横浜市立大学医学部の歴史・特徴とカリキュラム、著名な卒業生

公開日:2020年10月30日
更新日:2024年3月18日

はじめに

横浜市立大学医学部は地域社会や国内外で活躍できる医療を担うことのできる人材の育成と創造的な研究によって社会の発展と人類の福祉に寄与していくことを目的とします。

最新の医療技術を臨床の現場に導入して全人的な医療を実践できる人材の育成、医学や医療の分野において指導的な医師や研究者を育成、基礎科学から先端医療までの幅広い分野で活躍をしていくための基本となる医学や医療倫理などの知識の習得のできる方を養成していきます。

新しい時代の医学や医療を目指したい方の入学を歓迎しています。

横浜市立大学医学部には、二つの付属病院もあるため、そのまま附属病院に就職する人が多いです。

出典:横浜市立大学医学部HP

住所

横浜市立大学医学部の本社所在地は横浜市金沢区福浦3-9にあります。2年次から6年次までを学ぶ福浦キャンパスが中心となります。1年次は教養科目を中心に学びますので他の学生同様に金沢八景キャンパスで学びます。

出典:横浜市立大学医学部HP

入学金・学費

入学金

282,000円

1年次学費総額

855,000円

6年間学費総額

3,720,000円

公立大学は国立大学よりも授業料がわずかだけ高くなります。ただ、それでも6年間で370万円程度なので私大医学部の10分の1程度と格段に安いです。

出典:医学部受験マニュアル

偏差値

67.5

国公立大学の中でも中の上クラスにはなります。ただ国公立大学の医学部で容易に合格できるところはありません。横浜市立大学医学部だと東大京大の理クラスの学力がないと、合格はおぼつかないものと思われます。偏差値は比較する対象がまちまちなので参考程度にとらえておくと良いでしょう。

出典:河合塾医進塾HP

倍率

2019年度医学部の一般入試試験の倍率は2倍程度。2019年度入試は全入試が2.1倍、一般入試が2.2倍程度。推薦・AO入試は2倍を少し切ります。

出典:旺文社HP

医師国家試験合格率

2020年:全体96.9%(全国12位タイ)新卒96.9%(全国27位タイ)既卒100.0%(全国1位タイ)
2019年:全体97.7%(全国3位)新卒97.6%(全国7位)既卒100.0%(全国1位タイ)
2018年:全体97.7%(全国2位)新卒97.6%(全国9位タイ)既卒100.0%(全国1位タイ)
2017年:全体96.6%(全国4位)新卒9.7%(全国4位)既卒50.0%(全国45位)※既卒が2名中1名だったため
2016年:全体97.8%(全国25位タイ)新卒98.9%(全国9位タイ)既卒66.7%(全国33位タイ)※既卒が3名中2名だったため

合格率が97%以上ある年が大半で全国でもトップクラス。自治医科大学医学部に次ぐレベルの合格率の高さです。毎年2名程度しか落ちません。

出典:医学部受験ラボHP

歴史

横浜市立大学医学部の歴史を紹介します。

1944年2月:横浜市立医学専門学校の設立を許可

1947年6月:大学令による横浜医科大学及び同予科の開設の認可

1947年7月:横浜医科大学及び横浜医科大学予科の設立を許可

1948年6月:横浜医科大学を中心に横浜医学会を設置

1949年4月:横浜医科大学付属病院と名称を変更して設立

1952年4月:現在の横浜市立大学医学部を開校。定員は40名。

1954年4月:付属病院を横浜市立大学医学部病院と名称を変更

1966年4月:定員を40名から60名に増員

1967年6月:横浜市大医学会を新たに設立

1976年4月:横浜市立医学会が新組織で再出発

1984年6月:医学部創立40周年の式典

1987年12月:金沢区福浦に医学部校舎を移転。カリフォルニア大学サンジェゴ校(UCSD)と姉妹校。

1991年8月:金沢区福浦に医学部附属病院を設立

1998年4月:大学院医学研究科を開設

2005年4月:公立大学法人横浜市立大学医学部と名称を変更

2006年4月:先端医科学研究センター開設

2014年5月:医学部創立70周年の式典と祝賀

2015年4月:次世代臨床研究センターを設立

2016年6月:「医学部発祥之地記念碑」を建立

出典:横浜市立大学医学部HP

特徴

横浜市立大学医学部では医学研究科や附属病院と連携して医学教育を行っていきます。また医学などの課題に対しての研究を積極的に行うことそしてそれを臨床の現場に取り入れていくことを行っていきます。患者さんに寄り添えるような医療人の育成を目指していきます。

