開業した先生に聞いてみた医院経営での失敗・苦労とは!?

公開日:2021年7月30日
更新日:2025年2月17日

「開業医は勤務医よりも年収が高いのはもちろん、自分の理想とする診療ができるようになる」

医院開業を志す先生は、開業後の自分の医院に期待を膨らませているかと思います。

しかし、開業医の先生に実際に聞いてみたところ、「開業してみたら思った以上に大変だった」と感じた先生が少なくありません。

勤務医と開業医のメリット・デメリット

メリットデメリット

まずは、勤務医と開業医には両方メリットとデメリットあるということです。以下の表でメリットとなる箇所を赤字で示します。

 勤務医開業医
平均年収※11,491万円2,763万円
勤務時間長時間かつ自分で決められない自分で決められる
継続性※2転職は容易年間約4,500件の廃業
借入金0円0円~3億円

※開業時は5,000~8,000万円

集患対策不要必要
経営力不要必要
訴訟責任勤務先対応もあり個人対応
スキル維持与えられる機会が多い自身で機会をつくる必要がある
先端医療与えられる機会が多い自身で機会をつくる必要がある

※1:厚生労働省「第22回医療経済実態調査」をもとに算出
※2:厚生労働省「令和元(2019)年医療施設(動態)調査・病院報告」をもとに算出

こうしてみると、開業医にも多くのリスクがあることがわかり、開業医ならではの負担も多くなることがわかります。

こんなにたくさんある! 医院経営での失敗・苦労

イメージ

開業医にはメリットだけでなく、様々なデメリットやリスクがあることがわかりました。

そこで、私が実際に医院開業した先生に、医院経営で失敗したことや苦労したことをお聞きしたところ、次のような答えが返ってきました。

物件選びや資金調達など開業準備時点での失敗・苦労

  1. 「立地がすべてでした。周辺地域の人口が減少し、患者さんの来院数減少に歯止めがかからず、収入は減るばかり。もう少し十分な開業地調査をすべきでした。準備不足が敗因です。」(60代:一般内科)
  2. 「低金利だから借入れにはそんなに神経質にならなくても良いと思うが、自己資金はあったほうが良いと思う。」(50代:アレルギー科)
  3. 「小規模からだんだん広げるべきだった……。また、借入れは少なくすべき。」(60代:一般内科,整形外科)

物件選びや資金調達、医院規模など開業準備の時点で失敗し、その後の医院経営に支障が出ているという声が多くありました。

医院開業準備はやることが盛りだくさんで、これまで勤務医として働いてきた先生には、初めてのことばかりです。

そのため、実際には誰の手も借りずに開業される先生はほぼ皆無です。そのため、多くの場合は開業コンサルタントに依頼することになります。

しかし、コンサルタントのアドバイス通りに開業したとしても、上記のような失敗談が後を絶ちません。

なぜかというと、物件など十分な調査をしないコンサルタントや、医院開業経験に乏しいコンサルタントも珍しくないためです。

コンサルタントの言うことを鵜吞みにせず、自分が理想とする医院とは何か、逆算思考で資金計画を立てて慎重に判断する必要があります。

スタッフ採用、人間関係、労使間トラブルなどの失敗・苦労

  1. 「人事もしなくてはならず、大変。医療と経営は別物。」(60代:産婦人科)
  2. 「経営という視点がなかったので、そういった勉強をしておけばよかった。経理の実務や法律などについても、あとから勉強した。特に人事のトラブルは絶えず、とても苦労している。」(60代:一般内科)
  3. 「とにかく『人』です。今でも苦労しています。他人との仕事については、思ったことは伝わっていないと考えるくらいがちょうどいいですね。話して言葉に出さないと、相手に伝わりません。当たり前のことは、案外当たり前ではないので1つずつ確認してもよいぐらいです。」(50代:眼科)
  4. 「人間関係で辞めるスタッフが多い。なるべくスタッフと話すようにしています。」(50代:循環器内科)

もうひとつ、医院開業後の苦労で多いのが、スタッフ採用、離職、労使間トラブルや退職勧奨などのスタッフ問題です。

特に開業直後は、思いのほかオープニングスタッフが退職することにびっくりする院長先生も少なくありません。

「オープニングスタッフは半分が半年以内に辞める」と言われるほど、開業当初は人の出入りが激しい傾向にあります。

スタッフに関する問題は人件費、医院全体の生産性、精神的なストレスに大きく影響します。

そのため、開業時から辞めないスタッフを採用することと、スタッフが戦力として長く働いてくれる仕組み作りが欠かせません。

スタッフマネジメントの仕組みができるようになれば、スタッフ問題に対する悩みから解放され、医院経営が劇的に改善するでしょう。

集患や休日に関する失敗・苦労

  1. 「土曜に患者が1人も来なかった。」(40代:心療内科)
  2. 「自由がきかなくなるので、勤務医時代に研修を積み重ねておけばよかった。」(40代:一般内科)
  3. 「長期旅行をしておけばよかった。開業するとしばらく休めない。」(60代:皮膚科)

医院経営が軌道に乗るまでは、集患や休日に関する苦労もよく聞きます。

特に集患対策については、好立地で医院開業したからといって順調に患者さんが来院するわけではありません。

それにも関わらず、ほとんどの医院はWebマーケティングなど集患対策に力を入れていないのが現状です。

コンビニよりも数の多い歯科医院は以前より競争が激化してきていますが、他の診療科目でも競争が徐々に激しくなっています。

集患をもっと増やす必要があるならば、診療科目や立地、先生の診療方針などに併せた集患対策が欠かせません。

多くの医科歯科クリニックが実践していないことだけに、集患対策を少し改善するだけで患者さんの来院数が増えることもあります。

まとめ

医院経営に苦労している開業医の先生の悩みは、「ヒト(スタッフ採用)」「モノ(開業場所)」「カネ(事業計画)」「情報(Webマーケティング)」の4つに集約されます。

4つの要素は、開業前には知っておかなければならないことで、すでに開業した先生であれば、早急に身につける必要があります。

この4つの知識がないまま、開業コンサルタントに言われるがまま開業しても医院経営は成功することはなく、最悪廃業の道をたどることもあります。

しかし、だからといって今までは「医院経営」に特化した経営セミナーがないのが現状でした。

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笠浪 真

1978年生まれ。京都府出身。藤沢市在住。大学卒業後、大手会計事務所・法律事務所等にて10年勤務。税務・法務・労務の知識とノウハウを習得して、平成23年に独立開業。
現在、総勢52人(令和3年10月1日現在)のスタッフを抱え、クライアント数は法人・個人を含め約300社。
息子が交通事故に遭遇した際に、医師のおかげで一命をとりとめたことをきっかけに、今度は自分が医療業界へ恩返ししたいという思いに至る。

医院開業・医院経営・スタッフ採用・医療法人化・税務調査・事業承継などこれまでの相談件数は2,000件を超える。その豊富な事例とノウハウを問題解決パターンごとに分類し、クライアントに提供するだけでなく、オウンドメディア『開業医の教科書®︎』にて一般にも公開する。

医院の売上を増やすだけでなく、節税、労務などあらゆる経営課題を解決する。全てをワンストップで一任できる安心感から、医師からの紹介が絶えない。病院で息子の命を助けてもらったからこそ「ひとつでも多くの医院を永続的に繁栄させること」を使命とし、開業医の院長の経営参謀として活動している。

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