クライアントインタビュー

医院開業インタビュー | vol.10
#出産後の復職をきっかけに開業

クリニックを開業すれば、ライフステージごとに自分の仕事をプランニングできるのが、大きな魅力だと思います。

mammaria tsukiji
尹 玲花先生
mammaria tsukiji
尹 玲花先生
平成29年4月 mammaria tsukiji(まんまりあ つきじ)開院
築地の聖路加国際病院(以下聖路加病院)ほど近くにある乳腺専門クリニックmammaria tsukiji。10年間勤務した聖路加病院と密な連携を取りながら、個人クリニックならではの「患者さんに寄り添う気持ち」を大切に日々の診療をされている尹先生に、乳腺専門クリニックを開業した理由、開業準備、今後のビジョン、そして子育てとの両立について、事務面で院長をサポートされているご主人と共に、お話をお伺いしました。(取材日:令和元年5月15日)

税理士法人テラス代表・笠浪真(以下、笠浪):開業して2年になりますが、まずはこちらのクリニック名の由来を教えて下さい。

尹先生乳腺が専門ですから、患者さんの中には乳がんの方もいらっしゃいます。ですから、診療科目がすぐにわかるような名称は避けたいと思っていまして、乳房を意味するmammo(マンモ)と、女性の象徴であるmaria(マリア)を合わせて、mammaria(マンマリア)としました。

笠浪:ロゴもティアラを模したもので、クリニックのインテリアも女性らしく華やかさがありながらも落ち着いていて、とても素敵ですね。

尹先生乳がん検診はもちろん、乳がん術後・治療後の長期間にわたるフォローアップ、検診で異常が見つかった際の乳房精密検査などを行いますから、患者さんが通いやすく、リラックスしていただけるような雰囲気づくりを心がけました。

笠浪:開業のきっかけを教えていただけますか。

尹先生開業自体は、乳腺外科医として働き始めたころから「いずれ自分のクリニックを持ちたい」と思っていました。医学部を卒業し、外科の研修を終えたあと、乳腺外科医師を志して聖路加病院ブレストセンターで勤務医として働き始めたのですが、10年たったころに、「そろそろ開業に必要なスキルを身につけられたかな」と思うようになりました。

笠浪:それで早速開業の準備を始められたのですか?

尹先生いえ、実はその頃に、子供もほしいと思っておりまして、運よく子供を授かったんです。その際に長期入院しまして、仕事をいったんストップしましたので、出産後の復職をきっかけに開業しようと改めて思いました。
具体的なプランはまだなかったものの、まずは税理士さんにお話をと思い、友人の紹介で税理士法人テラスさんにお会いしました。開業の1年ほど前でしたでしょうか。

笠浪:初めてのご相談の際、生後2か月のお子さんを連れていらして、びっくりしたのを覚えています。素晴らしい行動力だなと感心し、ぜひ協力させていただきたいと思いました。

尹先生その時はまだ漠然としか開業を思い描いてなかったのですが、税理士法人テラスさんに「じゃあ物件を探しましょう」と言っていただき、聖路加病院の元上司からも「早く開業してほしい」と催促され、一気に開業へと動き出した感じですね。

笠浪:開業にあたり、不安に思われていたことはございますか。

尹先生税理士法人テラスさんにお会いして、あれよあれよという間に準備がスタートしていったので、強く不安を感じる間もなかったというのが正直なところです。ただ、開業された先輩方からは、スタッフさんの大切さをよく聞いていましたので、物件も決まり、資金の目途もたったところで、そのあとはいい人材を集められるかが不安でした。幸い、開業を決め、周りに声をかけたところ、「ぜひ一緒にやりたい」と集まってくれた方たちだけでオープンできたので、恵まれていたと思います。

笠浪:先生の人望の賜物ですね。
開業となりますと、まずは物件探しだったと思いますが、こちらの場所の決め手を教えていただけますか。

尹先生聖路加病院のパートナーズクリニックとして電子カルテを共有することになっていたので、距離に制約があったんです。こちらは聖路加病院からも近く、患者さんのアクセスとして築地駅からもすぐですし、1階に目印になるお店があり、わかりやすい場所だったことが大きかったですね。

