クリニックの看板の種類や費用は? 集患効果を高める9つのポイントも詳細解説


クリニックの集患対策は、ホームページやネット広告、SNSなどインターネットが主流になりつつありますが、看板も外せません。
地域の患者さんにクリニックを知ってもらい、集患するには看板などのアナログな手段が今でも有効です。
診療科目によっては、看板を大きく表示しない方がいいこともあります(精神科・心療内科のように、来院する患者さんが通院していることを知られたくない場合など)。
しかし、敷地内の看板であれば、設置時に初期費用がかかるだけで、その後は追加費用をかけずに集患できるので結果的に費用対効果が高くなります。
クリニックの看板の種類は様々で、それぞれ費用感の目安も変わってきます。
そこで、今回はクリニックの看板の主な種類や費用、集患効果を高めるためのポイントや注意すべき点をお伝えします。
クリニックの看板の主な種類や費用感

クリニックの看板には様々な種類があり、それぞれ設置する目的や費用感が異なります。
また、クリニックの看板には、自院の敷地内に設置するものと、敷地外の場所に設置するものがあります。
後者の看板には、主に野立て看板、電柱看板、駅看板などがあり、より地域住民に認知してもらいやすくなります。
一方で、敷地内の看板と違ってランニングコストがかかる点には注意しなければいけません。
先生のクリニックの立地条件や診療科目によっても適切な看板は変わるので、参考までにご覧ください。
自立看板(ポールサイン・タワーサイン)
クリニックの敷地内で、道路面に近い箇所にポールを立てた大きな看板が自立看板です。
自動車を運転している人が遠くからでも認識できるので、ロードサイドの戸建て物件などによく見られるタイプの看板です。
遠距離からでも認知させることが目的なので、掲載内容はクリニック名やロゴだけなどシンプルで、詳細な情報は掲載しません。
基礎から立てるなら基本的に工作物許可申請を行う必要があり、費用が数百万円規模になることもあります。
ファサード看板
クリニック入口の上部などに設置される、医院名称やロゴなどを大きく記載した看板がファサード看板です。
クリニックの外観のなかで最も患者さんの目につく看板で、近くを通る人の視界に入りやすくなります。
クリニックの近くまで来た歩行者や自転車に乗っている人、もしくは来院する患者さんを対象とした看板です。
外観に溶け込んだ違和感のないデザインにすることが大切になります。
費用の目安は、安くて45万円程度と考えておくといいでしょう。
ウィンドウサイン
クリニックの窓ガラスに貼り付けるシート状の看板がウィンドウサインです。
ウィンドウサインは、後述する壁面看板と同様に、目の前にいる人さんが見る看板なので、診療科目や時間、予約方法などの詳細を掲載ができます。
さらに、外部からの目隠し(プライバシー保護)や紫外線カットといった一石二鳥の効果もあります。
設置費用はだいたい15万~25万円程度が目安になります。
壁面看板(壁面サイン)
壁面看板は、入口横などの壁面に設置し、診療科目や時間、予約方法などの詳細を掲載する看板です。
目の前を通った人の目に付く看板で、医療広告ガイドラインを遵守しながら詳細を掲載します。
設置費用の目安は安価な場合は15万円程度ですが、看板の面積や高所作業車が必要かどうかによって変わってきます。
袖看板(突き出し看板)
建物脇の壁面などから路面に向けて突き出すように設置するのが袖看板で、突き出し看板とも言われます。
表裏の両面を使って2方向にアピール可能な看板で、クリニック名称だけでなく、入口の位置を矢印などで表記します。
だいたい10手前あたりから視認可能な大きさで作成します。
費用はだいたい20万円以上を考えておくといいでしょう。
スタンド看板
クリニックの入り口付近の地面に置く、移動可能な看板がスタンド看板です。
診療時間など細かい情報はもちろん、最新のイベント情報などを伝えたり、親しみやすさを演出したりすることに向いています。
5,000円~数万円程度で設置できるので、患者さんとの距離を縮めたいクリニックは検討の余地があります。
野立て看板(ロードサイン)

クリニックから離れた目立つ場所に設置して、患者さんをクリニックの場所まで誘導する役割を持つのが野立て看板です。
交通量の多い幹線道路沿いや交差点などに設置することで効果を発揮する看板で、自立看板よりも広くクリニックの存在を周知できます。
比較的大きいサイズですが、移動中の人が見ることを考慮すると、多くの情報を入れることはできません。
ただ、クリニック名と診療科目だけでなく、治療方針や理念、クリニックの特色は簡単に掲載することが理想です。
野立て看板の設置は、屋外広告物条例や景観条例に従う必要があり、設置場所が限定されます。詳細は最寄りの自治体に確認するようにしてください。
看板の制作費・設置費用に加えて、継続的に掲載料がかかる点も注意が必要です。
電柱看板