具体的には地域医療を担える医師・医学や生命科学そして医療の分野をになうことのできる臨床医・医学研究者・医学教育者・医療行政官などの医学や医療の分野における指導的な立場にある医師や研究者を養成していきます。

医学部の附属病院は横浜市内で唯一の特定機能病院となっています。安全で安心の医療そして高度で先進的な医療に取り組んでいきます。また臨床医学研究を積極的に行っていくことで将来の医療を支えていく医療関係者の育成にも力を入れています。

横浜市立大学医学部の大きな魅力は国家試験合格率と就職率の高さにあるといえます。入学後に安心して勉強ができる。全力で勉強すれば医師になるための道が開けるということです。

就職に関しては、横浜市立大学医学部には付属病院が二つもあるため、附属病院にそのまま就職する人が多い。附属病院に勤めた場合の奨学金なども充実しています。

出典:横浜市立大学医学部HP

カリキュラム

横浜市立大学医学部のカリキュラムは1年次に金沢八景のキャンパスで教養科目及び医学基礎の教育科目と2年次以降の福浦キャンパスの医学科の専門教育科目のカリキュラムを学んでいきます。

4年次までに必須科目・基礎医学・社会医学・臨床医学などの講義や実習を行います。その上で共用試験(学科・技能及び態度)を通らなければ5年次以降の臨床実習に進むことはできません。

事実上の進級試験になります。横浜市立大学医学部は高い医師国家試験合格率を上げているのも上記のような教育がしっかりと出来ているからであると思われます。

1年次

教養科目や医学基礎科目を主に学びます。

2年次

基礎医学・基礎医学実習・医学概論などを学びます。

3年次

基礎医学・社会医学・臨床医学・医学概論などを学びます。

4年次

基礎医学・社会医学・臨床医学の続きと診療入門・臨床実習の基礎・共用試験などを学びます。

5年次

臨床実習を行います。

6年次

臨床実習の続きと総括学習・卒業試験・医師国家試験などを行います。

出典:横浜市立大学医学部HP

研修制度

横浜市立大学医学部の初期研修制度は基礎臨床研修のプログラムと産科小児科プログラムに大きく分かれます。基礎臨床研修プログラムは2年次にいくつかのコースに分かれます。その後担当する科に分かれて専門的な後期研修を行う流れになっています。研修カリキュラム自体は他の大学と大きな差はなさそうです。

基礎臨床研修プログラムは1年次に内科24週、救急科12週、外科4週、小児科4週、産婦人科4週、精神科4週、一般外来などを附属病院・協力病院・センター病院などで学びます。2年次は選択した科を中心に地域医療なども附属病院・協力病院・センター病院などで学びます。

産婦人科研修プログラムは1年次に内科系を24週、救急部門を12週、外科・小児科・産婦人科・精神科を4週ずつ。2年次は選択科を40週前後、残りの10週前後で地域医療を行います。産婦人科・小児科は内科も含めた総合的な診療ができる必要がありますので地域では貴重な人材になりますね。

出典:横浜市立大学医学部HP

部活動

横浜市立大学医学部の部活動を紹介します。医学部運動部所属団体と医学部文化部所属団体に分かれます。医学部は他の学部よりもさらに勉強や実習が大変なので部活動を中心にした学生生活は難しいです。

