クライアントインタビュー

医院開業インタビュー | vol.23
#「がん治療をしても美しくいたい」が叶うアピアランスケアをもっと広めたいです。

「自分のやりたい医療ができる」と思って税理士法人テラスさんに開業支援をお願いしましたが、大事な局面が多いなかで安心してお任せすることができました

アピアランスビューティクリニック
堀口 和美先生
アピアランスビューティクリニック
堀口 和美先生
令和2年6月アピアランスビューティクリニック開院
がん治療の副作用によって生じた外見上の変化をケアし、美しさを保ちたいという人の願いを叶えるアピアランスビューティクリニック。日本では珍しいがん治療に特化した美容クリニックを開業した堀口和美先生に、ビジョンやミッション、弊社の開業支援の感想をお話しいただきました。 (取材日:令和4年8月26日)

税理士法人テラス代表・笠浪真(以下、笠浪):クリニック名の由来を教えてください。

堀口先生がん治療の副作用で髪の毛が抜けたり肌が荒れたり、指先がボロボロになったり、爪が傷んだりなど、患者さんは外見上の変化に直面します。また、急に老け込んだ外見になる方も多いですが、これもがんの症状ではなく治療の副作用によるものです。がんの治療だけでもストレスなのに、見た目が大きく変わることは患者さんに大きな精神的な負担になります。アピアランスケアとは、医療従事者がサポートしてがん治療の副作用による外見上のケアをすることを言います。当院は一般的な美容診療も行いますが、がん患者の方も、そうでない方も関係なく美しくなってほしいと思い、「アピアランスビューティクリニック」と名付けました。

笠浪:がん治療と美容という2つの想いが込められているということですね。診療内容について教えてください。

堀口先生アピアランスケアはがん治療に伴う副作用のケアになるのですが、今のところ保険適用されずに自費診療が中心です。ただ、最近は当院でも医療連携によって保険診療の範囲が増えています。例えばがん治療の最前線を行く病院と医療連携を組み、がん患者さんが病院で処方されていた薬を当院でも出すことができます。がん患者さんは待ち時間なく薬をもらえるし、病院は患者さん一人ひとりと向き合って診療しやすくなっています。医療連携を組むことによって、がん治療の病院にも患者さんにもメリットがあるように取り組んでいます。

笠浪:アピアランスケアは初めて聞いたのですが、日本では何か不妊治療のような補助金などの制度はあるのでしょうか?

堀口先生まだまだ少数ですが、東京都内の場合は区によっては存在します。港区は、がん治療の副作用で髪の毛が抜けた方がウィッグを購入した場合、購入費用を助成する制度があります。私の知る限り、自治体以外でアピアランスケアを支援する機関はなく、あとはクラウドファンディングで支援を集めながら認知拡大を図る方法くらいかと思います。

笠浪:海外ではいかがでしょうか?

堀口先生一概に比較できないですが、ヨーロッパで一番制度が充実しているのはフランスです。フランスでは副作用に伴う外見上の悩みは、がん治療のなかでも大きな課題と認識されており、アピアランスケアに対する制度が徹底しています。アメリカの場合は世帯の所得によって大きく違い、高収入の人はアピアランスケアに取り組みやすい状況です。

笠浪:なるほど。各国による事情もあるのですね。日本でアピアランスケアを広めるにあたり何か取り組んでいることはありますか?

堀口先生患者さんのデータを蓄積して、アピアランスケアの有効性を明らかにしようとしています。私は長い目で見て、アピアランスケアががん治療の成功に寄与するものであると信じているので、これからも認知拡大したいと思っています。

笠浪:素晴らしいことですね。現在提供されている医療の内容を教えてください。

堀口先生現状は、当院のアピアランスケアの患者さんの割合は全体の2割弱で、8割は一般的な美容診療です。しかし、美容診療の患者さんが、がんの副作用で悩む人に当院を紹介してくださり、少しずつがん患者さんが増えています。特に当院でニーズが強いのはヘアケアです。がん治療で髪の毛が抜けた場合、治療が終わってもなかなか元通りになりません。そこで当院では再発毛促進やアートメイクなどを通してヘアケアに力を入れています。また、抗がん剤の治療でメラニンが増殖してシミやそばかすが増えて20歳くらい老け込んだように見えてしまうことが多く、肌のケアも力を入れています。