電柱に取り付ける看板には、袖看板タイプと、電柱に巻き付ける巻看板タイプの2種類があります。
通行人が多い場所に設置することで、広くクリニックの存在を周知できます。
野立て看板と同様、初期費用の他にランニングコストはかかりますが、電柱看板1つあたりのコストは比較的安価です。
道路管理規制や景観条例による規制により、設置できない場所があるので、最寄りの自治体に確認するようにしてください。
駅看板

駅看板は、鉄道各駅の構内の通路や線路脇に掲出される広告です。
比較的掲載料は高額となり、ランニングコストには注意しなければいけません。
さらに以前に比べると、駅構内でスマートフォンを見ながら電車を待つ人が多いので、駅看板は見られにくくなりつつあります。
ただ、都心部の駅を中心に大勢の人にアピールしやすいので、資金に余裕がある場合は、検討の余地があるでしょう。
駅看板や電柱看板については、以下の記事も参考にしてください。
クリニックの看板で集患効果を高める9つの重要ポイント

クリニックの看板で、効果的に集患するための重要ポイントがいくつかあります。
また、医療広告ガイドラインや屋外広告物条例、景観条例を遵守しなければいけない点には注意が必要です。
クリニックの診療科目やコンセプト、外観と統一感のあるデザインにする
特に敷地内の看板については、クリニックの診療科目やコンセプト、外観と統一感のあるデザインにしましょう。
看板のデザインは、思った以上にクリニックが与えたい印象に直結します。
あくまで一般的な目安ですが、次のように診療科目によって求められるイメージは変わってきます。
| 内科 | 清潔感、安心感、信頼感を与えるため、白や青、緑などを基調とした落ち着いたデザインが多い。 |
| 小児科 | 子どもが怖がらないよう、ポップな色使いや親しみやすい動物のキャラクターなど温かみのあるデザインが多い。 |
| 美容外科 | 高級感、洗練された美しさなどが求められ、モノトーンやゴールドをあしらったシックなデザインが多い。 |
| 歯科医院 | 痛くない、清潔といったイメージを持ってもらうため、白を基調とし、笑顔や歯のモチーフを使い、明るい印象を与えるデザインが多い。 |
この点は、クリニックの外観やロゴデザインでも共通することがあるので、併せて検討するようにしましょう。
診療科目や専門領域を大きく表示する
患者さんは「自分の症状を診てくれる病院」を探しているので、クリニック名だけでなく、診療科目や専門領域も大きく表示しましょう。
「何科なのか」「どんな疾患を診てくれるのか」が一目でわかるように、視認性の高いフォントを使用することがポイントです。
人が見る距離によって看板の内容を変える
看板などのオフラインの広告は、スペースに制約があるのですべての情報を詰め込むのは逆効果になります。
かなり看板で掲載する情報を絞らないといけません。
クリニックの看板の場合は、患者さんが「どこから看板を見るか」によって、伝えるべき情報は異なります。
次のように、距離に応じた役割分担を考えて看板を設置しましょう。
| 距離 | 看板例 | 目的・役割 | 詳細 |
| 遠距離(30m~) | 自立看板、野立て看板 | クリニックの存在に気付かせる | 情報を極力絞る。診療科目やロゴを強調し、患者さんに一瞬で認識してもらう。 |
| 中距離(10~20m) | ファサード看板 | クリニックの特徴を伝える | 診療科目、専門領域、駐車場案内、診療日などの情報を簡潔に記載する。 |
| 近距離(~数m) | ウィンドウサイン、壁面看板、スタンド看板、電柱看板 | 来院・予約を後押しする | 診療時間、休診日、電話番号、Web予約のQRコードなど、具体的なアクションに必要な情報を記載する。 |
このように、人が見る距離を考慮すると、自院にとってどのような看板が必要か整理しやすくなります。
看板の視認性を考慮すること
看板は、歩行者や自動車を運転している人の目に入ることが大切なので、視認性を考慮しなければいけません。
よく、適切な文字サイズは「看板までの距離(cm)÷250」という公式がよく知られています。
また、国土交通省のガイドラインでも、次のような看板の文字サイズの目安を示しています。
| 視距離 | 和文文字高 | 英文文字高 |
| 30mの場合 | 120mm以上 | 90mm以上 |
| 20mの場合 | 80mm以上 | 60mm以上 |
| 10mの場合 | 40mm以上 | 30mm以上 |
| 4~5mの場合 | 20mm以上 | 15mm以上 |
| 1~2mの場合 | 9mm以上 | 7mm以上 |
※国土交通省「観光活性化標識ガイドライン」より抜粋
ただ、これらの基準は人が止まっていることが前提になっているので、クリニックの看板の場合は、もっと大きな文字が必要なことがあります。
また、視認性を考慮して、以下のことを確認することも大切です。
・看板の方向や角度は問題ないか?
・通行人や自動車を運転中の人からの目線に合っているか?
・読みやすいフォントを使っているか?
看板は広告の一種なので、見た目の美しさ以上に視認性を意識するようにしましょう。
人が見る場所から看板までの間に障害物がないこと
せっかく看板を設置しても、街路樹や電柱、隣の建物の陰に隠れてしまっては意味がありません。
実際に通行人が通るルート(歩行者目線、車からの目線)を歩いて、障害物がないかどうかは必ず確認してください。
周りの景色と同化して目立たなくなることを避けること
看板の色が周囲の建物や自然の風景と同化してしまうと、存在感が薄れてしまいます。
そのため、周りの景色も確認して看板の配色を考える必要があります。
また、クリニックの立地によっては季節の変化にも注意が必要です。
例えば、背景に木々がある場合、春〜夏は緑が生い茂り、秋には紅葉で赤や黄色の葉が増えてきます。
どの季節においても埋もれない、コントラストの効いた配色を選ぶようにしましょう。
周りにインパクトの強い看板がないこと
設置予定場所のすぐ隣に、派手で巨大なインパクトのある店舗の看板があると、クリニックの看板の印象が打ち消される恐れがあります。
看板を設置する周囲の環境を確認して、周りと埋もれないための適切な設置を考えましょう。
もし、看板が比較的多い場所に設置する場合は、周りの看板と同化しないように配色やフォントを検討することが必要です。
掲載内容は医療広告ガイドラインを遵守すること
クリニックの看板は広告に該当するため、厚生労働省が定める「医療広告ガイドライン」を遵守しなければなりません。
客観的な事実に基づかない表記、他院と比較して優良であると誤認させる表現(日本一の〇〇、絶対安全など)、虚偽の広告は医療法で禁止されています。
また、患者さんの声や、詳細な説明のないビフォーアフターも医療広告ガイドラインではNGです。
クリニックの看板はそもそも掲載できる内容が限られていますが、医療広告ガイドラインには注意して看板を設置しましょう。
医療広告ガイドラインについては、以下の記事をご覧ください。
屋外広告物条例や景観条例などの規制に気を付けること
看板の設置には、各自治体が定める屋外広告物条例や景観条例による規制がかかります。
地域によっては、設置場所、看板の大きさ、高さ、色彩に制約があります。
詳細は、必ず最寄りの自治体か専門業者に確認するようにしてください。
【まとめ】費用対効果の高い看板を設置する
クリニックの看板には様々な種類がありますが、患者さんが「どこから見るか」によって必要な看板が変わります。
そのため、都心部のテナントビル、住宅街、ロードサイド、大型商業施設、医療モールなどの立地条件によっても必要な看板は変わります。
必ずクリニックの看板制作に実績のある業者に相談して、費用対効果の高い看板を設置するようにしましょう。
なお、クリニックの看板は外観デザインにも大きく関わってきます。
クリニックの外観デザインについては、以下の記事をご覧ください。
税理士法人テラス、テラスグループでは、経験豊富な税理士、社労士、行政書士、ファイナンシャルプランナー、事業用物件の専門家などが結集してワンストップで医院開業支援を行っています。
医院開業準備における税務・労務・法務業務のすべてをワンストップで進めることができますので、ぜひご相談ください。




