クライアントインタビュー

医院開業インタビュー | vol.33
生まれる前も、生まれてからも、小児科医と産婦人科医として仙川地域の患者さんに寄り添う

クリニックは開院する事がゴールではなく、開業後の経営も踏まえ、準備立ち上げ時から税理士さんや社労士さんとタッグを組むことはとても重要

仙川すずのねクリニック
田知本寛・里恵先生
仙川すずのねクリニック
田知本寛・里恵先生
東京都調布市仙川町に『仙川すずのねクリニック』を新規開業された田知本寛・里恵先生に、ご開業のきっかけやビジョンやミッション、弊社の開業支援の感想をお話しいただきました。(取材日:2024年5月)

税理士法人テラス代表・笠浪真(以下、笠浪):ご開業おめでとうございます。まずは『仙川すずのねクリニック』というクリニック名の由来をお聞きしてもよろしいでしょうか。

田知本寛先生(以下寛先生):クリニックがあります「仙川」という地名が、涼やか、爽やかなワードでいいと思いましたので、まずはこの地名を入れたいと思いました。

田知本里恵先生(以下里恵先生):また娘の名前に「鈴」という漢字が入っていまして、神道において鈴が奏でる音色は周囲の邪気を払うという言い伝えがありますので、心を浄化する、きれいにするようなよい効果をもたらしてくれそうだなと思い「すずのね」という言葉も取り入れまして、「仙川すずのねクリニック」というクリニック名になりました。

笠浪:クリニック名にクリニックのある地名がありますと地域の方への周知にもなりますし、お子様への愛情も感じられる、美しく涼やかな音のクリニック名で素晴らしいですね。フクロウのロゴも可愛いですね。

寛先生:このロゴマークは私が好きなフクロウを取り入れて作っていただきました。フクロウは知恵や幸運をもたらしてくれるモチーフだと聞きましたので気に入っています。

里恵先生:ロゴマークを作って頂いた方には家族構成を告げずにご依頼したのですが、出来上がったロゴを見ましたら、ちゃんと真ん中に子どもがいて、うちの家族を表しているようでとても嬉しかったです。

笠浪:それは嬉しいですね。本当にお優しい先生方を表すようなロゴですよね。
ところでこの仙川という場所を選ばれた理由はどのようなものがあるのでしょうか?

寛先生:元々夫婦で開業するという未来は思い描いてはいなかったのですが、私自身の出身地であるこの仙川に様々なご縁をいただきまして今に至ります。自身が育ち、色々とゆかりのある土地ですので、今では地元に貢献できればという思いがあります。

里恵先生:開業にあたっては、大学の後輩や先輩、医師会の方々など、近しい方々、またお世話になっている方々などのご縁が続きました。開業しましたこの物件も、人との繋がりやご縁により出会う事が出来まして、とんとん拍子で話が進み今に至ったという感じです。

寛先生:当院の診療科目にあります小児科や産婦人科は、それまでの調布地域にクリニックが足りないと感じられる方が多かった診療科目でもありましたので、色々な方のご支援や後押しをいただきました。現在もそれらの方々とのご縁を大切にし、地域の患者さんを守る医療のネットワークの中で、地域貢献も含めて医師として活動させていただく機会をいただけまして、とても感謝しています。

笠浪:先生方の実績とお人柄が周囲の方々をも動かし、開業に至られたのですね。

笠浪:この仙川、調布地域で実際に患者さんを診察されてみていかがですか。

寛先生:小児科に関しては、コロナ以来、発熱外来が人数制限のある予約制となり、枠に対して予約が過多な地域が少なくなく、この調布市でも休日診療に平日の診察予約からあぶれてしまった患者さんが流れるような状況が起きていました。ですので、当院では人数制限なくしっかり人数を見られるようにしたいという思いで診察を行っています。
また私はアレルギーを専門としており、特に困っておられる方の多い食物アレルギーに長く携わっていまして、医師向けのガイドラインを作る方の仕事もさせていただいていましたので、質の高いアレルギー治療をこのクリニックで行っていけたらと思っています。
自身の大学で行っていました研究においては、小児科にかかる前段階、生まれた直後、なるべく早くからの介入によりアレルギー症状は軽減させられるという結果を得られていました。この産婦人科と小児科とがしっかり連携出来る「仙川すずのねクリニック」では、生まれる前からでもアレルギーという症状に立ち向かうことが出来る環境・体制ですので、地域の皆様のお役に立てるのではないかと思っています。