笠浪:よく著名人でがんになった方が老け込んで見えることがありますよね。

堀口先生特に化粧をしない男性はその傾向がありますね。ただ、私の経験上加齢に伴うシミやそばかすよりも、抗がん剤の副作用によるものの方が、アピアランスケアの治療効果は高いと感じています。なので、副作用後のシミやそばかすに悩んでいる方は、元に戻る可能性が高いことをもっと広めていきたいです。外見の悩みが原因で、外出が億劫になった方の治療をすることで、患者さんが社会との繋がりを取り戻せたらとても嬉しいです。

笠浪:先生のクリニックのミッションをお聞かせいただけますでしょうか。

堀口先生がんと共に生きるあなたにあなたらしい美しさを提供する。がん患者さんと周りの方がみんな笑顔になり、社会全体に笑顔を広げていくのが私のミッションだと思っています。今はがん治療と一般の美容診療と分けていますが、根本的には外見の悩みと言う点は変わらないと思っているので、垣根のない医療にしていきたいです。

笠浪:たくさんの方の笑顔を取り戻せそうですね。それでは先生のクリニックの強みを教えていただけますか。

堀口先生抗がん剤の副作用のある方は、一般的な美容クリニックでは治療を断られるという話をよく聞きます。これは、がん治療の知見のない美容の医師がアピアランスケアを行うのは難しいためです。当院の強みは、がん治療認定医である私が、美容診療の知見・技術も十分持っているという点です。アートメイクの技術の高いスタッフもいます。日本人の2人に1人は一度の人生で1回以上がんになると言われており、毎年100万人以上の人が何らかのがん治療を開始しています。がん治療を行いながらも美しさを保ちたいという患者さんが当院に足を運んでいただけると嬉しいです。

笠浪:がん治療認定医でもいらっしゃるから、患者さんも安心されるでしょうね。同じような想いを持たれご活動される先生はどの位いらっしゃるのでしょうか?

堀口先生今はアピアランスケアに特化したクリニックを開業しているのは、知る限りでは私くらいです。ただ、がん治療に専従している若い医師で、当院を訪ねたり、私のセミナーを聞きに来てくれたりする医師もいて、同じ想いを持つ人は増えているように思います。また、がん治療の医師から紹介状が出て来院する患者さんもいるなど、少しずつアピアランスケアの認知は広がっていると思います。

笠浪:先生と同じように患者様の悩みを解決するご活動に従事される医師が増えていくといいですね。ところで、開業場所に巣鴨を選ばれた理由はなぜですか?

堀口先生美容クリニックとしては異色の立地かもしれません。ただ、都立駒込病院、順天堂大学病院、東京大学病院、日本医科大学病院、東京医科歯科大学病院、帝京大学病院など、がん治療をたくさん行っている医療機関が近い場所なので、巣鴨を選びました。あとは駅近でアクセスが良く、JR山手線や都営三田線が使えて患者さんが通いやすく、私の自宅からも近いのもあります。

笠浪:なるほど。それではご開業なさろうと決断された理由や経緯をお聞かせいただけますでしょうか。

堀口先生駒込病院の乳腺外科に20年近く勤務し、乳がんの患者さんと毎日関わらせて頂く中で、患者さんが副作用で外見に悩んでいることはずっと前から気付いていました。これは、他の乳腺外科の先生も同じでした。そこで私はボランティアに近い形でエステティシャンなどを呼んでアピアランスケアに取り組んでいました。また、アピアランスケアセンターを駒込病院に作りたいと動いたこともありますが、都立病院内での設立は極めて困難でした。そこで「病院でできないなら自分でやるしかない」と思い、駒込病院を辞めて美容クリニックで経験を積み、当院を開業しました。

笠浪:がん治療の現場で困っている患者様との関わりの中で、ご開業を決意されたのですね。それでは、開業前に悩まれていたことなどがありましたらお教えいただけますか。

堀口先生私は医師の経験しかないので悩みだらけでした。医師だけでなく、経営者視点も持たないといけないので、資金繰りのことなど教えていただこうと思って税理士法人テラスさんにお願いすることにしました。

笠浪:他にも数多と業者がある中で、弊社に任せようという決め手などはありましたでしょうか?

