【大学受験の裏技あり】医学部に入るには?勉強法や大学の選び方を詳細解説


少子化で受験生の人口が減っているにもかかわらず、医学部の難易度は依然として高止まり傾向にあります。
一方で、受験科目が少ない大学の医学部を受験したり、地域枠などの制度を利用したりすることで、人によっては有利に受験を進めることも可能です。
そこで、今回は医学部に入るにはどうしたらいいか? 勉強法や学習時間、受験生の大学の選び方についてお伝えします。
医学部の志願者数は高止まりの状態

少子化の影響で、定員割れする大学や学部が増えるなか、医学部の志願者数は依然として高止まりの状態が続いています。
医学部の志願者数は、2000年代は4~5万人程度で推移していましたが、ここ数年は10万人を超えており、2025年度は121,397人です。
文部科学省は10日、医学部医学科を置く全国81大学が実施した今春入学者への入試(2025年度入試)で、女性の受験者数が3年連続増の5万3917人だったと発表した。過去10年で最多。男性は6万7480人だった。
(中略)
全体の受験者数は12万1397人、合格者は1万3879人だった。平均合格率は男性12.3%、女性10.4%。設置者別の合格率は国立が男性32.5%、女性28.9%、公立が男性39.6%、女性30.3%、私立が男性8.3%、女性7.5%だった。
※Yahoo!ニュース「医学部女性受験者が3年連続増加 5万3千人、過去10年で最多より抜粋
「医師が不足している」という報道をよく耳にするようになりましたが、医学部の志願者数が減っているわけではありません。
上記の報道によれば、医学部の平均合格率は男性12.3%、女性は10.4%ですから、依然として他の学部以上に狭き門です。

上図の全国の医学部入学定員の推移を確認すると、医学部の入学定員は、2000年代は7,625人で、2021年は9,357人で、増加率は約22%に留まっています。
しかし、志願者数では、2020年代は2000年代の2倍以上に膨れ上がっているので、一層受験競争が激化しているのです。
医学部の新設も2017年の国際医療福祉大学を最後に行われておらず、全体の医学部定員が増加するに至っていません。
そのため、今後も医学部の競争率は高止まりの状態が続き、難関大学並みの難易度が下がるとは考えにくいでしょう。
医学部に入るには?入試の内容や必要な勉強時間の目安を解説