監修者
笠浪 真
税理士法人テラス 代表税理士
税理士・行政書士
MBA | 慶應義塾大学大学院 医療マネジメント専攻 修士号
1978年生まれ。京都府出身。藤沢市在住。大学卒業後、大手会計事務所・法律事務所等にて10年勤務。税務・法務・労務の知識とノウハウを習得して、平成23年に独立開業。
現在、総勢52人(令和3年10月1日現在)のスタッフを抱え、クライアント数は法人・個人を含め約300社。
息子が交通事故に遭遇した際に、医師のおかげで一命をとりとめたことをきっかけに、今度は自分が医療業界へ恩返ししたいという思いに至る。
医院開業・医院経営・スタッフ採用・医療法人化・税務調査・事業承継などこれまでの相談件数は2,000件を超える。その豊富な事例とノウハウを問題解決パターンごとに分類し、クライアントに提供するだけでなく、オウンドメディア『開業医の教科書®︎』にて一般にも公開する。
医院の売上を増やすだけでなく、節税、労務などあらゆる経営課題を解決する。全てをワンストップで一任できる安心感から、医師からの紹介が絶えない。病院で息子の命を助けてもらったからこそ「ひとつでも多くの医院を永続的に繁栄させること」を使命とし、開業医の院長の経営参謀として活動している。