笠浪:私どもからもいくつか物件はご紹介しましたが、最終的には、先生が希望される界隈を実際に歩かれたときにこちらを見つけて、ご自身で決められたんですよね。

尹先生そうですね、自分で電話をかけて。何事も、人任せにしないことは大事かなと思っています。

笠浪:開業の準備をテラスににお任せいただいた決め手がございましたら、教えて下さい。

尹先生まず何よりも、医療を専門とされていること、それから数多くのクリニックを手掛けられた実績があったことです。税理士法人テラスの担当の方のお人柄がとても信頼できたことも大きかったです。

笠浪:ありがとうございます。開業準備の中、弊社が特にお役立てできたことを教えていただけますか。

尹先生まずは資金の面です。銀行さんのご紹介から事業計画に至るまで、安心して税理士法人テラスさんにお任せでき、とてもありがたかったです。

笠浪:当時乳がんを患っている芸能人の方がおられた時期でもあり、メディアで乳腺科が頻繁に取り上げられていて、皆さんの意識も高まっている時期であったことが追い風になったと思います。女性の先生であったこと、聖路加病院のブレストセンターがいっぱいで、病院から「早く開業してほしい」と言われていたこともあり、銀行からはいい融資条件ですぐに回答がもらえたんですよね。

横田様(尹先生ご主人)採用や、事務の面でもお世話になりました。専門的な事を手取り足取り教えていただき、とても助かりました。

尹先生採用では、税理士法人テラスの社会保険労務士の方から、労働条件や雇用契約に関してたくさんアドバイスいただきました。開業時のスタッフは全員もとからの知り合いで、個人的な信頼関係はあったのですが、その担当の方から「雇用主と労働者という立場を明確にとするように」と言われて、こちらもプロになった気持ちで話をし、契約に臨みました。

稲葉勤務医の立場から雇用主になりますから、頭の切り替えがなかなか難しいですが、無用なトラブルを避けるためにも、そこはしっかり線引きすることをお勧めしています。

笠浪:プライベートのお話を少しお聞かせくださいますか。現在、3歳と1歳の二人のお子さんをお持ちですが、家事・育児との両立はどうされていますか。

尹先生夫と話し合い、できるところはアウトソースしようという方針です。多少コストがかかっても、ストレスが溜まって自分たちが崩壊してしまっては元も子もないので。家政婦やベビーシッターのマッチングができるアプリなんかもあるんですよ。アウトソースできないところは夫と分担しています。保育園の送迎は夫がやってくれていますね。

横田様院長はやはりクリニックにいる時間が長いですから、私が家事・育児はこなすようにしています。

笠浪:弊社のクライアント先でも子育てをされている女医の院長先生が何人かいらっしゃいますが、やはりみなさん試行錯誤されておられます。ご家族の協力はもちろん大切ですが、割り切ってアウトソースするというのはとてもいい考え方だと思います。

ご主人はクリニック経営面でのサポートもしてくださっていますね。開業後も引き続き、弊社に税務・労務をお任せいただいていますが、毎月の会計報告はご主人の横田様にお伝えしています。

横田様クリニックの診療業務にはもちろん関わっていませんが、数字を分析することには慣れているので、毎月の売り上げや経費を税理士法人テラスの方と見させていただき、それを院長にフィードバックしています。

笠浪:いつもご協力いただきありがとうございます。

笠浪:税務担当の仕事ぶりはいかがでしょうか。

横田様確定申告、それから毎月の会計報告の際にも、非常にレスポンスが早く、返答も正確ですし、助かっています。今後、法人化も視野に入れているのですが、税理士法人テラスの税務担当の方は医療法人にとても詳しいですね。お会いするたびに法人化についてレクチャーいただき、それを元に院長と話し合いをしています。とても勉強になります。

