学などの基礎医学を学びます。また医学英語や地域医療さらには実習などにも力を入れていきます。
3年次は2年次の続きと公衆衛生学・法医学などの科目も学びます。また医学英語や地域医療さらには臨床医学なども学びます。あとは研究室配属などを行って研究を短期間ですが経験していきます。3年後期にはチュートリアル教育を行って自らで考える勉強も行っていきます。
4年次は実習を中心に臨床医学だけでなく、総合医学という形で社会医学なども学びます。研究も引き続いて行っていきます。臨床実習の前段階としての共用試験も実施します。
5・6年次は臨床実習を診療参加型の実習として行っていきます。また研究を希望する方は合間で研究にも力を入れていきます。
出典:神戸大学医学部HP
研修制度
神戸大学医学部の卒後臨床研修は一般コース・たすき掛けコース・小児科医コース・産婦人科医育成コースなどがあります。
一般コースは1年目に内科を12週、救急科を8週、外科を8週、小児科・産婦人科・精神科を12週、選択医療を8週の合計48週で行います。2年目に内科を12週、救急科を4週、地域医療を4週、一般外来は4週、選択分野は24週の合計48週で行います。1年目・2年目とも神戸大学医学部付属病院を中心に行います。
たすき掛けコースは1年目に内科24週、救急科12週、必須科と選択科で12週の合計48週で行います。2年目は必須分野と選択分野で40週、救急科4週、地域医療の4週の合計48週で行います。1年目は協力型病院・2年目は神戸大学医学部付属病院で行います。
小児科医コースは1年目に内科24週、救急科12週、産婦人科と小児科で12週の合計48週で行います。2年目は産婦人科と小児科で12週、必須分野と小児外科で8週、必須分野精神で4週、地域医療4週、選択科目小児科で20週で合計48週で行います。1年目は神戸大学医学部付属病院もしくは協力型病院、2年目は神戸大学医学部付属病院で行います。
産婦人科医育成コース1年目に内科24週、救急科12週、産婦人科12週の合計48週で行います。2年目は産婦人科4週、地域医療4週、必須分野外科・精神科8週、必須分野小児科8週、必須分野麻酔科8週、選択科目産婦人科16週で合計48週で行います。1年目は神戸大学医学部付属病院もしくは協力型病院、2年目は神戸大学医学部付属病院で行います。
出典:神戸大学医学部HP
部活動
神戸大学医学部の部活動を紹介します。運動系を中心に文化系もそれなりにあります。忙しい勉強の合間でサークル活動を頑張る学生も少なくありません。
運動系はラグビー部・野球部・サッカー部・硬式テニス部・ソフトテニス部・バドミントン部・卓球部・ヨット部・空手部・水泳部・柔道部・剣道部・男子バスケットボール部・男子バレーボール部・女子バスケットボール部・女子バレーボール部・スキー部・ワンダーフォーゲル部・ウインドサーフィン部・ゴルフ部・合気道部・ハンドボール部・フットサル部などがあります。
文化系は写真部・軽音楽部・クラシック音楽愛好会・美術部・東洋医学研究会・医学英語研究会・システム医学研究会・神戸大学医学部新入生歓迎会・小児ボランティア・同好会などがあります。
出典:神戸大学医学部HP
連携病院
神戸大学医学部の連携病院を紹介します。
神戸百年記念病院(兵庫県神戸市兵庫区御崎町)
六甲アイランド病院(兵庫県神戸市東灘区向洋町中)
市立加西病院(兵庫県加西市北条町横尾)
西神戸医療センター(兵庫県神戸市西区糀台)
神戸赤十字病院(兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通)
兵庫県立がんセンター(兵庫県明石市北王子町)
加古川中央市民病院(兵庫県加古川市加古川町本町)
財団法人甲南病院(兵庫県神戸市東灘区鴨子ヶ原)
製鉄記念広畑病院(兵庫県姫路市広畑区夢前町)
神戸労災病院(兵庫県神戸市中央区籠池通)
兵庫県立淡路病院(兵庫県洲本市塩屋)
三田市民病院(兵庫県三田市けやき台)
神鋼病院(兵庫県神戸市中央区脇浜町)
姫路循環器病センター(兵庫県姫路市西庄甲)
高砂市民病院(兵庫県高砂市荒井町紙町)
尼崎病院(兵庫県尼崎市東大物町)
西脇市立西脇病院(兵庫県西脇市下戸田)
加古川医療センター(兵庫県加古川市神野町神野)
国立病院機構兵庫中央病院(兵庫県三田市大原)
千船病院(大阪府大阪市西淀川区福町)
出典:神戸大学医学研究科内科学講座HP
著名な卒業生
神戸大学医学部の主な開業医の方を紹介します。
村中重信氏(心臓外科医・村中クリニック院長)
幸地芳朗氏(精神科医・幸地クリニック院長)
林部一人氏(皮膚科医・形成外科医・はやしべ皮フ科院長)
藤田杏子氏(小児科医・ふじた小児科院長)
出典:病院検索ホスピタ
監修者
笠浪 真
税理士法人テラス 代表税理士
税理士・行政書士
MBA | 慶應義塾大学大学院 医療マネジメント専攻 修士号
1978年生まれ。京都府出身。藤沢市在住。大学卒業後、大手会計事務所・法律事務所等にて10年勤務。税務・法務・労務の知識とノウハウを習得して、平成23年に独立開業。
現在、総勢52人(令和3年10月1日現在)のスタッフを抱え、クライアント数は法人・個人を含め約300社。
息子が交通事故に遭遇した際に、医師のおかげで一命をとりとめたことをきっかけに、今度は自分が医療業界へ恩返ししたいという思いに至る。
医院開業・医院経営・スタッフ採用・医療法人化・税務調査・事業承継などこれまでの相談件数は2,000件を超える。その豊富な事例とノウハウを問題解決パターンごとに分類し、クライアントに提供するだけでなく、オウンドメディア『開業医の教科書®︎』にて一般にも公開する。
医院の売上を増やすだけでなく、節税、労務などあらゆる経営課題を解決する。全てをワンストップで一任できる安心感から、医師からの紹介が絶えない。病院で息子の命を助けてもらったからこそ「ひとつでも多くの医院を永続的に繁栄させること」を使命とし、開業医の院長の経営参謀として活動している。