笠浪:研究をされている時とはまた違ったモチベーションを得られているのですね。

寛先生:実際に医療の現場において、早期の段階でアレルギー患者さんを見る事が出来る状況になりましたので、モチベーションも上がっています。

笠浪:産婦人科としての領域ではいかがでしょうか。

里恵先生:とにかく世の中の「お母さん」達が忙し過ぎていて、自身の身体や健康に対しておろそかになっていると感じます。例えば日本において、子宮頸がんは現在年間で約10,000人が罹患しており、亡くなる女性は年間約3,000人にもなりますが、亡くなる方の内8割は30代後半の方です。30代、また40代という若い女性がこんなにも子宮頸がんで命を落としている現状は本当に辛いです。子宮頸がんはワクチンで防げるがんなのですが、ワクチンを接種していても検診は必要であり、異形成などの変異を初期に見つける事が、命や健康を守る為には本当に大切です。ワクチンはもちろんですが、お子さんの診察のついででも良いので検診を受けようと思っていただきたい、そういう思いで診察を行っています。

笠浪:それほどの多くの女性、しかも若い女性が子宮頸がんにより毎年命を落としていることは衝撃的です。ワクチンで防げるがんということで、改めてワクチンの重要性を感じました。
産婦人科という場所には様々な世代の女性も受診されるとの事で、ご啓蒙が世代にわたり広がっていくといいですね。

里恵先生:本当にそう思います。開業してみて分かったことなのですが、不妊症の受診をされている方々が、小児科にいる子どもたちの存在をとてもポジティブに捉え、治療のパワーやモチベーションの源としていただけているようです。また産婦人科もある小児科ということで、小児科の領域である思春期の女子の生理不順やトラブルなどへの受診に対する精神的なハードルを下げることが出来ているようです。お子さんが診療に来られた際に、お母さまも更年期の悩みも抱えられておられ受診に繋がった事例があったりと、小児科と産婦人科を標榜し、しっかりとした連携があることは、患者さんにとってこんなにプラスな点が多いのかという発見がありました。お孫さんがいらっしゃるようなご年齢の患者さんが、10代のお孫さんに受診を勧めてくださったケースもあり、幅広いご年代の女性の健康に貢献が出来ている事がとても嬉しく思います。

笠浪:小児から、何世代にもわたり長く女性の人生に寄り添うクリニックで素晴らしいですね。地域の皆様が羨ましいです。

笠浪:当初ご夫婦での開業は想定しなかったとのお話ではありましたが、ご開業はお二人、ご家族にとりましてどのような結果をもたらしましたでしょうか?

寛先生:開業して自宅から職場が近くなりまして通勤時間が減りましたし、家族といられる時間が増えたのは本当に良かったです。また睡眠時間が増えましたので、以前よりも健康的な生活が出来ているとも感じます。休日も以前より増えました。さらに子どもの幼稚園へのお迎えにも行けるようになりましたし、また朝も夫婦で幼稚園バスのバス停まで登園する子どもを見送る事が出来ていまして、そんな時間を作ることが出来ている今がとても嬉しいです。
仕事に関しては、大学の研究者としては見えづらかった地域の医療ニーズを、今は肌で感じる事が出来ており、医師として視野が広がったように思います。地域の子どもたち、日本の子どもたちが健やかに育つためには何をすべきなのか、新たな視点で医師として世の中を見て、使命を見つける事が出来ているように感じます。

里恵先生:私は開業して忙しさが増しましたので、まだ生活のバランスをうまく取ることを模索しています。京王線仙川駅一帯が“新婚夫婦が暮らしやすい街”として注目されていたりして、実際にこれから子どもを持ちたいと考えている若い女性も多いので、婦人科で扱うべき患者さんの数が多く、またその扱うべき領域も広いので、それらのニーズにしっかりと応えていかなくてはと感じています。仕事をもっとしっかりやりたいという気持ちがあるのですが、それを全部やるには体力が足りないなと感じてしまっています。

笠浪:ご家族での時間が増えて、先生方だけではなくお子様も喜んでいらっしゃるでしょうね。クリニックが発展している段階でまだお忙しい場面も多いでしょうが、テラスグループでも円滑な経営とクリニック運営のためのお手伝いをさせていただければと思います。

笠浪:今でこそやる気とモチベーションに満たされてるお二人ですが、開業前に悩みや不安はありましたか?

