クライアントインタビュー

医院開業インタビュー | vol.05
#最終的には「医療法人を引き継がないことで譲渡資金を押さえた上で、個人として開業する」という道へ。

医院承継開業は、新規と比較すると準備にかける労力と時間が非常に少なくて済みました。

和光市歯科
山崎 新先生
和光市歯科
山崎 新先生
平成30年2月 和光市歯科開院
承継開業を選んでとても良かったと満足しています。既に歯科医院があることの認知があり、現に前の医院から通ってくださる患者さんも2-3割いらっしゃいます。何より、準備において、機器選び、コスト、業者さんとの対応など、新規と比較すると労力が非常に少なくて済みましたし、短期間で開業できたのも承継だったからこそと思っています。(取材日:平成30年8月21日)

税理士法人テラス 外田 寛和(以下外田)開業のきっかけを教えて下さい。

山崎先生歯学部を卒業後、大規模な歯科医院で幅広い層の患者さんの診療を行い、その後にインプラント専門院で経験を積んでいく中で、「歯科医師として必要とされる治療を一通りできるようになったな」と思えるようになったことがきっかけです。

外田和光市歯科は承継での開業ですが、最初から承継を考えておられたのでしょうか?

そうですね、やはり承継での開業はローコストであることに魅力を感じまして、自分のスタイルに合う物件が見つかればぜひ、と思っていました。一般的に歯科の開業にかかるコストは1億円弱、それほど大きな規模でなくても6-7千万と言われているのですが、承継開業であればそこまでかからないと聞いていたので。それで数社の仲介業者さんに登録し、探し始めて4か月位たった頃にこちらの物件に出会いました。

外田こちらの物件のどういったところに魅力を感じられましたか?

山崎先生第一は駅前という立地ですね。多くの患者さんが通いやすいという利点はもちろんのこと、いずれは専門であるインプラント治療に力を入れたいと思っており、そのためには自費診療がある程度望めるような場所を希望していました。あとは、歯科用CTが導入されていたことです。長く治療をやっていた居抜き物件でCTがあるところは少ないんです。新規で設置する場合、1千万ほどの追加費用がかかりますから、CTがあったことも大きな魅力でした。

外田理想的な物件だったわけですね。それで早速交渉の場に進まれて、そこで初めて弊社とお会いしたんですよね。

山崎先生はい。実は売主の最初の提示価格が想定していたより高かったんです。自分はずっと勤務医で、診療技術には自信はありましたが、経営者としての視点がなく、提示額が妥当なものかどうなのかも分かりませんでした。でも自分としてはどうしても欲しい物件だったので、これはプロの方にしっかり資金計画書を作成してもらい、アドバイスしてもらうべきだなと思いまして、仲介業者さんからテラスグループを紹介いただきました。

外田資金計画書の内容はいかがでしたでしょうか。

山崎先生自分の一生にかかる内容でしたので、厳しめに2-3回練り直してもらいました。最初、売主は法人としての引継ぎを希望されておりましたので、その条件でシミュレーションしてくださったんですが、その結果リスクが大きいことがわかり、「これでは開業後の資金繰りが難しいです」と税理士法人テラスの担当の方からアドバイスをいただいたんです。それでもあきらめることができず、最終的には「医療法人を引き継がないことで譲渡資金を押さえた上で、個人として開業する」という道を提案いただきました。

外田その提案で、先生のご家族も安心され、開業を決意されたのですね。

山崎先生はい。個人事業としての資金シミュレーションをしてくださり、現実的にやっていけそうな道を探してくださったのが、御社にお願いしようと思った決め手です。当初、売主は医療法人としての承継を強く希望されていたので、途中取引自体が難航してしまったのですが、閉院日程が迫る中、税理士法人テラスさんが売主と上手く交渉してくださリ、結果お互い歩み寄って無事合意に達することができました。とても感謝しています。

外田それ以外に弊社がお役立てできたことはございますか?