堀口先生ご実績はもちろん、スタッフの皆さんに安定感があったことです。また、税理士法人テラスさんにお世話になっている知り合いの先生を見て、「自分のやりたい医療を自分でできる」ということを叶えられると確信しました。

笠浪:ありがとうございます。それでは、弊社がお手伝いをさせて頂きました時に、不安に思われた事などはございませんでしたでしょうか?

堀口先生税理士法人テラスさんの皆さんはお忙しいはずなのに、ある件で「2週間でお願い」という無茶なことも応えてくれました。開業前の頃は精神的にも身体的にもぎりぎりの状態でしたので、本当に助かりました。

笠浪:お手伝いさせて頂き、先生にご安心を頂けたのはよかったです。それでは、開業時の支援で弊社がお役に立てたこと、またその業務の中で印象に残った事などはございますでしょうか?

堀口先生開業支援の担当者の方が「僕に任せてください。何とかします」とおっしゃっていただいたのが印象的でした。税理士法人テラスさんもお忙しかったでしょうに、私は安心して当時の状況や開業のコンセプトをお話できたのが嬉しかったです。融資が決まったあとは社労士の先生に採用などでお世話になるのですが、税理士法人テラスさん、テラスグループは税務と労務をワンストップでされているのが大きかったです。開業時は大事な局面がたくさんあるので、情報を一括で共有しているという点は、とても安心でした。

笠浪:今の税務の担当者に対してはいかがでしょうか?

堀口先生仕事が早いというのは申し上げるまでもないことで、すごく優しく関わってくれます。「レスポンスが早い」など一言で済ますのが申し訳ないくらいです。銀行の融資担当の方からもいい評判を聞いていました。全然違う会社の方からも評判がいいというのも、彼のお人柄を表しているのではないかと思います。

笠浪:先生のご開業時に弊社がお役に立てていたのはよかったです。それでは、労務では、どんなところがお役に立てたでしょうか?

堀口先生テラスグループの労務の担当者の方は、クリニックのスタッフのことをよく把握してくれて、スタッフ間の問題にも尽くしてくださいました。今後もスタッフの事や、新規採用の面では引き続きアドバイスをいただきたいと思っています。

笠浪:弊社の労務の相談内容は、単なる手続きだけでなくスタッフ問題に関わることがかなり多いです。担当の者がスタッフ問題に関わることができるのは、社労士としての専門知識や経験・スキルに加え、一人の人間として、先生の医院とスタッフの方の両方の最適解を見つけるべく、誠意をもってご対応をさせていただいたからかと思います。

堀口先生引き続きよろしくお願いいたします。

笠浪:ご開業時や日頃の労務の業務や発生する問題にしっかりとお役に立てているのであれば本当に嬉しいです。それでは、もし他の先生などに対して税理士法人テラスをご紹介いただける場合がありましたら、どのようにご紹介をいただけたりしますでしょうか?

堀口先生会計事務所は数多く存在しますが、税理法人テラスさんのような、医療にこんなに精通している会計事務所は他にない気がします。税務顧問を変えたいという医師の友人には既にそのように紹介しています。医療に特化していることに加えて、税務と労務がワンストップでお願いできる点も強いです。さらに皆さんレスポンスも早く、優しく寄り添ってくれるのでとてもおすすめです。

笠浪:ありがとうございます。それでは最後に、先生が今のクリニックを将来的にどんなクリニックにされたいかをお教えいただけますでしょうか。

堀口先生がん治療と言えばアピアランスビューティクリニックに相談しようとなるのが目標です。がん治療は生存率を高めていくのがメインと言われていますが、外見の悩みによる精神的負担も大きいです。「美しさを取り戻したい」となったら当院に行こうとなるといいと思っています。

笠浪:一貫性のある思いがあって素晴らしいお話でした。今日は本当にありがとうございました。

堀口先生ありがとうございました。がんの患者さんのお悩みを解決させて頂ける機会を頂けて嬉しい限りです。

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