
Q : 来期の業績を予想して役員報酬の減額を検討しておりますが、役員報酬改定について教えて下さい。親族役員で3名です。
給与等の収入金額(給与所得の源泉徴収票の支払金額)から控除する給与所得控除額は、収入金額1,200万円超は230万円で頭打ちになります。
また、厚生年金保険料は標準報酬月額で65万円、健康保険料で139万円が頭打ちになりますので、役員報酬の月額が200万円と高い理事長より月額90万円の理事の奥様の役員報酬を減額する方が所得税・地方税及び社会保険料が下がり家計にお金が残ります。
また、損金算入が認められる役員報酬は原則的に下記のとおりです。(平成29年9月現在)
1.損金算入ができる定期同額給与とは?
法人税法では、役員報酬や役員賞与を「役員給与」といいますが、毎月、一定額を支給する役員報酬については、次の要件を満たせば、定期同額給与として損金算入が認められています。
【定期同額給与の要件】
- 支給期間が一ヶ月以下の一定の期間ごとであること(実務上は月払いが一般的)
- その各支給時期における支給額が事業年度を通じて原則同額であること
2.定時株主総会(定時社員総会)での役員報酬の改定
上記のように定期同額給与の要件は、月々の支給額が事業年度を通じて原則同額であることであり、事業年度の途中に増額や減額をすると、その一部が損金として認められません。
ただし、決算終了後の定時株主総会など、毎年所定の時期に行われる改定(通常改定)で、次の要件を満たす場合、定期同額給与とみなされ、全額を損金にすることができます。
【通常改定で定期同額給与とみなされる要件】
- 期首から原則3ヶ月以内(3月決算法人なら6月末まで)に行う改定であること
- 事業年度内において、改定前の毎月の支給額が同額であること
- 事業年度内において、改定後の毎月の支給額が同額であること
会社の業績が変化すると、期中であっても、毎月支払う役員報酬の改定(増額・減額)を検討する可能性がありますが、改定の理由によっては、税務上、その一部が損金として認められない場合があります。
詳細及び実務上の手続きは、税理士法人テラスにぜひ相談下さい。
“医院多様化・事業継承・相続”カテゴリーのよくあるお悩み一覧
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Q39: 医院の承継(第三者承継)
Q40: 相続
Q41: 相続税申告
Q42: クリニックの閉院について
Q43: 遺産分割
Q44: 相続税・税務調査
実際に税理士法人テラスが医院承継・相続フェーズをお手伝いした先生にお話を聞いてみました。