新潟大学医学部の歴史・特徴・カリキュラムなどを紹介!開業医の方も多くいます

公開日:2021年1月5日
更新日:2024年3月18日

はじめに

新潟大学医学部医学科は学部や大学院の組織の整備・優れた人材の確保・国際基準に沿った医学教育の認証評価や新カリキュラムの整備・国際交流事業の強化などの医学科の改革も積極的に進めてきました。ただこのような対策が追い付かないほど国内の大学を取り巻く環境が激変しています。

この大学の置かれる難局を新たな展開にしていくチャンスだと考えています。社会から求められる医学部の新しい姿を探していきます。医学部の持つポテンシャルを医療水準の向上や新潟からのイノベーションにつなげていきます。科学研究費などの研究助成金だけでなく、広く社会全体からの財政支援を積極的に得ていくことも必要であると考えています。次世代に医学科を発展させていくために多くの課題と日々向き合っています。そこからその目標の達成とさらなる改善を心掛けています。

出典:新潟大学医学部HP

住所

新潟大学医学部の所在地は新潟県新潟市中央区旭町通1番町757にあります。新潟駅・市街から3キロほど日本海の方に進みますので車で5・6分というところでしょうか。マリンピア日本海水族館から比較的近いです。また県内随一の進学校である新潟高校や新潟大学付属新潟小学校などの教育機関も近くにあります。

出典:新潟大学医学部HP

入学金・学費

新潟大学医学部の学費を紹介します。

1年次は入学金は282000円、授業料は535800円で合計が81万7800円

2年次から6年次は授業料が535800円×5年間=267万9000円

合計が81万7800円+267万9000円=349万6800円

全学費を合わせても6年間で350万円程度で私立大学医学部の1割程度ととても割安です。他の国立大学医学部と学費は変わりません。4年間が6年間になるだけで一般の4年制大学の学費に2年分の授業料107万円程度が加わるだけです。学費が安くてもしっかりと勉強すること大事です。

出典:医学部受験マニュアル

偏差値

65.0

国立医学部の中でも標準的か少し高めかなという感じがします。筑波大学医学部群馬大学医学部
信州大学医学部あたりが併願候補といえそうです。

出典:河合塾医進塾HP

倍率

新潟大学医学部医学科の2019年度の入試倍率:前期4.2倍、センター試験含む3.4倍とそれなりに高くなっています。また2018年度は同5.8倍・3.6倍とさらに高くなっていました。

出典:旺文社HP

医師国家試験合格率

2020年:全体92.5%(全国52位)新卒95.6%(全国45位タイ)既卒54.5%(全国67位タイ)
2019年:全体90.5%(全国46位)新卒96.4%(全国16位)既卒50.0%(全国54位タイ)
2018年:全体89.5%(全国57位)新卒94.5%(全国46位)既卒50.0%(全国68位タイ)
2017年:全体86.3%(全国60位)新卒91.3%(全国53位)既卒22.2%(全国75位タイ)
2016年:全体93.0%(全国32位)新卒94.5%(全国45位タイ)既卒78.6%(全国16位)

全体で91%前後・ほぼ中位という感じです。

出典:医学部受験ラボHP

歴史

新潟大学医学部の歴史を紹介します。

1870年:仮病院の新潟共立病院の開院

1873年:新潟病院の開院

1876年:新潟県立病院医学所と名称を変更

1910年:官立新潟医学専門学校の開設

1912年:入学試験を経て70名の生徒が入学

1914年:第1回の卒業式を行う

1915年:野口英世氏が学内で講演

1922年:官立新潟専門学校が官立新潟医学大学に昇格

1926年:大学となって初の卒業生を輩出

1939年:新潟医学大学臨時付属医学専門部が併設

1944年:付属医学専門学校と名称を変更

1949年:国立大学設置法で新潟大学医学部が設置される

1954年:新潟医科大学としての最後の卒業式を行う

1955年:新潟大学医学部の第1回の卒業式を行う

1957年:新潟大学医学部脳外科研究室が設置

1960年:新潟大学医学部創立50周年

1964年:新潟地震で施設の一部が損壊

1974年:医学部研究棟が完成

1975年:医学部基礎校舎・臨床研究棟が完成

1985年:新潟大学医学部創立75周年

1992年:日ロ医学交流を進める

2004年:国立大学法人新潟大学に名称を変更、新潟県中越沖地震での被災者支援を行う

2010年:新潟大学医学部創立100周年

2012年:外来の診療棟が完成

出典:新潟大学医学部HP

特徴

新潟大学医学部は世界的にも卓越した医学研究を推進しています。その結果を先端医療に応用して最終的には地域住民を含む国民の健康や福祉の向上を図っていくことを目的にしています。

また教育の内容のポイントは以下の通りになっています。

全学年において自らが考えて学ぶチュートリアル教育を採用しています。
臨床実習の前に診察に必要な知識・態度・技能を身に着ける臨床実習入門を行います。
先端の医学研究を体験する医学研究実習を行います。
医学研究もしくは病院実習での短期海外留学を行います。
地域医療を体験していく地域医療実習を行います。
指導医のもとで医療チームの中に入って医療を学んでいく診療参加型の臨床実習のクリニカルクラークシップを行います。

出典:新潟大学医学部HP

カリキュラム

新潟大学医学部医学科のカリキュラムは一般教養・基礎医学・社会医学・臨床医学についてのバランスの取れた教育としっかりとした積み重ねの教育を目指します。記憶主体の受け身の学習ではなく、学生の方が明確な指針を持って問題を解決して発見する能力を伸ばすことが出来るような能動学習を多く取り入れていきます。これらの教育を通して医師に必要なコミュニケーションを目指していきます。

