名古屋市立大学医学部の歴史・カリキュラム・研修制度などを紹介!開業医の方も多くいます

公開日:2021年2月4日
更新日:2024年3月18日

はじめに

名古屋市立大学は大学の発展を期してその理念と使命を明らかにすること、そして発展の座標軸を定めて今後の進むべき方向性を明らかにしました。また医学部でも医学部の未来プランを策定して以下のような未来に向けた前進を目指しています。

世界トップレベルの特色ある研究を推進します。
優秀な医療人を輩出するための総合的な人材育成システムを構築していきます。
最先端の医療研究を推進して高度で先進的な医療を提供します。
研究成果を社会に還元して市民の健康と福祉の向上に寄与します。

それらから真理の探求・人材の育成・高度医療の提供を可能にしていくことそして実践的な研究成果を世界に発信していく「知の創造の拠点」となる努力していきます。

出典:名古屋市立大学大学院医学研究科・医学部HP

住所

名古屋市立大学の所在地は桜山(川澄)キャンパスにあります。住所は名古屋市瑞穂区瑞穂町字川澄1。地下鉄桜通線で名古屋駅から15分程度・駅すぐとアクセスもなかなかです。

出典:名古屋市立大学大学院医学研究科・医学部HP

入学金・学費

名古屋市立大学医学部の学費を紹介します。

1年次は入学金は332000円、授業料は535800円で合計が86万7800円

2年次から6年次は授業料が535800円×5年間=267万9000円

国立大学より入学金が5万円高いだけの総額が355万程度です。国公立大学全体でみても6年間の学費の総額で10万円程度しか変わりません。

出典:医学部受験マニュアルHP

偏差値

65.0

国公立大学医学部の中でも平均の少し上という程度になりそうです。対象は国公立医学部なので相当の難易度になります。金沢大学医学部福井大学医学部浜松医科大学医学部滋賀医科大学医学部などが併願候補になってきそうです。

出典:河合塾医進塾HP

倍率

名古屋市立大学医学部医学科の倍率を紹介します。

19年度:前期2.7倍・センター課す推薦3.6倍・センター課す地域枠3.1倍、18年度は同2.6倍・2.9倍・3.7倍となっています。

全体的にはそこそこ高いかなという感じがします。国公立医学部の3倍前後なので決して低くありません。

出典:旺文社HP

医師国家試験合格率

2020年:全体96.0%(全国18位)新卒97.8%(全国20位タイ)既卒75.0%(全国37位タイ)
2019年:全体91.3%(全国34位タイ)新卒92.9%(全国51位)既卒66.7%(全国27位タイ)
2018年:全体93.8%(全国23位)新卒95.7%(全国30位タイ)既卒50.0%(全国68位タイ)
2017年:全体97.3%(全国3位)新卒97.3%(全国6位)既卒100.0%(全国1位タイ)
2016年:全体96.0%(全国11位タイ)新卒97.2%(全国14位タイ)既卒66.7%(全国33位タイ)

毎年20位前後に顔を出していますので優秀です。19年が若干落ち込むもそれでも中の上くらいと安定しています。新卒はなかなかの好成績・既卒も平均を上回っています。

出典:医学部受験ラボHP

歴史

名古屋市立大学医学部の歴史を紹介します。

昭和27年4月:医学部医学科の設置(定員40名)
昭和34年5月:大学の本部を川澄キャンパスに移転、また旧制医学研究科に学位論文審査権を附与
昭和35年11月:医学部図書館を付属病院内から川澄キャンパスに移転
昭和36年4月:大学院医学研究科を設置
昭和36年12月:付属病院の病床数を512床に変更
昭和38年4月:医学部医学科の入学定員を60名に増員
昭和41年11月:付属病院を改築して新病院を設立。病床数は624
昭和50年4月:医学部医学科の入学定員を80名に増員
昭和58年1月:附属病院の病床数を821床に変更
昭和58年5月:附属病院の病床数を808床に変更
昭和62年4月:医学部分子医学研究所を設置
平成4年12月:医学研究科実験動物研究教育センターの完成
平成8年3月:医学研究科・医学部研究棟完成
平成12年4月:大学院医学研究科の専攻を再編して入学定員を25名に変更
平成18年4月:公立大学法人名古屋市立大学の設立
平成19年5月:附属病院の外来診療棟が診療を開始
平成20年4月:大学院医学研究科の修士課程を設立
平成21年4月:医学部の入学定員を92名に増員
平成22年4月:医学部の入学定員を95名に増員
平成23年3月:臨床シミュレーションセンターを設置
平成23年4月:救命救急センターの指定、睡眠医療センターの設置
平成29年1月:先端医療技術イノベーションセンター・また高度医療教育研究センターを設置
令和元年10月:脳神経科学研究所を設置

