【理想高き開業医の自己破産】いったい何を間違えたのか?
【理想高き開業医の自己破産】いったい何を間違えたのか?
「自分が理想とする医療を通じて地域に貢献し、自分と家族も物心両面で豊かになる」
「子供が継ぎたいと思えるような地域1番の医院にしよう」
大きな理想を描いて意気揚々と内科の医院を開業したA先生が、自己破産したという噂を聞きました。
A先生はすべての連絡手段をシャットダウンしているらしく、誰も連絡が取れません。
2年前に開業したばかりの医院はすでに閉院しており、自宅は差し押さえられたのか、誰も住んでいない様子。
自己破産したという噂はどうやら間違いないようです。
しかし、なぜ理想が高かったA先生が、わずか開業2年で自己破産してしまったのか?
調べてみると、開業時にいくつか致命的な間違いをしていたようです。
無料の開業コンサルタントに依頼するが……
以前は大学病院に勤務していたA先生ですが、その頃から「今のうちに経験を積んで、いずれ開業したい」と考えていました。
病院の方針に基本的に従う勤務医より、開業医の方が自分の理想とする医療を追求できる。
患者さん一人ひとりと向き合うことができる。
しかも勤務時間もコントロールできて、勤務医時代よりも高収入を得られる。
「開業医ほど素敵な仕事はない!」A先生はそう考えていたのです。
そして先に開業した先輩医師が、勤務医時代より年収が2倍になったという話を聞いて、A先生はついに開業する決断をします。
まずは以前から付き合いのある医療機器メーカーから、無料でコンサルティングをしてくれる人を紹介してもらいました。
コンサルタントから、以前から開業したいと思っていた場所の近くの物件を紹介してもらい、スムーズに開業準備が続きます。
ひとつだけ気になったのは開業資金です。コンサルタントは紹介先の医療機器メーカーの高額機器を勧めてきます。
「グレードの高い医療機器を揃えたほうが、自分の目指す治療ができるかな」
A先生は特に深く考えることなく医療機器を購入することにしました。
その結果、開業資金はなんと1億円を超えてしまいました。
しかし「開業医は稼げるから大丈夫だろう」と、A先生は躊躇することなく多額のローンを組んでしまいました。
患者が来ない!
いよいよ念願の医院開業です。
A先生は開業後の集患に関しては、かなり楽観的な見方をしていました。しかし、蓋を空けてみれば思うように患者さんが来ません。
A先生は1日30~40人くらい患者さんが来るだろうと思っていました。しかし、多くても1日20人を超えるようなことはありません。
ひどいときは午前中患者さんが誰も来ないということも。
理由はA先生の医院の近くには内科の医院がいくつもあったことです。
患者さんは新たな医院ができたとしても、よほど現状通っている医院に不満がなければ通院先を変えようとしません。
A先生は近くに内科の医院が多いことは薄々気付いていましたが、まさかここまで集患に影響するとは思ってもみませんでした。
借入金の返済と人件費の支払いがキャッシュフローを圧迫し、A先生は将来の生活費として貯めていた普通預金を切り崩す羽目に。
慌ててA先生は広告費をかけてインターネット広告に力を入れますが、それでも目に見えた効果はありません。
スタッフが次々と辞めていく
次第にA先生は焦り、イライラを募らせていきます。そして、事あるごとに看護師やスタッフに当たり散らします。
「せめて給料分の仕事してくれ!」
「どうしてそんなこともできないんだ!」
しかも診療時間中、患者さんの目の前で怒鳴り散らすものですから患者さんがどんどん離れていきました。
もちろん看護師やスタッフのストレスもピークに達し、気付いたらオープニングスタッフは全員退職していました。
慌てて新たなスタッフさんを採用しようとしても、売り手市場の医療業界ではなかなか人が集まりません。しかもA先生の医院は求人系の口コミサイトの評価が著しく低く、警戒されていたのです。
「おれはこんなことをするために開業したのではない。ただ、自分のやりたい医療で地域に貢献したかっただけなのに」
結局Aさんはこれ以上どうしようもなくなり医院は閉院。資金がショートして自己破産に追い込まれてしまいました。
無料で開業支援するコンサルタントの儲けのカラクリとは?
A先生が自己破産に陥った理由は様々ありますが、一番は無料で開業支援するコンサルタントに任せきりになってしまったことです。
無料でコンサルタントをするのは何か理由があるためで、しかも開業準備する先生にとっては大きなリスクになります。
A先生はそれを知らず、結果的に多額の開業資金をかけることになり、キャッシュフローを大幅に圧迫させることになったのです。
また、A先生の失敗した理由はそれだけではありません。医院開業を成功させるためには3つの重要なポイントがありますが、A先生はすべてが甘かったのです。
逆に3つの条件をすべてクリアしたクリニックは開業後2~3年で黒字に転じ、順調な成長を遂げました。
私は300件以上の医院をサポートさせていただきましたが、この原則に従って失敗したクリニックは見たことがありません。
そこで、クリニック経営の成功の秘訣を詳細にお伝えする「繁盛医院開業セミナー」を開催することにしました。
病院の方針に基本的に従う勤務医より、開業医の方が自分の理想とする医療を追求できる。
患者さん一人ひとりと向き合うことができる。
しかも勤務時間もコントロールできて、勤務医時代よりも高収入を得られる。
私が今回お伝えする内容を実践した開業医の先生は、かつてAさんが最初に抱いていた理想のクリニック経営を実現しています。
日程は11/3(日)、11/10(日)にて行いますので、ご都合の良い日時にお越しください。
参加費は無料です。ご夫婦でご参加することも可能で、奥様も参加することが可能です。
会場の都合上、限定10組20名さまとしていますので、理想の医療実現のために開業を検討されている先生はお早めにお申し込みください。
*11/3(日)はご好評により満席となりました。
監修者
笠浪 真
税理士法人テラス 代表税理士
税理士・行政書士
MBA | 慶應義塾大学大学院 医療マネジメント専攻 修士号
1978年生まれ。京都府出身。藤沢市在住。大学卒業後、大手会計事務所・法律事務所等にて10年勤務。税務・法務・労務の知識とノウハウを習得して、平成23年に独立開業。
現在、総勢52人(令和3年10月1日現在)のスタッフを抱え、クライアント数は法人・個人を含め約300社。
息子が交通事故に遭遇した際に、医師のおかげで一命をとりとめたことをきっかけに、今度は自分が医療業界へ恩返ししたいという思いに至る。
医院開業・医院経営・スタッフ採用・医療法人化・税務調査・事業承継などこれまでの相談件数は2,000件を超える。その豊富な事例とノウハウを問題解決パターンごとに分類し、クライアントに提供するだけでなく、オウンドメディア『開業医の教科書®︎』にて一般にも公開する。
医院の売上を増やすだけでなく、節税、労務などあらゆる経営課題を解決する。全てをワンストップで一任できる安心感から、医師からの紹介が絶えない。病院で息子の命を助けてもらったからこそ「ひとつでも多くの医院を永続的に繁栄させること」を使命とし、開業医の院長の経営参謀として活動している。