里恵先生:全部。全部ですね(笑)

寛先生:全部ですね(笑)分からないことだらけでした。物件が決まった際にも銀行で色々あり、資金繰りや採用などなど。

里恵先生:開業準備時の銀行とのやりとりではテラスグループの皆さんに本当にお世話になりました。開業時の行政手続きに関しましても、当時はテラスグループの方に言われるがままに、必要性がわからないまま、これは本当に今やらなくちゃいけないのかな?と思ってしまうくらいの認識の中で処理していたようなタスクがあったのですが、後になってその重要性にびっくりしてしまったものがあったりして。本当に有難かったです。

寛先生:クリニックは開院する事がゴールではないので、開業後の経営も踏まえ、準備立ち上げ時から医療専門の税理士さんや社労士さんとタッグを組むことはとても重要であると感じました。

笠浪:開業されてからも、法人化や分院展開、相続対策など様々なフェーズもございますし、税務調査なども入っていきますので、税理士、社労士とがタッグを組みながら、しっかりと事業のご発展のためにお手伝いをさせていただければと思います。
ところで、テラスグループに依頼しようと思ったきっかけ、決め手はどのような点でしたでしょうか?

寛先生:様々な方に勧められ、ホームページなども拝見して大丈夫そうだなと思ったのが最初のきっかけです。その後物件についてご相談したテラスグループの担当者の方が、自身の儲け優先ではなく、きちんと私たちのプランや他院での実績や経験を踏まえた上で、私たちの利益を最優先した情報を本音で提供してくださったと感じる場面があり、それが決め手となりました。この方、この会社は信頼できるなと。

里恵先生:私も友人やテラスグループの開業支援を利用して開業している医師から、テラスグループはいいよとお勧めをいただいていました。しっかりしているから大丈夫だよと。

笠浪:医師の皆様のネットワークで良い口コミをいただいており本当に感謝いたします。また実際の現場で担当者が先生方に最善な情報のご提供が出来ており安心いたしました。

寛先生:開業支援をくださる業者は世の中にたくさんありますが、物件を決めて、機械を入れてまでが開業なのではなくて、開業してからどううまくクリニックを経営をしていくか、人を雇いうまく業務を回していくかが重要ですね。テラスグループは開業をご支援くださるだけではなく、税理士さんや社労士さんが開業準備中から連携してお手伝いくださるので、メリットが非常に大きいように感じます。

里恵先生:テラスグループにはかなり助けていただきました。想像以上に良かったです。

寛先生:開業準備中に他の業者とのトラブルが発生してしまった時にも、テラスグループに法務部分で入っていただき助けていただいた事もありましたね。ぶつけたらそれ以上のものが返ってくる、そんな存在で心強かったです。

笠浪:医院の開業には様々な業者様との連携もございますので、色々ありますよね。お力になれたようで嬉しいです。
これから「仙川すずのねクリニック」様はどうご発展されていくのでしょう?ビジョンをお聞かせ願えますか。

寛先生:ちょっと医師というよりは研究者目線なのですが、このクリニックに来てくださる子どもたちが健康に健やかに生きる為には何をすべきか、何が必要なのかの根拠となるデータを、小児科医として作り上げることが出来たら嬉しいなと思っています。具体的には、母子手帳は昭和40年代にはじまり、記載されている小児の成長項目はその時代に作られたもので、今現在子どもを見ている医師として、栄養状態などの影響により、成長・発達のスピードが早まっているように、母子手帳の記載内容とは違ったものになってしまっているように感じます。小児科医としては、小児の成長・発達のデータを集め、しっかりとした形で分析・編纂し、現状に沿った形で正しく共有すべき情報のアップデートが出来たらと思っています。また小児科医として診察をする中で、感染症になりやすい子、なりにくい子が確かにおり、その生活の違いにまで、かかりつけ医として踏み込み、データ化、体系化が出来たら良いなとも構想しています。

里恵先生:私は産婦人科はひとりひとりの患者さんに時間と手間を比較的かける科ですので、うまく日々の診察を回せるように、クリニック経営を強化していきたいです。

笠浪:地域の患者さんだけではなく、全ての女性や子ども達に目を向けられているような、視座の高いビジョンをありがとうございます。また、それらの壮大なビジョンを達成されるべく、また日々の医院運営のご支援や、事業のご発展のために、これからも税理士、社労士などテラスグループ一丸となり様々なご支援をさせていただければと思います。
本日は貴重なお時間をいただきましてありがとうございました。