最適な医学部入学ルートは、受験生によって異なります。
受験生の得意・苦手科目、現時点の学力、国公立志望なのか私立志望なのか、現役なのか浪人生なのかによって勉強方法や時間は大きく変わるためです。
しかし、次のことは最低限把握しておくようにしましょう。
国公立大学と私立大学の入試や学費の違いは?
国公立大学と私立大学では、学費はもちろん、入試の傾向にも大きな違いがあります。
| 国公立大学医学部 | 私立大学医学部 | |
| 6年間の学費の目安 | 約350~400万円 | 約1,850~4,700万円 |
入試科目 | 共通テスト+二次試験(英語・数学・理科2科目等) | 英語・数学・理科2科目等 ※共通テスト利用方式もあり |
| 難易度 | やや高め | 学費が安い大学や伝統校は難易度が高い |
| 入試の傾向 | 共通テストがあるため、苦手科目が命取りになる。全科目バランスよく学習が必要。難関校になると二次試験で英数理に加えて国語も必須なこともある。 | 英語、数学、理科など特定科目に力を入れた学習をする。大学によっては国語も選択できることもある。 |
| 小論文 | 大学による | 多くの大学で採用 |
| 面接 | 対策必須 | 対策必須 |
特に国公立大学医学部の偏差値は非常に高く、多くの大学は東大・京大の理系学部と同等と言われています。
偏差値が最下位レベルの大学でも、早慶や旧帝大の理系学部など、難関大学と同等の学力が求められるでしょう。
私立大学は、国公立大学に比べると難易度の低い医学部もありますが、学費が高い傾向にあります。
一方で、近年は私立大学でも学費が安い大学(国際医療福祉大学や順天堂大学など)もありますが、人気が殺到するので偏差値は高めです。
偏差値だけではない?医学部入試の特殊性は?
医学部入試の特殊な点は、他学部と違って、医学部受験では面接がほぼ必須で、小論文試験のある大学も多いところです。
総合型選抜や共通テスト利用選抜の私立大学はもちろん、一般入試でも小論文と面接を重視する大学は増えています。
小論文や面接の配点は、大学によって様々です。
面接や小論文の結果次第では、学力試験に関わらず不合格(一発アウト)の判定を下す大学も少なくありません。
そのため、英語、数学、理科が満点に近い得点であっても、面接で「医師としての適性がない」と判断されれば不合格になることもあります。
医学部に現役合格するために必要な勉強時間は?
医学部の現役合格者の割合は約30%であり、他学部と比較しても現役合格することは簡単なことではありません。
医学部に現役合格するために必要な勉強時間の目安は、高校3年間で約5,000時間と言われています。
学年ごとの内訳としては、次のような勉強時間が目安と言われています。
| 学年 | 1週間あたりの勉強時間 | 1日あたりの勉強時間 |
| 高1 | 20時間 | 3時間 |
| 高2 | 30時間 | 4~5時間 |
| 高3 | 40時間 | 5~6時間 |
高校3年生になれば、休祝日には1日10~12時間勉強している受験生も珍しくありません。
学力次第ではありますが、特に国公立大学の医学部はバランスよく学習する必要があるので、多くの勉強時間が必要になる傾向があります。
【学年別】医学部に入るための勉強方法
医学部合格は長期戦です。
他の学部であれば高3の部活引退後に猛勉強して追いつくこともあるでしょうが、難関の医学部ではハードルが高いでしょう。
あくまで目安ですが、次のように学年ごとの到達目標を明確にして、日頃からコツコツと勉強することが大切です。
| 高1 | 英語や数学の基礎固め | 英語や数学は序盤でつまずくと、学校の授業にすら付いていけなくなる可能性があるので、苦手意識をなくす。 |
| 高2 | 理科に力を入れる | 物理、化学、生物のうち選択した2科目の学習にも力を入れて、苦手意識をなくす。 |
| 高3 | 実戦演習と志望校対策 | 夏までに基礎・標準問題を解き終え、秋以降は志望校の過去問(赤本)を徹底的に解く。国公立志望なら国語や社会の共通テスト対策も忘れずに。 |
高3になれば、志望校合格に向けて実戦演習を繰り返し、問題のパターンをマスターするようにしましょう。
浪人生の医学部の合格ポイントや1日の勉強時間は?
浪人生は、現役生に比べれば勉強時間を多く取れるなど、受験に有利と思われがちです。
しかし、医学部は他の学部と比較しても受験生の浪人率が高い学部です。
文部科学省の学校基本調査によれば、2023年度の大学入学者に占める現役生の割合は約81.5%で、浪人生は20%弱であることがわかります。
一方、明確な公的データはないものの、医学部合格者の現役生の割合は、毎年30~35%と言われ、65~70%は浪人生です。
医学部の場合、他の学部と比べて浪人生の割合が非常に高く、しかも2浪以上の割合も高いので、決して浪人生=有利とは言い切れません。
浪人生であっても必死に勉強しなければいけないことは変わりなく、1日の勉強時間の目安は12~14時間と言われています。
浪人生は、実戦演習や志望校対策に集中するあまり、基礎を疎かにしがちですが、現役時代の失敗の多くの原因は基礎力不足です。
問題演習が重要なことは言うまでもないですが、時には高1~高2範囲の基礎に立ち返りましょう。
特に4~6月は、苦手科目を中心に基礎固めを徹底することが大切です。
予備校は一般予備校ではなく、医学部専門予備校や大手予備校の医学部コースを選ぶといいでしょう。
医学部専門予備校は面接・小論文対策や大学ごとの出題傾向対策が充実しており、サポートが徹底している分、授業料が高額です(年間300~500万円程度)。
一方、大手予備校の医学部コースは、集団授業中心とはいえ、授業料を抑えて(年間100万円程度)有名講師の指導を受けられます。
自主的な学習ができる浪人生であれば、大手予備校の医学部コースも有力な選択肢となります。
偏差値が足りなくてもチャンスあり?戦略的な医学部選び

