クライアントインタビュー

医療法人化インタビュー | vol.07
#法人化後の4年間で、経営スタイルが大きく変化

クリニックを法人化して最も実感しているのは、長期にわたってしっかりした資金計画を立てられるというメリットです。

医療法人社団潤風会
齊藤歯科クリニック
齊藤 光正先生
医療法人社団潤風会
齊藤歯科クリニック
齊藤 光正先生
平成27年11月 医療法人社団潤風会として診療開始
近年開発が著しいJR辻堂駅北口側にある「齊藤歯科クリニック」。法人名である「潤風会」は、湘南の「風」と医療の「潤い」をイメージしてつけられたもの。何よりも患者さんにしっかり説明することを信条に診療に取り組んでこられ、地元湘南の人々の歯の健康を守ってきた齊藤先生に、4年前の法人化のきっかけや手続き、その後実感されていることなどについてお話をお伺いしました。(取材日:令和元年8月8日)

税理士法人テラス 笠浪 真(以下、笠浪)開業なさってからもう22年目になりますね。15年目で法人化されましたが、そのタイミングで法人化に踏み切られたきっかけを教えてください。

齊藤先生既に法人化された先生方からメリットやデメリットを色々聞いておりまして、平成19年に医療法人制度が変わった際には、「もうメリットはないよ」と言われたりしていたのですが、やはり気になり、テラスさんの医療法人セミナーに参加させていただいたことがきっかけです。

笠浪齊藤先生は、それまで経営に関する数字はご自身でチェックされて、申告もされていたと伺いました。

齊藤先生はい、妻と私で行っていました。数字には強いほうだと思いますが、家計の通帳と事業の通帳が一緒だったので、お金に余裕があるときはクリニックに投資もできますが、無くなってくると途端に厳しくかつかつになり、どんぶり勘定的な状態でしたので、そこから何とか脱却したいと思ったことがセミナーに参加した理由です。
セミナー受講の後、個別相談でメリットとデメリットを詳しくお聞きし、シミュレーションしてもらった結果、メリットが出ることがわかりました。何より家計と事業資金が別々の管理となることで、計画的な経営ができることに魅力を感じての決断です。

笠浪セミナー参加のあと、すぐに個別シミュレーションさせていただき、法人化設立まで早かったですね。当社にお任せいただく際、不安に思われたことなどはございますか。

齊藤先生いえ、医療系に強いと聞いていましたし、既に歯科法人化の実績もお持ちでしたから。税理士法人テラスの担当者の方のご丁寧な対応と説明も安心できましたし、不安はありませんでした。

笠浪手続き自体はいかがでしたでしょうか。ちょうど今年、クリニックの新築建て替えで、現在仮診療所で診察されていらっしゃいますが、移転に伴い、法人の定款変更手続きにもご協力いただいたところですね。

齊藤先生法人設立の際と同様、準備・申請から承認までの工程表を作成いただき、準備する書類とやることを逐一報告してくださるので、不安はありません。法人にまつわる手続きに関しては素人なので、お任せできるのが助かっています。

笠浪実際に法人化されていかがですか。現在4年目に入られたところですが。

齊藤先生法人化前は、本当にメリットが出るのかなと不安に思っていたところもありましたが、1年、2年と経過していくうち、その不安は払拭されました。法人化して最も実感しているのは、長期にわたってしっかりした資金計画を立てられるというメリットです。個人事業の際には、積み立てが満期になったときや売り上げが良いときだけ設備投資をしていましたが、今は会社のお金が担保されて、計画的にできるようになりました。診療所を新しく建て直すのも、実現可能な計画立案、それに伴う数字あってのことですから、自分のやりたい医療を思い描き、それを実現するために最善のタイミングで設備投資ができることが、法人化して本当に良かったと思うことの一つです。

笠浪個人事業ですと、最後に残ったものが先生のお給料になりますが、法人の場合は先生のお給料を最初に設定しますので、事前に計画を立てやすくなりますね。

齊藤先生法人化後の4年間で、経営スタイルが大きく変わりました。平成19年に医療法人制度が変わり、メリットがなくなったという先生もいるのですが、そんなことはないと思っています。

笠浪私もそう思います。以前の制度は、それはそれでうまく使えていたのかというと、そんなことはないように思います。相続の際に財産として評価されてしまうため、相続税が多くなりますし。今の法人制度はそういうことはありませんし、十分メリットはあると考えています。

笠浪反対に、デメリットはございましたか。

齊藤先生法人化にはスタッフの社会保険加入が必須になりますから、その負担をデメリットと考えていました。ですが、昨今の歯科衛生士さん不足の中、実は社会保険はメリットととらえるべきなのではと考えが変わりました。スタッフ面接のたびに、志望者の方から社会保険完備を聞かれますしね。先日歯科衛生士学校の教務課の先生とお会いする機会があったのですが、就活の際、学生には「社保完備を確認しなさい」と指導していると聞きましたから、今では加入しておいて良かったと思っています。

笠浪最近は、先生方はみなさんそうおっしゃいますね。負担は増えますが、採用の面では有利になります。実感していただけて何よりです。他に、予期していないメリットやデメリットはございましたか。