出典:名古屋市立大学大学院医学研究科・医学部HP

特徴

名古屋市立大学医学部では社会性・倫理性・創造性を兼ね備えた医師・医学研究者を育成しています。医学と人の健康を守ることを通して人類と社会の福祉に貢献していく分野といえます。高度な科学・技術力・倫理を求めていきます。

専門教育では基礎医学・基礎臨床医学・社会医学・臨床医学の全科目を必須としていくことで幅広く医学を学ぶことができるようになっています。

医学部では人の構造や機能の異常に基づく各種疾病及びそれらと社会環境・生活習慣との関連に関する知識・適切な予防・治療・ケアを行うために技能・医療の様々な課題を解決して、医学部の発展に貢献している科学者としての能力をつけていきます。

出典:名古屋市立大学大学院医学研究科・医学部HP

カリキュラム

名古屋市立大学では基礎医学・基礎臨床医学・社会医学・臨床医学の4つの領域が6年間でバランスよく向上していくような教育をしていきます。

1年次では幅広い教養を身に着けていくことで医学を学ぶ基礎を形成していきます。人文科学・社会科学・自然科学・外国語などの教養科目はもちろんのこと、早い段階での地域や施設を訪問して現場での課題を意識していくことで医療人として働くための基礎をつけていきます。

2年次は解剖学・生化学・生理学などの基礎医学を講義や実習を含めて学習していきます。その中でも解剖学実習を最も重視していきます。家族の方の遺志を持って死後の遺体を解剖します。それを今後の医療に役立てていく大事な科目です。また病気と正常な状態の差を知ることも治療をしていく上で大事になります。

3年次では病理学・薬理学などの臨床基礎医学を学んでいきます。その中でも最も重視していくのが基礎自主研修というもので他学部の卒業研究のようなものです。1・2年次での基礎医学・臨床基礎医学を学んだ方が4ヶ月間の研究室配属で実験や研究を行います。研究発表をしていくことで相手・聞き手の方とのコミュニケーションの重要性をつけていきます。

4年次では臨床医学を学習していきます。内科・外科・小児科・耳鼻咽喉科などの幅広い分野を学んでいきます。修了後に共用試験を行います。合格者は年明けからは実際に診療に参加していきます。医学部生の本業である臨床医学が始まります。

5年次では臨床実習で将来の医師としての必要な総合力をつけていきます。名古屋市立大学付属病院を中心に協力医療機関を含めた様々な診療のサポートを医療チームに入って行っていきます。ほぼすべての診療科を短期間でルーティンしていきます。

6年次は5年次と違って自身の希望する科を中心とした臨床実習を行っていきます。指導医の指導の下でさらなる専門的な実習を行っていきます。多くの経験をしていくことで将来医師になった時の引き出しに活用していただきたいです。

出典:名古屋市立大学大学院医学研究科・医学部HP

研修制度

名古屋市立大学医学部の研修制度は将来どの科を選んでも困らないように全身の管理と救急対応を身に着けることが求められます。大学で総合診療や救急診療からハイレベルな専門領域の研修をすることもできます。またたすきがけの制度によって大学病院と一般病院のそれぞれのメリットを生かしたハイブリッド研修も可能になっています。

医学部の研修プログラムの内容としては大学病院プログラム、協力病院連携プログラム、小児科重点プログラム、産婦人科重点プログラムなどがあります。1年目12ヶ月・2年目に13ヶ月で合計25ヶ月の設定になっています。

大学病院プログラムは1年目に総合内科・消化器・循環器・呼吸器・神経などの各内科を6ヶ月、救急科1ヶ月、外科1ヶ月、小児科1ヶ月、産婦人科1ヶ月、麻酔科1ヶ月、精神科1ヶ月、2年目に地域医療1ヶ月、救急科1ヶ月、残り11ヶ月程度が選択科になります。