医学部受験は高い難易度なので、諦めてしまう受験生も少なくありません。
しかし、真正面から挑むのではなく、戦略的に志望校を選ぶことで、道が開けるかもしれません。
※以下の記事も併せてご覧ください。
受験科目が少ない大学を狙って受験する
【こんな受験生におすすめ】
・苦手科目を避けて受験したい
・得意科目と苦手科目の差が激しい
私立大学のなかには、受験科目が少ない医学部もあります。
| 帝京大学医学部の学科試験 | 必須科目:英語 選択科目:数学、物理、化学、生物、国語から2科目選択 ※二次選考で小論文と面接 |
| 東海大学医学部の学科試験 | 必須科目:英語、数学 選択科目:物理、化学、生物から1科目選択 ※二次選考で小論文と面接 |
上記のように、帝京大学であれば、数学を避けて理科2科目や国語を選択することができます。
数学が苦手で、国語や理科が突出して得意な受験生に向いています。
東海大学医学部は、理科2科目ではなく、1科目だけの選択なので、理科の苦手科目が多い受験生向きです。
定員割れもあり?「地域枠」を利用する
【こんな受験生におすすめ】
・卒業後の選択肢が自分の志望に合っている
・奨学金や修学資金制度を利用したい
地域枠とは、卒業後に都道府県が指定するへき地や病院で一定期間(目安:9年間)勤務することを条件に、一般入試とは別枠で受験できる制度です。
卒業後の進路が長期間拘束されることになるため、一般入試より倍率が低く、合格のボーダーラインが低い傾向にあります。
大学や年度によっては定員割れに近い状況が起きることがあります。
卒業後に後悔しないように慎重な検討が必要ですが、特定の地域で活躍したい受験生なら十分選択の余地があるでしょう。
学力以外の要素も評価される「学校推薦型・総合型選抜」を狙う
【こんな受験生におすすめ】
・学校の評定平均が極めて高い(学校推薦の場合)
・部活動などで全国レベルの顕著な実績がある(学校推薦の場合)
・医学に対する強い情熱をプレゼンできる(総合型選抜の場合)
・小論文や面接が得意(総合型選抜の場合)
学校の成績や課外活動を重視する学校推薦や、小論文や面接を重視する総合型選抜で受験するという手があります。
大学によって細かな違いはありますが、学校推薦型と総合型選抜の主な違いはおおむね次の通りです。
| 学校推薦型 | 総合型選抜(旧AO入試) | |
| 推薦 | 学校推薦 | 自己推薦 |
| 重視される点 | 学校の成績、課外活動 | 医学に対する強い意欲やプレゼン能力など |
| 主な対象 | 現役生 | 現役生~1浪 |
偏差値以外で勝負したい受験生は挑戦してみる価値はありますが、専願前提で合格したら基本的に辞退できない点は注意しましょう。
偏差値50台でも合格を目指せる?東欧などの海外医学部を受験する
| 【こんな受験生におすすめ】 ・将来は海外での医師活動も視野に入れている ・英語力に自信があり、英語での医学習得に意欲がある ・日本の医学部合格は厳しいがどうしても医師になりたい |
近年、医師になる選択肢として注目されつつあるのが、東欧などの海外医学部への進学です。
特にハンガリー、チェコなどの医学部は留学生の受け入れに積極的で、入試の難易度が比較的低く、偏差値50台でも合格を目指せます。
また、学費も6年間で1,500~2,000万円程度なので、日本の私立大学よりは費用を抑えられるというメリットもあります。
しかし、「入るのは簡単だが、出るのは難しい」という特徴があり、留年や退学のリスクがある点は注意しなければいけません。
また、日本の医師国家試験に対するハードルはどうしても高くなります。
ハンガリーやチェコの海外医学部卒業生は、他国より合格率は高いと言われていますが、それでも60~70%程度です(国内の医学部卒業であれば90%以上)。
日本だけでなく、海外でも医師として活躍したい受験生であれば、検討の余地は十分あるでしょう。
詳細は、以下の記事をご覧ください。
【まとめ】医学部に入るために必要なのは偏差値だけではない
医学部入試は、依然として難易度が高い状態が続いています。
医学部に合格できる学力を身に付けるためには、早い時期から計画的な受験対策が必要です。
一方で、偏差値が足りなくても、十分医学部合格を目指せるケースもあります。
・得意科目に絞って受験できる大学がある
・地域枠や学校推薦、総合型選抜を狙う
・海外の医学部に留学する
受験生によって向き不向きがありますが、検討する価値は十分あります。
また、医学部進学には多額の学費や、合格までにかかる教育費が必要です。
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監修者
笠浪 真
税理士法人テラス 代表税理士
税理士・行政書士
MBA | 慶應義塾大学大学院 医療マネジメント専攻 修士号
1978年生まれ。京都府出身。藤沢市在住。大学卒業後、大手会計事務所・法律事務所等にて10年勤務。税務・法務・労務の知識とノウハウを習得して、平成23年に独立開業。
現在、総勢52人(令和3年10月1日現在)のスタッフを抱え、クライアント数は法人・個人を含め約300社。
息子が交通事故に遭遇した際に、医師のおかげで一命をとりとめたことをきっかけに、今度は自分が医療業界へ恩返ししたいという思いに至る。
医院開業・医院経営・スタッフ採用・医療法人化・税務調査・事業承継などこれまでの相談件数は2,000件を超える。その豊富な事例とノウハウを問題解決パターンごとに分類し、クライアントに提供するだけでなく、オウンドメディア『開業医の教科書®︎』にて一般にも公開する。
医院の売上を増やすだけでなく、節税、労務などあらゆる経営課題を解決する。全てをワンストップで一任できる安心感から、医師からの紹介が絶えない。病院で息子の命を助けてもらったからこそ「ひとつでも多くの医院を永続的に繁栄させること」を使命とし、開業医の院長の経営参謀として活動している。