1年生では外国語・自然学校・人文科学・社会科学・早期体験臨床実習・医学入門・医学論文などを学んでいきます。

2年生では基礎医学・臨床総合医学・多職種連携教育・プロフェッショナリズム教育・行動科学・基礎医学講義・基礎医学実習・社会医学講義・社会医学実習などを学んでいきます。

3年生では臓器別統合コース講義・統合臨床医学コース講義・基礎医学講義・基礎医学実習・社会医学講義・社会医学実習・医学研究実習などを学んでいきます。

4年生では臨床実習入門・共用試験・臨床実習Ⅰを行っていきます。

5年生では症候学・臨床実習Ⅰ・臨床実習Ⅱを行っていきます。

6年生では臨床実習Ⅱ・臨床集中講義・卒業試験・医師国家試験を行っていきます。

出典:新潟大学医学部HP

研修制度

新潟大学医学部の研修制度は研修医として基本的な価値観を自らのものとしていきます。基本的な診療業務ができる能力レベルの資質や能力を修得していきます。

研修プログラムの内容は自己設定研修プログラム・産婦人科重点研修プログラム・小児科重点研修プログラム・専門重点研修プログラムがあります。新潟の豊かな自然環境と温かい人間関係の下で医師として必要な基本姿勢や態度を身に着けること・日常生活で頻繁に遭遇する疾病や病態に対応できること・将来のキャリア形成につなげることのできる基本的な診察能力や態度を身に着けていけるようにしていきます。

自己設定研修プログラムは内科24週・救急12週・外科4週・精神科4週・小児科4週・産婦人科4週・地域医療12週・選択研修32週で行います。

産婦人科重点研修プログラムは産婦人科12週・内科24週・救急12週・外科4週・精神科4週・小児科4週・地域医療12週・選択研修12週で行います。

小児科重点研修プログラムは小児科12週・内科24週・救急12週・外科4週・精神科4週・産婦人科4週・地域医療12週・選択研修12週・小児科12週で行います。

専門重点研修プログラムは内科24週・救急12週・外科4週・精神科4週・小児科4週・産婦人科4週・地域医療12週・専門科研修32週で行います。

出典:新潟大学医学部HP

部活動

新潟大学医学部の部活動を紹介します。運動部と文化部があります。100名を超える文化部・100名近い運動部など大人数のサークルもあります。実験や実習などで授業だけでも厳しい環境なのに、勉強と部活動の両立を目指している学生は本当に素晴らしいと感心します。

運動部は陸上競技部・バドミントン部・準硬式野球部・男子バスケットボール部・女子バスケットボール部・柔道部・空手道部・剣道部・弓道部・卓球部・ラグビー部・スキー部・サッカー部・水泳部・硬式テニス部・ワンダーフォーゲル部・軟式野球部・相撲同好会などがあります。

文化部はオーケストラ部・合唱部・医学英語研究会・美術部・軽音楽部・写真部・俳句部・コンピューター部・魂舞・医歯学祭実行委員会などがあります。

出典:新潟大学医学部HP

連携病院

新潟大学医学部の連携病院を紹介します。

新潟市民病院循環器・脳卒中・救命救急センター(新潟市中央区鐘木)

長岡赤十字病院(新潟県長岡市千秋)

新潟県立中央病院(新潟県上越市新南町)

新潟県立新発田病院(新潟県新発田市本町)

新潟大学地域医療教育センター魚沼基幹病院(新潟県南魚沼市浦佐)

新潟県厚生農業協同組合連合会・上越総合病院(新潟県上越市大道福田)

東京医科大学附属病院(東京都新宿区西新宿)

横浜市立大学附属市民総合医療センター(神奈川県横浜市南区浦舟町)

出典:日本救急医学会・救急医を目指す君へ

著名な卒業生

新潟大学医学部の主な卒業生を紹介します。

弘岡順子氏(小児科医・ヒロオカクリニック副院長・聖路加国際病院や東京慈恵会医科大学病院という東京の超有名病院の小児科で副医長なども務める)
阿部康裕氏(整形外科医・あべ整形外科クリニック院長)
田中舘基親氏(内科医・呼吸器内科医・虎の門病院分院院長)
早川祐貴氏(眼科医・はやかわ眼科クリニック院長)
山田修久氏(脳神経外科医・山田菊地医院院長)

出典:病院検索ホスピタ

笠浪 真

1978年生まれ。京都府出身。藤沢市在住。大学卒業後、大手会計事務所・法律事務所等にて10年勤務。税務・法務・労務の知識とノウハウを習得して、平成23年に独立開業。
現在、総勢52人(令和3年10月1日現在)のスタッフを抱え、クライアント数は法人・個人を含め約300社。
息子が交通事故に遭遇した際に、医師のおかげで一命をとりとめたことをきっかけに、今度は自分が医療業界へ恩返ししたいという思いに至る。

医院開業・医院経営・スタッフ採用・医療法人化・税務調査・事業承継などこれまでの相談件数は2,000件を超える。その豊富な事例とノウハウを問題解決パターンごとに分類し、クライアントに提供するだけでなく、オウンドメディア『開業医の教科書®︎』にて一般にも公開する。

医院の売上を増やすだけでなく、節税、労務などあらゆる経営課題を解決する。全てをワンストップで一任できる安心感から、医師からの紹介が絶えない。病院で息子の命を助けてもらったからこそ「ひとつでも多くの医院を永続的に繁栄させること」を使命とし、開業医の院長の経営参謀として活動している。

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