協力病院連携プログラムは1年目は各病院によって研修内容が異なります。2年目に地域医療1ヶ月、救急科1ヶ月、残り11ヶ月程度が選択科になります。

小児科重点プログラムは1年目に総合内科・消化器・循環器・呼吸器・神経などの各内科を6ヶ月、小児科1ヶ月、外科1ヶ月、産婦人科1ヶ月、小児科選択1ヶ月、救急科1ヶ月、麻酔科1ヶ月、2年目に小児科1ヶ月、小児科集中治療1ヶ月、地域医療1ヶ月、耳鼻科・産婦人科・その他選択科5ヶ月、精神科1ヶ月、救急科1ヶ月、小児科3ヶ月になります。

産婦人科重点プログラムは1年目に1年目に総合内科・消化器・循環器・呼吸器・神経などの各内科を6ヶ月、小児科1ヶ月、外科1ヶ月、産婦人科1ヶ月、産婦人科選択1ヶ月、救急科1ヶ月、麻酔科1ヶ月、2年目に産婦人科1ヶ月、小児科集中治療1ヶ月、地域医療1ヶ月、産婦人科・その他選択科4ヶ月、救急科1ヶ月、選択産婦人科4ヶ月になります。

出典:名古屋市立大学大学院医学研究科・医学部HP

部活動

名古屋市立大学医学部の部活動を紹介します。運動部・文化部・同好会があります。卒業後の仲間作りやコミュニケーションが大切になりますのでサークルへの加入は悪くない選択肢といえます。

運動部はバレーボール部・卓球部・サッカー部・ハンドボール部などがあります。

文化部はオーケストラ部・ギターマンドリンクラブ・混声合唱部・軽音楽部・邦楽部・アイセック名古屋市大・申楽之能倶楽部・演劇部・茶華道部・障害者問題研究会・東洋医学研究会・文藝部・手話部・
蝶ヶ岳ボランティア診療班・ストリートダンス・ダンス部・美術部・博物館サポーター・生協学生委員会・大衆文化研究会・アカペラサークル・医学ワークショップなどがあります。

同好会はバドミントンサークル・消防団・動画研究愛好会・映像街づくり・ぬいぐるみ病院・国際保健看護サークル・クイズ研究会・星を見る会などがあります。

出典:名古屋市立大学大学院医学研究科・医学部HP

連携病院

名古屋市立大学の連携病院を紹介します。

名古屋市立東部医療センター(愛知県名古屋市千種区若水)
独立行政法人地域医療機能推進機構中京病院(愛知県名古屋市南区三条)
あいち小児保健医療総合センター(愛知県大府市森岡町)
愛知県厚生農業協同組合連合会江南厚生病院(愛知県江南市高屋町大松原)
愛知県厚生農業協同組合連合会海南病院(愛知県弥富市前ケ須町南本田)
堺市立総合医療センター(大阪府堺市西区家原寺町)

出典:日本救急医学会・救急医を目指す君へ

著名な卒業生

岡本泰幸氏(消化器内科・がん専門医、徳重おかもとクリニック院長)
望月寿人氏(消化器内科医、もちづき内科クリニック院長)
今井正氏(小児科医、いまいこどもファミリークリニック院長)
竹内美征氏(内科・小児科医、たけうち内科院長)
端谷毅氏(精神科医、はしたにクリニック院長)

出典:病院検索ホスピタ

笠浪 真

1978年生まれ。京都府出身。藤沢市在住。大学卒業後、大手会計事務所・法律事務所等にて10年勤務。税務・法務・労務の知識とノウハウを習得して、平成23年に独立開業。
現在、総勢52人(令和3年10月1日現在)のスタッフを抱え、クライアント数は法人・個人を含め約300社。
息子が交通事故に遭遇した際に、医師のおかげで一命をとりとめたことをきっかけに、今度は自分が医療業界へ恩返ししたいという思いに至る。

医院開業・医院経営・スタッフ採用・医療法人化・税務調査・事業承継などこれまでの相談件数は2,000件を超える。その豊富な事例とノウハウを問題解決パターンごとに分類し、クライアントに提供するだけでなく、オウンドメディア『開業医の教科書®︎』にて一般にも公開する。

医院の売上を増やすだけでなく、節税、労務などあらゆる経営課題を解決する。全てをワンストップで一任できる安心感から、医師からの紹介が絶えない。病院で息子の命を助けてもらったからこそ「ひとつでも多くの医院を永続的に繁栄させること」を使命とし、開業医の院長の経営参謀として活動している。

こちらの記事を読んだあなたへのオススメ