笠浪:嬉しいお言葉をありがとうございます。弊社では法人化にメリットがある場合は、こちらからご提案をさせていただいております。手続きもお任せください。

今後、開業を考えておられる先生に、弊社をご紹介いただけるとしたら、何といってお勧めいただけますか。

尹先生開業のいろはから、資金調達や人事採用、そして毎月のクリニック経営から法人化まで、クリニックのことなら一括してなんでもご相談できる場所として、安心してお任せできるとお勧めしたいですね。

横田様一歩踏み出すことが大事ですよね。開業を考えておられるなら、税理士法人テラスさんに相談して、一歩踏み出せば、どんどん具体的になっていくと思います。

笠浪:お褒めくださりありがとうございます。開業を振り返って、いかがですか。

尹先生聖路加病院で手術を受け持つ外科医でありながらも開業をするというのは、私が昔から思い描いていた理想の形で、満足しています。いずれ女性の乳房だけではなく、女性を包括的にサポートする診療をしたいという夢があり、今はその基礎を作り上げている段階。夢を実現していく楽しみができて、やりがいがあります。

あと、開業後、思わぬことだったのですが、二人目の子供を授かりまして、もし勤務医だったら周囲にもっと迷惑をかけていたのかなと思います。二人目の妊娠・出産の際は、友人などの助けを借りながら最短の休業で乗り切ることができ、患者さんへの迷惑も最小限に留められたかなと思っています。クリニックはある程度は自分の城ですから、やりたいようにできたのが良かったのかなと。

笠浪:今後、開業を考えておられる女医さんに、ぜひメッセージをお願いいたします。

尹先生女性は、結婚や妊娠、出産で、働き方が大きく変わってきますが、開業すれば、それぞれのライフステージごとに自分がどのくらいの仕事がしたいのか、その都度仕事をプランニングできるのは、大きな魅力だと思います。クリニックの規模も、拡大したり縮小したり、自分の身の丈に合わせた環境づくりが出来ます。それが開業の良さだと実感しています。

笠浪:弊社では年々、女医の先生方への開業支援は増えてきています。ご自身の仕事のボリュームをコントロールできるのは確かに開業の大きなメリットですし、勤務医の時より大きく年収を増やされている先生は多数おられます。
最後になりますが、さきほど、将来は女性を包括的にサポートする診療を、という話がありましたが、今後のクリニックの展望を教えて下さい。

尹先生まずはしっかりこのクリニックの基盤を作ることです。開業して2年経ち、だんだんと自分一人では患者さんを診きれなくなってきたので、ドクターを増やし、さらに患者さん数も増やしていこうと思っています。

横田様地方には乳腺専門クリニックが少ないので、聖路加病院と連携しているという強みを生かして、そういった地域に分院を出し、患者さんをサポートしていけたらという思いもあります。

尹先生そうですね。それと、女性は、更年期に入るころに、さまざまなトラブルが起きます。あちこち受診するのではなく、ゆくゆくは婦人科や内科を併設して、ワンストップで女性の悩みに総合的に応えられるようなクリニックにしていけたら、と考えています。

笠浪:mammaria tsukijiの将来の発展のため、私どももしっかり税務・労務を勤めさせていただきます。今日はありがとうございました。

担当者紹介

佐藤 隆行 (マネージャー)
千葉県出身
2015年入社。税理士法人テラス マネージャー職。

手に職をつけようと思い簿記の資格を取得し、2015年に税理士法人テラスに入社。 入社以来、税務会計業務、医療法人設立コンサルティング業務を一貫して担っている。1年近くかかり、かつ手続きが複雑な医療法人化をスムーズに支援することから院長から信頼が厚い。医療法人設立後に「医療業界に詳しいテラスさんに」と引き続き税務担当を任されることも多い。またマネージャーとして、部下の育成を行う。 仕事で心がけていることは、各々の院長のライフステージに合わせ、求められることに着実に応えていくこと。2018年社長賞受賞。

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