山崎先生労務関係ですね。今回、承継開業ではあるのですが、前の医院のスタッフは引き継がなかったんです。一新して自分で一からスタートしたいなと思っていましたので。ですがスタッフの雇用に関しては未経験でしたから、募集の際に労務の担当者の方に細かく相談させてもらいました。うちの診療スタイルは一般的なフルタイムではなく、週に40時間以上、1日10時間程度働くスタッフもおりますので、変形労働時間制を採った方が良いというアドバイスをいただいたりと、役立つご提案をいただきました。

外田スタッフもそうですが、患者さんのカルテも引き継がれず、クリニック名称も変更されましたね。

山崎先生はい。過去のカルテにとらわれてしまうと、前の先生の治療内容に縛られてしまうと思ったんです。自分の思うような診療をしたかったので、患者さんは一切引き継ぎませんでした。以前の患者さんからお問い合わせを頂いた際は、経緯を丁寧に説明させて頂いています。その上で改めて通ってくださっている患者さんもいらっしゃいます。
クリニック名称は、SEO対策もあり、駅の名前を使いたかったんです。駅名を歯科医院の名称にするというのはあまり一般的ではないのですが、無事に認められ、嬉しく思っています。

外田機器や備品等の固定資産はそのまま引き継がれましたね。

山崎先生はい、非常にいい状態でしたので。税理士法人テラスさんや仲介業者の方に年式をしっかり確認してもらっていたので、ほぼ引き継がせてもらいました。内装も手を加えていません。自分たちのできる範囲で配置換えをしたり、清掃したりといった程度でしたので、準備期間も1か月という短期間で済みました。

外田これから開業を考えていらっしゃる先生に弊社をご紹介いただけるとしたら、何といって紹介いただけますか。

山崎先生堅実な資金計画をたててくださるところですね。歯科は医科と比較すると競争が激しく、「勤務医時代のほうが良かった」と言っている先生も多いと聞きますし、最悪閉院に追い込まれることもあります。税理士法人テラスさんは浮ついた計画をたてて良いことばかり言うようなことはないので、それが原因で失敗するようなことはない、とお勧めできます。

外田ありがとうございます。弊社では多くの歯科医院さまの開業支援経験がございますので、事業計画、資金計画では売上も経費も厳しく見て、開業後に先生がお困りにならないよう、現実的なアドバイスをさせていただいております。

外田最後に、承継開業を振り返っていかがでしょうか。

山崎先生承継開業を選んでとても良かったと満足しています。既に歯科医院があることの認知があり、現に前の医院から通ってくださる患者さんも2-3割いらっしゃいます。

何より、準備において、機器選び、コスト、業者さんとの対応など、新規と比較すると労力が非常に少なくて済みましたし、短期間で開業できたのも承継だったからこそと思っています。こちらの物件を見つけたのが昨年の10月半ば、承継の合意が11月末、前身の医院閉院が12月末、開業が翌年2月1日と、非常にタイトなスケジュールでしたが、無事開業することが出来てホッとしています。

開業そのものについては、自分のやりたい診療を自由に行うことができるので、その点はとても満足しています。売上を伸ばすことができれば、自分の望む投資ができ、それをさらに患者さんに還元できるという、いい流れを作れているなと思っています。

きついのは、勤務医時代は休むと収入はゼロになるだけですが、開業後は休むと赤字になることですね。ニーズのある時間帯で確実に診療できるようにと、診療時間を長めにとっているのですが、今後インプラント治療も力を入れてやっていきたいので、そういった高度な治療を希望される患者さんの発掘と、自分自身のキャリアアップのために、今は頑張り時かなと思っています。

外田開業して半年ですが、患者さんも順調に増えていらっしゃいます。開業支援に引き続き、税務も労務も精一杯努めさせていただきますので、今後ともどうぞよろしくお願い致します。

担当者紹介

外田 寛和 (執行役員)
東京都出身
2017年入社。税理士法人テラス執行役員。

子供の頃から自宅で決算・申告の仕事をする父の姿を見ていたことから会計に興味を持ち、大学では商学部に進む。大学卒業後はトラック運転手として働いていたが会計の仕事への関心を捨てきれず、大手税理士法人に転職。医療部に配属され、8年半のあいだ医院・クリニックの税務会計業務の経験を積む。
次のキャリアアップを考えていた頃に笠浪代表から声がかかったことをきっかけに、2017年1月税理士法人テラスに入社。前職の経験を活かして税務会計業務全般、医療機関のコンサルティングを担い、社員育成にも力を入れている。特に新規開業したばかりで、経営に不安を持つクリニックの税務やコンサルティングを得意とする。
「一つ一つ丁寧な仕事をしてくれる」とクライアントからの安心感が強い。
今後の目標は、経験の浅い社員のスキルの底上げを図り、事業規模を拡大させていく当社の組織力を強化していくこと。

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