齊藤先生事業資金と家計資金を分けたことで、子供の教育費を貯蓄できるようになったことです。3人おりますので何かと不安でしたが、教育費の計画的な貯蓄や生命保険の加入で、将来の資金の見通しが立ちましたので、今では安心しています。

笠浪法人化するとお金の流れがわかりやすくなりますから、より貯蓄投資しやすくなりますね。スタッフさんの意識はどうでしょうか。法人化で変わったなと思われることはございましたか。

齊藤先生社会保険加入は喜んでもらえているかなと思います。あとは、設備投資の面で、新しいものを購入するとスタッフの意識が向上するんだということに気づきました。勉強するきっかけづくりになるんですね。予想していなかったことです。設備投資を計画的にできることの新たな効果だと嬉しく思っています。

笠浪新しい設備の導入がスタッフさんの意識づけになるとのこと、それを伺って嬉しく思います。

笠浪法人化の際、就業規定の見直しもされましたね。

齊藤先生個人でやっていた時代は明確な就業規定がなく、自分とスタッフとの信頼関係でやり過ごしていた部分がありましたが、法人化を機に、勤務時間を明確にし、有給、残業、賞与などを設定しました。昨今、労働環境の条件等はどんどん法律化されていっていますし、あの時にしっかりとした規定を作成しておいて良かったと思います。

笠浪スタッフさんとの信頼関係の上に成り立っていたものを変えるリスクもあり、新たに規定することが本当に良いのか悩んだ部分もありますが、今後スタッフさんのほうに先に知識が入ってしまうと後手に回ってしまい、トラブルにつながる可能性もあります。思い切って作成いただいてよかったと思います。

齊藤先生クリニック経営も結局は人ですから、スタッフはとても大事に思っています。新診療所が完成したら、スタッフ数もまた増えますから、今後は組織面も充実させていきたいですね。

笠浪個人クリニックではない、会社という医療法人ならではの計画ですね。

齊藤先生はい、法人したからこそ新たに芽生えた意識だと思います。

笠浪法人化後、弊社には税務・労務もお任せいただいております。税務を寺本、労務を亀井、手続き関係は百済が担当しておりますが、対応はいかがでしょうか。

齊藤先生税務に関しては、2か月に1度来てくださり、数字を見ながら経営状態を確認できるので、非常に強い後ろ盾だなと感じています。今まで相談できる人がいなかったので。何かを購入するにも、数字を見ながらアドバイスを頂けるのがありがたいです。以前、欲しいと思って購入したものの、あまり使ってないとか、あとから数字を見て買うんじゃなかったなと思ったこともありましたが、今は歯止めも効くので、助かっています。
百済さんには、今回診療所移転の手続きでとてもお世話になっています。診療所新築期間中、仮診療所での診察をしているのですが、それに伴い定款変更するという概念がなく、百済さんを慌てさせてしまいまして。でも、しっかり手続きを進めてくださいました。とても頼りにしています。
それと、私は実は連絡が取りにくいタイプなんですが、寺本さんや百済さんはそのあたりよくご存じで、妻と連絡を取ってくれ、臨機応変に対応してくださって、全般的にとてもスムーズですね。
労務も、亀井さんは細かいことまで親身に相談に乗ってくださり、助成金のアドバイスもいただけていますし、ありがたいです。

笠浪お褒めの言葉をありがとうございました。今後、法人化を考えておられる先生に弊社を薦めていただけるとしたら、何と言っていただけますか。

齊藤先生法人化をお任せできる会社は他にもあると思いますが、医療分野に長けているということですね。それがいちばんだと思います。

笠浪ありがとうございます。

笠浪今後のビジョンを教えてください。

齊藤先生来年早々には新診療所が完成し、ユニット数が倍になります。スタッフも増やす予定です。今後は予防歯科に力を入れていきたいと考えています。もちろん必要な治療は行いますが、なぜ治療をしなければならないのかというプロセスを大事にして、湘南だけでなく、都内からも患者さんに来ていただき、啓蒙していくことが、この先10年、20年の私の使命だと思っています。

笠浪私ども一同、新しい診療所をとても楽しみにしています。今後も、税務・労務・法務ともに、しっかりサポートさせていただきます。

担当者紹介

佐藤 祥子 (執行役員)
2014年入社。税理士法人テラス執行役員。

滋賀大学経済学部卒業。大学卒業後10年間大阪の会計事務所に勤務した後、代表である笠浪の大学の後輩だった縁で2014年に税理士法人テラスに入社。前職の経験を活かし、入社当初から事業規模を拡大する当社の社内管理体制の構築を担い、社員の採用、業務の効率化に貢献する。
また開業支援や医院経営、相続・承継においてクライアントの要望を引き出し、所属の税理士、社労士、行政書士との橋渡し役を担っている。
「申し訳ないくらい何もかもお任せしている」などクライアントからの信頼も厚い。
今後の目標は社員にとって働きやすく、クライアントにとって満足度の高い税理士事務所となるように社内の体制を確立すること。

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