ただ、その中でも体を動かす・趣味や好きなことを研究する時間も大切で必要な時間といえます。優秀な学生はそこを上手に行っています。

運動部は、男子硬式テニス部・女子硬式テニス部・硬式野球部・ゴルフ部・サッカー部・柔道部・少林寺拳法部・水泳部・ソフトテニス部・卓球部・ダンス部・バスケットボール部・バドミントン部・バレーボール部・フットサル部・ヨット部・ラグビー部・スキー部などがあります。

文化部は機械情報医学研究会・循環器技術研究会・音楽部・茶道部・写真部・手話サークル・医学部学生赤十字奉仕団・ちちんぷいぷい・DJサークル・東洋医学研究会・軽音楽部・福浦管弦楽団・分子医学研究会・美術愛好会・アカペラ・ピアノサークル・外科手技研究会・解剖現場・医学部YDC・いのちの授業グループなどがあります。

出典:横浜市立大学医学部HP

連携病院

横浜市立大学医学部の連携病院を紹介します。附属病院・協力病院が主になって診療を行います。ただ専門分野によっては他の医療機関の方が強い場合もあります。そのような時のために横浜市・神奈川県を中心に連携病院・協力病院のネットワークを有しています。

医療法人佐藤病院(横浜市南区南太田)
医療法人社団善仁会横浜第一病院(横浜市西区高島)
独立行政法人地域医療機能推進機構横浜中央病院(横浜市中区山下町)
医療法人裕徳会港南台病院(横浜市港南区港南台)
聖隷横浜病院(横浜市保土ヶ谷区岩井町)
医療法人光陽会磯子中央病院(横浜市磯子区磯子)
横浜南共済病院(横浜市金沢区六浦東)
独立行政法人国立横浜医療センター(横浜市戸塚区原宿)
医療法人社団元気会横浜病院(横浜市緑区寺山町)
医療法人光陽会横浜いずみ台病院(横浜市泉区和泉町)
藤沢市民病院(藤沢市藤沢)
平塚共済病院(平塚市追分)
社団法人財団互恵会大船中央病院(神奈川県鎌倉市大船)
横須賀共済病院(横須賀市米が浜通)
大和市立病院(大和市深見西)
小田原市立病院(小田原市久野)
神奈川県立足柄上病院(足柄上郡松田町松田惣領)
一般社団法人巨樹の会蒲田リハビリテーション病院(東京都大田区大森西)

出典:横浜市大付属市民総合医療センターHP、横浜市立発生成育小児医療学教室HP

著名な卒業生

横浜市立大学医学部の主な卒業生を紹介します。

天野直二氏(精神科医・岡谷市民病院院長)
大野京子氏(眼科医・市立島田市民医院元内科医長)
丁宗鐵氏(漢方医・百済診療所院長・東京女子医科大学特任教授)
須田年生氏(血液内科医・日本血液学会理事)
中内啓光氏(再生医療が専門・東京大学医科学研究所幹細胞治療研究センター長)

出典:WIKI

笠浪 真

1978年生まれ。京都府出身。藤沢市在住。大学卒業後、大手会計事務所・法律事務所等にて10年勤務。税務・法務・労務の知識とノウハウを習得して、平成23年に独立開業。
現在、総勢52人(令和3年10月1日現在)のスタッフを抱え、クライアント数は法人・個人を含め約300社。
息子が交通事故に遭遇した際に、医師のおかげで一命をとりとめたことをきっかけに、今度は自分が医療業界へ恩返ししたいという思いに至る。

医院開業・医院経営・スタッフ採用・医療法人化・税務調査・事業承継などこれまでの相談件数は2,000件を超える。その豊富な事例とノウハウを問題解決パターンごとに分類し、クライアントに提供するだけでなく、オウンドメディア『開業医の教科書®︎』にて一般にも公開する。

医院の売上を増やすだけでなく、節税、労務などあらゆる経営課題を解決する。全てをワンストップで一任できる安心感から、医師からの紹介が絶えない。病院で息子の命を助けてもらったからこそ「ひとつでも多くの医院を永続的に繁栄させること」を使命とし、開業医の院長の経営参謀として活動している。

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